ユースケース
VPPにおける多種多様な電力設備との接続をVANTIQでシンプルに実現
VPP事業の拡大に伴い複雑化するACシステムと多種多様な電力設備(EMS)との接続を、VANTIQを使ってシンプルに実現する方法を紹介します。
VPP(Virtual Power Plant)では、電力需給状況に応じて多種多様な電力設備をリアルタイム制御する必要があります。VPP事業開始直後は限られた種類の電力設備と接続する単純な構成かもしれません。ですが、事業拡大に伴い電力設備を継続的に追加することにより、多種多様な電力設備との接続が必要になってきます。その結果、ACシステムは複雑化し、事業拡大に必要な電力設備の追加や新しいサービスの立ち上げが困難になります。
このユースケースではVANTIQを利用して、以下を実現します。
- ・多種多様な電力設備をシンプルに接続する
- ・新しいサービス追加を容易にする
- ・新しい電力設備の追加や、電力設備の年式追加を容易にする
ユースケース概要
ユースケース:複雑化するACシステムと多種多様な電力設備(EMS)との接続
VPP事業拡大に伴い、VPP事業の根幹であるACシステムと電力設備システムとの接続において、以下に列挙するような多数の課題が発生します。
- ・新しいサービスを追加するとき、別サービスで既に構築済みである電力設備への接続機能を、再度構築する必要がある
- ・既存サービスを改修するとき、既存サービスに対する電力設備の全接続を見直す必要がある
- ・新しい種類の電力設備を追加するとき、すべてのサービス毎に接続機能を開発する必要がある
- ・既存サービスから接続されている電力設備に新しいモデルや年式が追加されたとき、すべてのサービス毎に接続機能を改修する必要がある
- ・サービスや電力設備の数が増えるにしたがい接続数が劇的に増加し、全体としての開発コストが増大する
これらの課題は、VANTIQを使うことで解決することが可能です。
VANTIQを使ったユースケースの実現
VANTIQを使ったACシステムと多種多様な電力設備(EMS)とのシンプルな接続の実現
VPPサービスと電力設備とを直接接続するのではなく、「VPPサービスとVANTIQ」、「VANTIQと電力設備」という構成に標準化します。
VANTIQでは、以下に列挙することを行います。
- ・VPPサービスから共通的な形式で情報を受けとる
- ・共通的な形式で受け取った情報を、電力設備の種類に応じた異なる形式に変換する
- ・変換した電力設備ごとの情報を、電力設備に送信する
- ・上記の情報連携をリアルタイムに行う
このような構成に標準化することで、多種多様な電力設備との接続がシンプルとなり、結果として以下の効果を得ることが期待されます。
- ・電力設備との接続を意識することなくVPPサービスを追加できる
- ・既存サービスを改修する際、電力設備との接続を意識する必要がない
- ・VPPサービスの改修を行うことなく、新しい電力設備との接続が行えるようになる
- ・VPPサービスと電力設備とを別々に追加/改修することが可能になるため、開発コストの低減が可能
多種多様な電力設備との接続をシンプルにすることで、VPP事業において、新しいサービスの提供や、新しい電力設備の導入を、他社よりも早く実現することに寄与できます。
VANTIQ
VANTIQのリアルタイム連携機能とローコード開発基盤の活用
VANTIQはリアルタイム処理が必要なアプリケーションやサービスのための最適なプラットフォームです。
- リアルタイム性が求められる業務に最適
フィールドサービス、セキュリティサービス、機器保全、災害対策、運行管理、デリバリーなど、ビジネス上の機会や脅威が発生した瞬間に対応することが必要な(リアルタイム性が求められる)業務に適しています。
- リアルタイム処理に最適なエンジン
EDA(Event Driven Architecture。従来のDB中心の処理ではなく、発生し続けるデータの中から必要なデータを直接見つけて処理の振り分けを行う仕組み)を備えたイベントブローカーであるため、各種デバイスやメータ等より常時流れてくるデータから、特定の状況を検知し、その状況に応じた処理をすばやく実行します。非同期に発生する大量イベントを複合的に判断する機能を備えます。
- 高速開発可能なツールと環境がオールインワン
ビジュアル開発ツールで、複雑なプログラミング不要で開発することが可能です。開発から運用までの環境がクラウド提供されているので、環境準備が簡単にできます。
本ユースケースの実現に際しては、以下に記載する2つの特徴を活用しました。
1つ目の特徴は、「リアルタイム連携」です。
データベースを経由することなく、ストリーム処理機構によりリアルタイムにデータを処理できます。
たとえば「気温が30℃以上になったらエアコンのスイッチをONにする」というような条件を設定しておけば、ストリーム上に「30℃以上の気温情報」を受信したら即座に「エアコンのスイッチをONにする」というアクションが実行されます。
2つ目の特徴は、「ビジュアル開発ツールによるローコード開発」です。
VANTIQでは、ビジュアル開発ツールを用いたローコード開発が可能です。ブロックをつなげていくだけで処理の流れを表現することができ、簡単に開発が可能です。また視覚的に表現されるので理解しやすい特徴があります。
Web画面やスマホアプリも同じようにローコード開発が可能であり、電力設備(EMS)のモニタリングなど行う画面なども簡単に作成できます。
2024年04月22日公開
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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