PMマガジン
「プロジェクトの見える化でWin-Winを実現する」

2015年02月号
  • 「プロジェクトの見える化でWin-Winを実現する」
    OCP−プロジェクトマネジャー(L5)  伊藤 泰子 

  見える化ってなぜ大事なのでしょう? それは見える化することで初めて、いろんな人と同じ土俵の上で話ができ、次に具体的に何をすべきかの話ができるからです。

  逆に、プロジェクトに関わっていて、なんかこれって危険だなーとか感じる時があります。その一つの兆候として、プロジェクトの状況が数値化(定量化)できなくなった時、だいたい人が足りません。「忙しいんです。仕事がいっぱいあるんです。」と言われる(また言う)時。みなさんはそういう経験がありませんか?

  プロジェクトの状況を数値化し管理するというのは見える化の第一歩です。数字ってやっぱり便利で開発プログラム数や、テスト項目数など管理すべき数値が明確だと、どれだけできたかという進捗も見えますし、バグなどは増加数などを見ることで品質の状況を確認することができます。

また、数字は組み合わせることで、プロジェクトの状況をより深く確認することができます。たとえば、進捗はあがっていないのに工数消化は進んでいるという状況のときは、何か空回りしている事象はないか、その原因は何かなど、次に確認すべき内容を考えやすくなります。

  プロジェクトマネジャーは、プロジェクトの内部からは報告をもらう立場にあるため、数字をきちんと理解する能力が必要です。数字は出ているだけで、確からしい雰囲気を漂わせるため、その数字だけを見ていては判断を誤る時があります。この数字は「どの範囲で出てきているものか」、「全体をカバーしているのか」など、周辺の状況も合わせて確認し、その意味するところを正しく把握することが重要です。

  また、お客さまをはじめ外部に報告する立場としては、プロジェクトの状況をきちんと数字で報告し、説明する能力が必要です。私が今までで一番反省した出来事として、プロジェクトがどうもうまくいってないと感じていた時に、要員の追加交渉をしたのですが、全体を定量的に把握できていなかったため、根拠に乏しく失敗しました。

  今思い返せば、あの時私がすべきだったのは、熱弁をふるって現在の進捗状況を話すだけではなく、「このままの体制だと、どの程度スケジュールが遅れ、そのためにどんな影響がでるのか」「今後追加工数を投入することで、どの程度費用が発生し、スケジュール遅れがどの程度解消するか」、プロジェクトへの影響を数値化(裏付け)し、説明を説得力あるものにすることでした。

  後にこの反省があるプロジェクトで生かされました。工程やかかる費用について事前に見える化しておいたことで、お客さまの追加リクエストに対して、プロジェクトではありがちな「言った言ってない」の議論にはなりませんでした。「これだけの数が増えたので、これだけの費用がかかる」「この工程については、こう作業効率化してこれだけ費用を低減し、追加はこれくらい」と数値による話し合いができ、双方合意しました。結果、こちらはお客さまから必要な工数増に対して理解いただき追加発注をいただくこととなり、お客さまも作業効率化に対して満足いただけ、Win-Winとはこういうことなのだと実感しました。

  プロジェクトマネジャーにとっては、今回の話は基本的なことで、また、数値化できない指標(定性的指標)ももちろん必要なため、それがすべてではありませんが、プロジェクトマネジャーとして独り立ちしようとしている方には、是非一度考えてみていただきたいポイントです。ちなみに、数値把握は事前の仕掛けが大切です。

最後に問いかけです。
  あなたは「プロジェクト状況の今と将来について数字を用いて説明できますか?」

*本PMマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研の見解を示すものではありません。

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