PMマガジン
「ドラッカーも勧める振り返り会」

2013年02月号
  • 「ドラッカーも勧める振り返り会」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L5) 小野江 竜也 

皆さんのプロジェクトでは、「振り返り会」をやっていますか?

私が担当していたプロジェクトでは、”(一緒にやっているお客様も交えて)チームメンバー全員で問題点の洗い出しや改善点について定期的に話し合う会”を「振り返り会」(※)と呼んでいます。

(※) アジャイル開発手法である「スクラム」で実践されているプラクティスの一つ
  (参考)http://www.ogis-ri.co.jp/pickup/agile/index.html

「振り返り会」は、2週間に1度、KPTの切り口で話し合います。時間は最大1時間。KはKeep(継続したい事)、PはProblem(問題点)、TはTry(問題点に対するトライ)です。

読んで字の如くですが、「あの活動良かったから継続しよう」というような活動はKeepになります。そして、「この情報を知らなかったから 無駄なあの作業が発生した」というような解決したい問題はProblemになります。このProblemに対して、「次の2週間こんなことにチャレンジ!」と決めるのがTryです。KeepとProblemについて最初に話し合い、最後にTryを考えるというのが「振り返り会」の 流れです。

ある日の「振り返り会」ではこんなことが話し合われました。

■Keep
K1.見積もり時間をオーバーしそうなタスクはすぐにアラートをあげる
K2.朝会の司会持ち回り
K3.定常業務の実施 0.5h
K4.水曜日定時退社

■Problem
P1.開発環境の速度がある日急に遅くなった
P2.作業内容の情報共有に不足がある
P3.週の終わりで不安感が増している(ムードチャート(※)の状況)
P4.着手し始めた作業が気になって朝会に集中できないことがある
P5.新規加入メンバーで特定の作業(タスク)しかできない人がいる
(※)チームの雰囲気をニコちゃんマークで表したもの

■Try
T1.原因解明のために事象をストックする(P1)
T2.情報共有の意識を高める(P2) →口頭だけでなくメールも出す。めんどうくさがらずに聞く、話す。
T3.危険は早めにキャッチする、分かった時点でアラートをあげる、6h以上のかんばん(※)は作らない(P3)
T4.朝会前はメールチェック、その他庶務や作業準備くらいにとどめる(P4)
T5.かんばんをみんなが取れるようにするために、チャレンジDayを設け、自分がやったことのない作業(タスク)にトライする(P5)
(※)日単位にブレークダウンしたタスクを付箋紙に書き、ホワイトボードに張り出したもの

 

個々の内容はさておき、「振り返り会」には、こんな効果があります。

  • 個々のメンバーが普段何となく思っている意見を聞くことができる
  • チームメンバーみんなで問題点を共有し解決しに行くので、自分たち自身で問題を改善していく力が身につく
  • 自然にチームコミュニケーションが発生する

何回か続けると、マンネリ化したり無難な意見が出始めるので、いろいろな方法(司会を持ちまわる、小チームで意見集約する等)で実施することをお勧めします。

突然ですが、いつも同じメンバーでお昼食べに行っていませんか?
私が担当していたプロジェクトでは、「振り返り会」で「お昼、いつも同じメンバーだからつまらない」という意見が出ました。そこで、週1回「くじ引きランチ」日が開催されることになり、希望者が集まってくじ引きし、一緒にランチするメンバーを決めました。
これで人見知りであってもコミュニケーションバッチリ! チームワークでお悩みの方はお試しを。

皆さんも振り返り会をうまく活用し、改善を積み重ね、プロジェクトを成功に導きましょう。

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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