事例

BRMSソリューション導入事例 日新火災海上保険株式会社様

新商品の市場投入をタイムリーに実現できる基盤としてBRMSを導入、損害保険の保険料計算に適用

迅速に新商品を投入するため、「短期間」で「低コスト」なシステム開発が求められていました。新商品対応や商品改定対応のスピードアップを実現するためBRMSを導入。まずは、複雑な業務ルールや保険料計算ロジックをもつ労働災害総合保険の保険料見積りシステムに適用しました。
労働災害総合保険のルール開発では50%の開発期間の短縮化を実現。日新火災海上保険様として、開発・保守効率が高まるシステム基盤を確立し、今後の新商品の機動的な投入が可能になりました。

導入背景

短期間で低コストなシステム開発を目指しBRMSを導入、労働災害総合保険の保険料計算に適用

賃貸入居者向け家財保険「お部屋を借りるときの保険」、管理の質に応じて保険料が決まるマンション管理組合向け火災保険「マンションドクター火災保険」等、画期的な商品を世に送り出し、国内リテール分野で強みを発揮する日新火災海上保険様(以下、日新火災)。こうした日新火災様のITを支えているのが日新情報システム開発様(以下、NISK)です。

システム開発1部火新契約グループ担当課長の吉田氏は、BRMS(Business Rule Management System)導入の背景を次のように説明します。

「日新火災では新商品開発に力を入れており、他社とは一線を画した独自性のある新商品を次々とリリースし、契約件数も順調に伸びています。こうした新商品の市場投入をタイムリーに実現できるよう、「短期間」で「低コスト」なシステム開発が強く求められていました。BRMSは開発効率・保守性向上のツールとして保険業界での導入事例が増えており、試用の機会を得たのをきっかけに、導入に踏み切りました」

最初の適用ケースには、複雑な業務ルールや保険料計算ロジックをもつ「労働災害総合保険」の保険料見積りシステムを選定しました。

既存システムの問題点について、「スタンドアロンのシステムで、稼働環境が古く、将来的にOSの最新バージョンに対応できなくなるリスクを抱えていました。また、定期的な商品改定等に対してシステム対応を容易に行うことができない等、メンテナンス性も低下していました」と語るのは、火新契約グループでシステムエンジニアを務める久野氏。

BRMSの製品選定では、ルール確認における操作性の良さとテストの容易性、利用している開発ツールとの連携性から、アシスト社の「Progress Corticon」を採用しました。

オージス総研を開発パートナーに選んだ理由は明確でした。システム開発3部オープンシステムグループ担当課長の野口氏は、次のように評価します。

「先進技術に対する知見・ノウハウやシステム開発における技術力の高さ、保険業界での豊富な実績、コスト等、全ての面で優れていました。BRMSを活用したシステム開発を自社で内製化することを目指していた当社の要件にジャストフィットした提案であり、即決でしたね」

導入のポイント

モデリング力を活かし、内製化を視野に入れた工夫で、効率性の高いシステムを実現

NISK様にとって初のBRMS導入プロジェクトは、オージス総研が全面的に開発を支援しました。

システム開発1部火新契約グループ主任の新井氏は、BRMSについての知見や経験がなく、最初は戸惑ったとプロジェクトを振り返ります。

「要件定義の際、何から手をつければ良いのかわからない状態だったのですが、オージス総研が私たちを上手にリードしてくれました」

オージス総研では、ルール化する対象範囲を検討し、定期的に変更が発生する保険料計算処理とデータチェック処理に適用領域を絞りました。

そして、初期段階で、語彙モデル・ルールモデルを作成し、PDCAサイクルを回しながらモデルを深化させることで、ルール開発・テストを効率的に実施し、手戻りを最小限に抑えました。

また、NISK様がルール作成に苦労しないよう、日新火災様の商品開発部門が作成する要件書から直接ルール化できる工夫も加えました。


新システムには、使いやすさや利便性も求められました。

「既存システムは代理店からの評判も良く、見劣りするようなシステムは許されませんでした。オージス総研には、画面のデザインや操作性について細かく注文しましたが、その都度画面イメージを作ってもらい、何度も確認することができました。度重なる仕様の追加変更依頼にも、難易度や工数を整理していただいたので判断しやすかったです。回答も的確かつ迅速だったので、非常に進めやすかったですね」(久野氏)

新システムは予定通りにカットオーバーし、現在、全国13,000の代理店で利用されています。

「トラブルなく安定稼働しています。常に当社の立場で考え、対応してくれたオージス総研への信頼が飛躍的に高まりました」(野口氏)


Figure 1:システム概要図

今後について

幅広い分野へのBRMS導入を推進、事業環境変化への対応のスピードアップを目指す

吉田氏は、BRMSが初期開発の効率化にも大きく貢献したと評価します。

「保険料計算やデータチェックのBRMSを活用した部分では、開発期間が半減しました。今回は、画面や帳票に関わる部分も開発しており、それを含めたシステム全体でも、当社の従来の開発期間と比較すると3割短縮することができています。開発コストも大幅に抑えられました。」

この成果を受け、今後、BRMSの適用範囲の拡大を検討しています。

「開発コストをあまりかけることのできない傷害保険や新種保険などの少量多品種の保険商品にも展開していきたいですね。保険商品以外にも、保険業務にかかわる数多くの複雑な事務処理など幅広い分野に適用できると思います。今回の経験を活かし、将来的にはBRMSを活用したシステム開発の自社内製化を進め、より効率的な開発を目指します」(吉田氏)

「ビジネスの環境変化が加速する中、新しい技術や手法を積極的に取り込みながら、変化への対応力をブラッシュアップしていきたいと考えます。オージス総研には、これからも当社のITパートナーとして先進技術を取り入れた提案や支援を期待します」(野口氏)

担当者の声

お客様からは多くの変更要望をいただきましたが、密なコミュニケーションを通して無理なく取り込めました。

お客様を含め時短勤務の女性が参画するプロジェクトでしたが、マネジメントを工夫しながら全員が協力してご満足いただけるシステムを完成させたことは、大きな自信となりました。今後も、お客様の新商品開発にむけたシステム改革をご支援していきたいと考えます。


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日新火災海上保険様の導入事例など、下記のようなPDFがダウンロードできます。

  • 日新火災海上保険様などBRMSの導入事例やBRMSソリューション概要資料
  • BRMSの開発・運用プラットフォーム「yonobi」の概要資料
  • BRMSによるシステム構築を成功に導く5つのポイント

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お客様プロフィール

日新火災海上保険株式会社 様


1908年創業の損害保険会社。国内リテール分野に強みを持ち、「お客様に最も身近で信頼されるリテール損害保険会社」を目指し事業を推進しています。



日新情報システム開発株式会社 様


日新火災海上保険株式会社の100%出資の情報システム子会社として、日新火災の基幹システム開発ほかIT関連業務全般を担っています。

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