PMマガジン

「PMに必要なバランス感覚とは?」

2014年06月号 コミュニケーション OCP-プロジェクトマネジャー(L5)   吉岡 毅

何事においても「バランス感覚」というのは重要だと考えています。
こと、プロジェクトマネジメントという観点においても様々な局面でバランスを取る必要があります。以下はあくまで個人的な考え方ですが、私自身がPMという立場で経験してきた「バランス」の視点をご紹介します。

1.顧客ニーズと資源とのバランス

お客様が具体的にシステムをイメージしている場合は比較的「バランス」をとりやすいですが、往々にしてシステム化のイメージは曖昧であり、プロジェクトは有期限、有資源なことから、なんでもかんでも実現できます!ということはあり得ません。これらを見極め、「バランス」よく調整することが大切です。

2.メンバとの関係におけるバランス

風通しの良いチームビルドは大切です。しかしながら、PMという立場を確立するという意味では「バランス」も必要です。少人数の比較的小さなプロジェクトにおいては、PMという役割だけでなく、PLやSEといった立場を兼務することも多いと思います。ここで、自身が役割を抱えすぎるとプロジェクトは立ち行かなくなったり、逆にメンバへマル投げすると、これはこれでまわらなくなることもあります。やはり、各メンバの役割、範囲といったバランスが重要です。

3.管理とコミュニケーションのバランス

プロジェクト運営では、工程・メンバ・コストなど様々な管理が必要です。大規模プロジェクトと小規模プロジェクトではやり方や進め方が異なり、管理とコミュニケーションの「バランス」が重要であると感じています。大規模プロジェクトにおいては、特に管理を徹底しないと全体の状況を正確に把握することが難しくなりますので、立場・役割を明確にし、メンバからの報告内容を的確に把握する必要があります。
一方、小規模のプロジェクトで同様の進め方をすると、管理にオーバーヘッドばかりかかり、プロジェクトの進捗が遅れることがあります。この場合は、どちらかというとコミュニケーションを中心にプロジェクト運営することも大切な要素です。

つまり、大規模プロジェクトでは、管理の徹底とともにメンバとのコミュニケーションが重要となり、小規模プロジェクトにおいては、コミュニケーションに加え、規模に見合った管理が必要といった「バランス」感覚が大切です。

他にもいろいろと「バランス」を取るべき要素はあると思いますので、「バランス」という観点で物事を捉えたときに、「今自分はどのような立場にいるのか?」という視点で考えてみることも必要だと思います。これに関しては、答えがあるものではありませんが、自分の立場を分析してみるといろいろ気づくことが多いと思いますので是非確認してみてください。

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