PMマガジン
「大規模案件を垣間見て」

2013年01月号
  • 「大規模案件を垣間見て」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L5)  高橋 顕治 

ここでは、以前に携わったことがある巨大プロジェクトを題材にして、PMやコンサルとは”かくあるべき” ということをあまり意識せずに記載したいと思います。
そんなプロジェクトもあるのか・・・程度に読んでいただければ幸いです。

プロジェクトは、複数のコンシューマー向け量販店が経営統合されたのを機に、会計、物流、サービスなど様々な業務を見直し、それにあわせてシステムも統合・再構築するというものでした。
フェーズは、システム要件定義よりもさらに前にあたり、各社の業務をどのようにしていき(業務設計)、システムをどこへどう適用していくかといった要求を明確にしていくという段階でした。このフェーズだけで既に顧客側含めて日々百人ほどの人が携わっていたのではないか、というくらいの規模です。

体制は、前述の各業務ごとにチームが組まれ、チーム毎におおよそ、

  • 顧客側リーダ(いずれかの社のキーマン)
  • 顧客側担当数人(主に各会社の情シスや現場の人)
  • ベンダー側リーダ(主にコンサル会社の人)
  • ベンダー側担当数人(様々なベンダーのSEもしくはコンサル)

で構成されており、上記とは別に、全体を統括する顧客およびベンダー側のPMがいました。

オージス総研からは、複数の人間がいくつかのチームに参画していました。
私自身が具体的にしていたことは、

  • 目指す業務の姿を整理し、一覧化していく
  • 目指す業務のフローを作成する
  • システムへの要求事項を一覧化していく

といったようなことを、チームメンバーおよび関連する他チームや各会社さんと話をしながら実施していくというものでした。前述のとおり1担当として、チームリーダに管理される立場にありましたが、スケジュールおよび成果物に関していうと、実際は以下のような感じでした。

  • スケジュールは、マスタースケジュールおよび期限が提示されるが、期限(1ヶ月先や2ヶ月先)までに何をどれだけ作成するのかと、詳細なタスクスケジュールをどうするかは、各メンバー自身が設定していた。(確認はチームリーダが実施)
  • 進捗確認は行われるが、途中に仔細なフォロー等はなく、問題あれば自ら相談を持ちかけることが求められました。
  • 成果物は、最初にサンプルを作成して記載レベルや見栄えの感覚を共有するが、記載する文章表現がそれでよいかや、図などが間違っていないかなどについて、他の人間による細かいチェックがなくても精度の高いものを出す必要がありました。

また、業務のあり方やシステムの適用の仕方について議論の場がよく設けられましたが、経験・知見をもとに能動的に参画・発言することがあたりまえとみなされていました。

一方、チームリーダや全体PMはというと、次のような感じでした。(横で感じたことを記載しているだけですので、多分に推測が入っていることをご了承ください)

ベンダー側チームリーダは

  • 各員の進捗を見てはいるものの、あまり事細かな管理はしていない。
  • むしろ、業務のあるべき姿に関する議論に時間をさいている。
  • 業務設計上の方向性などのかじ取りをしている。

といったところに重点をおかれていました。(これらが決まった後の一覧やフローの資料化はメンバーに概ねまかせていた)

ベンダー側全体PMは、

  • 各チームリーダに、数億円レベルのPMができる人員を配置し、プロジェクトコントロールをさせている。
  • 複数のコンサル会社のベンダー側リーダを取りまとめている。
  • 各チーム内でかかえている難易度の高い課題の解決のための議論に参加し、突破口をつくる。
  • 全体見据えた方向性を顧客側経営層や各チームリーダと協議している。

など、上位視点でのコントロールをされていました。(各チームの進捗管理や成果物管理は、かなりな部分チームリーダにまかせられていたと思います)

上記のような感じでしたが、自分自身が経験していたシステム開発PMと比べると、結構違う印象を当時受けたのを記憶しています。配下にも大規模PMができる人がいたので、人集めを広範囲にわたって実施しているのだなとも思いました。

ここまで大規模でなくても、似たようなプロジェクトに携わるかたもおられると思います。いまや、業務よりの視点含めた提案・ノウハウをあたりまえのように求められるようになっていますし、このようなフェーズで認められ、のちの開発案件の獲得ができるようになりたいものですね。

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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