PMマガジン
「体制のバックアップ」

2013年01月号
  • 「体制のバックアップ」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L5) 吉岡 毅 

新年明けましておめでとうございます。8月、9月の暑さを考えると本当に冬が来るのか?という感じでしたが、めっきり寒くなりましたね。この時期なるとインフルエンザの話が出たりと、メンバも風邪を引いたり休む機会も増えますよね。

そこで今回は、プロジェクトにおける「体制」について書きたいと思います。プロジェクトを推進するにあたり、体制を構築する際は、QCDを意識して進めると思います。当然ながらコストに見合わない体制や納期を守れない体制というのはありえないことです。

今回私がこの「体制」というところでお話をしたいのは、予期せぬ事態をどこまで予期できていた事態(リスク軽減)に転換できるか?ということです。大規模なプロジェクトほどリスクはたくさん発生して体制構築が難しいですよね。当然ながら組織が大きくなり、構築するシステム規模が大きくなればなるほどその難しさは増します。

しかしながら、大規模プロジェクトにおいては、設計書などをしっかり作成し、より多くのメンバとコミュニケーションをとることが多いので、メンバが不測の事態で長期の休みなどに入った場合のバックアップは取りやすいといえます。逆に規模の小さなプロジェクトの方が、バックアップ体制は取りにくく、このような事態になった場合にプロジェクトそのものがストップしてしまうということもよくあるのではないでしょうか。

今回、中国でのBPO(Business Process Outsourcing)での経験を少しご紹介します。開発でもなく日本国内だけでの仕事でもないので、少し視点は異なるかもしれませんが、参考になればと思います。(たくさんありますが、特徴的なものを書きます。)

■祝日の考え方
 日本と中国では祝日が異なります。中国では年に2回大きな休みがあり、ひとつは お正月の春節。もうひとつは国の創立を祝う国慶節です。この2回の大型連休でも 特に春節は中国の人にとって1年でも特別な期間です。この文化を考慮した体制作りを行わないと、春節や国慶節前に同時に大量の人 員が休みに入ってしまい、体制が維持できなくなります。

■突然人がやめる
 これは日本でも同じことは起こりえますが、中国の場合は特に気をつける必要があります。昨日まで来ていた人が突然やめてしまうということもあります。特にBPOの場合は人の入れ替わりが多いため、事前の業務の可視化やマニュアル化を徹底的に行い、属人性を排除するということがとても大切になります。今回のBPO開始に向けて、約40人の体制を構築する必要がありましたが、開始前には50人程度採用しました。11月現在では想定の40人で稼動しており、このように辞めることが前提の体制作りが必要です。

このような事象は中国特有という部分もありますが、日本国内での体制作りにおいても、
 (1)属人性を可能な限り排除した体制作り
 (2)可能な限りメンバ間でのバックアップ体制を確立する
といったことを考える必要があります。

今回はBPOの事例を少し交えて書きましたが、みなさんが推進されるプロジェクトに置き換えれることは多いと思います。言い方は乱暴ですが、「メンバはいなくなる可能性がある」ことを考慮した体制作りができるとプロジェクト運営はやりやすくなると思います。なかなか現実的には難しい話ではありますが...

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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