PMマガジン
「PMは勘で仕事をしてはいけません」

2014年03月号
  • 「PMは勘で仕事をしてはいけません」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L6) 佐藤 壽佳子 

現在はOCP-L6という肩書きを頂いていますが、PMは一晩にしてならず、私も今から思うと情けない事をやっていたと赤面してしまう時代もありました。それまでの私のSEとしてのやり方は大まかにいうと担当のシステムや顧客要望はきちんと把握している事が前提ではありますが、「勘」と「経験」を頼りどころとして仕事をしていました。
例えば
「これぐらいでできる」 ←「過去」の「自分の」実績をそのまま流用
「過去事例があるので多分そのまま踏襲したらできる」 ←自分とは言えないまでも、「過去」だけに頼っている
「サンプルがこうなっているので、ここを変えれば動く筈」 ←「筈」って何?
「多分なんとかなる」 ←ここまで来たらびっくり!

いずれも担当システムを知っていることで、ある程度「勘」を頼りに大きな問題もなく仕事を進める事ができていたのですが、全く世界の違うシステムのリーダーになった時にガーンと打ちのめされました。
「勘」どころも「経験」もないのです。(当たり前です。)
リーダーとしてはシビアな判断を求められる。しかも、判断を間違えるとプロジェクトは大混乱。お客様は当然ですが、社内(味方)からもクレームの嵐。怖くて黙りたいけど役割がそれを許さない・・・。

その時の無力さの経験から、私は「根拠」を強く意識する様になりました。
  「勘」だけに頼るから、経験と知識がないと判断も説明もできないのだ。
  「経験」だけに頼るから、新しい事に対応できないのだ。

「裏付けとなるデータを集めてロジカルに判断する」それが仕事上で人を説得する基本であり、納得させるものなのだと気付きました。データにより「勘」の甘さも是正できます。「経験」が伴えば更に説得力は増します。

このことはPMにも当てはまります。PMにとって大切なのは判断で、その判断に従い、的確に対策を打つ事が重要です。判断に必要な裏付けデータは正しく、タイムリーに、わかりやすくそろえなければなりません。そして、データを手に入れる手段はプロジェクト計画書や、管理要綱などで運用を決めるのです。

問題の兆候をどのルートからどんな手段ならわかりやすく手に入れられるだろうか。
プロジェクトの変化をどの様に伝えれば、わかりやすく、正確に影響範囲を押さえることができるだろうか。メンバーモチベーションの浮き沈みをどの様にしてとらえるか。

そして最終エッセンスとして、運用がうまく行き情報が集まれば「今回は」という分析を入れる事。プロジェクトは同じものは一つとしてありません。ましてや過去と同じでは絶対にありません。

管理要綱などは漠然と運用されていることも多いかも知れませんが、すべてに意味があり、すべてに工夫が必要です。目の行き届きにくい大規模案件を行う上ではPMの命綱でもあります。
そしてまさに、こういうところがPMの醍醐味ではないでしょうか。

 〜 PMは勘「だけ」で仕事をしてはいけません 〜

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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