PMマガジン
「将来予測とマネジメント」

2014年09月号
  • 「将来予測とマネジメント」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L5) 筒井 秀行 

直接かかわっているお客様の事業環境が大幅に変わる関係で、年末年始にかけて、今年と来年は仕事がどう変わるのか、いろいろ考えることがありました。年末になると雑誌等で「来年はこんな年になる!」みたいな特集記事をよく目にします。 私は暇つぶしに結構まめに購入して読んだりしています。試しに、昨年のものをピックアップしてみると以下のような感じでした。

  •  世界経済は多くの懸念事項(欧米の債務/財政問題など)のため力強い成長は見込めない。
  •  新興国も世界的な需要減の影響を受け、厳しい状況となる。
  •  日本は特殊な要因(消費増税前の駆け込み需要等)はあるものの、外需不振(欧米不振、中韓などとの関係悪化)により成長の足取りは弱いものとなる。

良い面/悪い面の両方を織り交ぜて、どっちに倒れても良いような予測になっている気がします。

一方、IT業界に関連する予測としては以下の感じです。

  •  通信・インターネットがより一層普及し、企業システムのクラウド化が進む。
  •  大量データの蓄積・活用技術が進展し、ビックデータ市場が大きく伸びる。
  •  案件の小規模化、短納期化が進む。
  •  ソーシャルネットワークなどの新興メディアが発展し、情報共有の大きな基盤となる。

これらの予測は全て当たっています。ある意味すごい的中率ですね。但し、対前年と比較した場合に伸びたという点も否めません。技術は進歩するし、これに伴い売れ筋のヒット商品も変わるのはある意味当たり前ですね。何が的中したのかと考えてみると、どれも内容が一般的かつ抽象的すぎる感じもします。ある部分をピックアップするとあたかも予測通りといったストーリーとなります。まあ情報の提供元の作為も当然あるのでしょうね。

最近、中期経営計画に関わることが多く、同業他社の計画を見て思うのは、決め打ちの戦略は限界があるのでは?と疑問に感じることです。各企業の将来予測もおしなべて某有名コンサルティング会社のレポートがソースであり、そこから考え付く経営戦略なるものは大同小異となるのは否めないでしょう。

じゃ、君はどう考えるのと言われると、特に根拠となる数字や分析されたデータを持ち合わせていないので途端に困ったりしますが、ただ、IT技術の発展がますます加速するのはほぼ間違いない将来像でしょう。これに従いビジネスの環境変化も早くなるのは間違いありません。こういった中でマネジメント(含むプロジェクト管理)に要求されるものも変わってくるでしょう。

ここ10年来、プロジェクト管理という仕事は非常に体系化されてきました。PMBOK に始まり、各種ツールの普及、開発プロセスが市場に認知されてきました。これをそのまま墨守していけばプロジェクトは成功するといったレベルまで一般化されているわけではありませんが、初心者が見習うべきお作法が整備されてきたのは事実です。ただ、この延長で進めていって大丈夫か?と最近思います。アジャイル開発が当たり前となりつつある時代(!)が来た時に、如何にスマートにプロジェクトを管理するかは、これから我々が考えていかないといけないテーマです。

アジャイル開発をマネジメントの側面から見た場合の強みと弱みはざっと以下となるでしょう。

(*強み)

  •  チーム開発を強力に推進できる考え方をベースとしている。
  •  お客様をも巻き込んだ形となるため、理想的なプロジェクト運営が期待できる。

(*弱み)
  •  要件の確定に力点をあまり置かない(7割で良しとする)。
  •  短期間で計画が変わるため、トータルの進捗が把握しにくい。また、管理・把握しようとした場合、プロジェクトメンバーに負担がかかる。
  •  大規模開発に向かない。

アジャイル的な考え方を仕事に適用することでメリットが得られるのは間違いなく、であれば、弱みを克服したマネジメントの手段を考えるのは意味があると思います。まずはあまり欲張らずに、プラクティス単位で取り込めるものから取り組んで行くというのはどうでしょうか?

あと、アジャイル的なチームにおける、PMの役割が曖昧な気がします。「リーダーシップを発揮し・・・」といったPM像は最早時代遅れ(?)なのかもしれません。

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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