ObjectSquare [2000 年 1 月号]

[オージス総研の本]


VBプログラマのためのUML

VBプログラマのためのUML


ポール・ハーモン/ブライヤン・ソーヤー 著 株式会社オージス総研 監訳
株式会社翔泳社 3,990円 (税抜き 3,990円)
ISBN4-88135-801-4

『訳者まえがき』より 『訳者まえがき』より
『目次』より 『目次』より

REFERENCE


『訳者まえがき』より

訳者まえがき/あとがき

オブジェクト技術の国際会議OOPSLA'95 (Object-Oriented Programming Systems, Languages and Applications)で発表されたUnified Method から始まったオブジェクト指向方法論の統一の動きは、1997年11月に UML 1.1がグローバルスタンダードなオブジェクト指向モデリング言語としてOMGに正式承認されるに至りました。それから2年、それまでの方法論戦争の渦中で困惑していたオブジェクト技術者達の歓迎と支持を受けてUMLは急速に普及しました。現在では、オブジェクト技術を用いた業務分析やシステム開発にも広く使われるようになり、関連書籍も多数出版されています。

本書は、そのタイトルにあるように、Visual Basic開発者のために書かれたUML解説書ですが、その内容はVisual Basic開発者だけに限定されるものではありません。オブジェクト技術者、特に初級レベル技術者に広く読んでもらいたい大変魅力的な内容になっています。本書を一読すれば、UMLを用いたオブジェクト指向システム開発における基本的な技術ポイントと開発プロセスに関して一通りの知識を得ることができるはずです。本書にはVisual Basicによる設計と実装に関する内容も含まれていますが、単なる開発言語の解説書とならないように、詳細過ぎる記述を避けてうまくまとめられています。そのため、他のオブジェクト指向言語を使用している技術者にも一読の価値のある内容になっていると思います。

1章から6章までの前半は技術全般の解説編になっています。オブジェクト指向の基本用語やUMLの概説のみならず、スパイラル型の開発プロセス、Visual Basic/COM用語とUMLとの対応などが簡潔にまとめられています。前述のように、その内容はVisual Basic開発者だけでなくオブジェクト技術者なら誰でも興味をもって読み進められるものになっています。特に、コンポーネントやフレームワークによる再利用に関する話題、COM/DCOM/COM+やOLE/ActiveXなどのMicrosoftソリューション技術など、UMLと絡めて再確認したい内容も含まれています。またUMLをサポートするオブジェクト指向CaseツールとしてRational RoseおよびMicrosoft Visual Modelerが紹介されていますので、ツールの導入検討時に参考になるかと思います。なお、原書ではRose98 をベースに記載されていましたが、まもなく発売される予定のRose2000の対応についても監修の過程でできる限り補足しました。7章から14章までの後半では、具体的なアプリケーション事例を使って、UMLを用いた開発スパイラルがトレースされています。ユースケース図を用いた要求分析から始まり、クラス図や相互作用図などさまざまなUML図を用いたオブジェクト指向分析から設計へと議論が展開されています。各UML図は、取り上げた事例に基づいて具体的に説明がされていますので、その理解をより深めてくれるものと思います。さらに、CRCカード法を用いた概念モデリング手法、アーキテクチャ設計、デザインパターンやWebインターフェイスおよびデータベースアクセスに関する設計の拡張など、興味深い内容も贅沢に網羅されています。Visual Basicによる実装に関しては、本事例の実装コードが巻末の付録に詳説されており、Visual Basic環境での作業手順を詳細に理解することができます。なお、本書に掲載した日本語化された実装コード一式は、翔泳社のホームページ( http://www.shoeisha.co.jp/)よりダウンロード可能です。

本書から感じ取っていただけると思いますが、UMLはこれからのオブジェクト指向ソリューションのコア技術の1つとして益々重要になっていくものと予想しています。その中で、オージス総研は1991年のラショナル・ソフトウェア社との技術提携を皮切りに海外の多くのオブジェクト技術ベンダーと提携を行い、オブジェクト指向技術を蓄積してきました。中でもUMLには早くから着目しており、社内にUML研究会を発足して、UMLの技術者養成と普及促進を行ってきました。現在、UML技術者認定試験をWeb上で公開しており(http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/UMTP.html)、試験合格者には認定書をもれなく進呈しております(受験、認定書発行などすべて無料です)。本書でUMLを勉強された読者には当認定試験にも是非チャレンジいただき、UMLのより深い理解の証を手にしていただきたいと思います。

最後になりましたが、監修作業でさまざまな方々のお世話になりました。まずプルーフ作業に協力してもらったUML研究会の各メンバーに感謝します。特に坂根氏には、緻密な原稿チェックや用語集作成およびVisual Basic6.0での動作確認に尽力してもらいました。UMLに関する用語チェックには羽生田氏の助言を仰ぎました。また編集作業でお世話になった翔泳社の柳田氏には遅れ気味の監修作業にも気長にお付き合いいただきました。ここに感謝いたします。

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『目次』より

第1章
はじめに

1.1UMLの歩み
1.2UMLを使用してアプリケーションを作成するには
1.3本書の構成

第2章
オブジェクト技術用語

2.1オブジェクトとは?
2.2オブジェクトとクラスとインスタンス
2.3メッセージの受け渡しと関連
2.4汎化
2.5クラス階層とクラス継承
2.6パブリックとプライベートとプロテクテッド
2.7インターフェイス継承
2.8多相性
2.9コンポーネント
2.10基礎の次に

第3章
オブジェクト指向方法論の一例

3.1オブジェクト指向開発の繰り返し型アプローチ
3.2開発サイクルにおけるフェーズ

第4章
統一モデリング言語(UML)

4.1UML記号
4.2UML図
4.3その他の図と表記
4.4オブジェクト指向開発への汎用アプローチ
4.5UML表記の手引き

第5章
Visual Basic 6.0によるアプリケーション開発

5.1オブジェクト指向に基づく言語 Visual Basic 6.0
5.2Microsoftのコンポーネントオブジェクトモデル
5.3分散COM
5.4COMコンポーネント
5.5COM+とMTS2.0
5.6インフラストラクチャとビジネスコンポーネント
5.7Microsoft Repository

第6章
ビジュアルモデリングツールを使用した開発

6.1ビジュアルモデリングツール
6.2Microsoft Visual Modeler 2.0
6.3Rational SoftwareのRational Rose 98
6.4Visual Modelerを用いたアプリケーション開発
6.5アプリケーションの開発

第7章
ユースケース図と理念的オブジェクトモデル

7.1ユースケース図
7.2SalesWebシステム
7.3SalesWebシステムのユースケース図
7.4用語の統一
7.5ユースケース記述
7.6テストケースとしてのユースケースのインスタンス
7.7ユースケースから理念的オブジェクトモデルに向けて
7.8OOSE理念的オブジェクトモデル
7.9販売報告ユースケースの理念的オブジェクトモデル
7.10ビジュアルモデリングツールを使用したユースケースモデルの作成

第8章
CRCカード

8.1CRCカードのレイアウト
8.2CRCセッションの手順
8.3CRCカードとオブジェクト指向の考え方
8.4CRC用語とUML用語

第9章
クラス図とオブジェクト図

9.1クラス図の基本
9.2オブジェクトの図式化
9.3クラス図の作成
9.4ビジュアルモデリングツールを使用したUMLクラス図の作成

第10章
UMLシーケンス図とコラボレーション図

10.1作図へのアプローチ
10.2シーケンス図
10.3コラボレーション図
10.4ビジュアルモデリングツールを使用したシーケンス図とコラボレーション図の作成

第11章
UML状態図とアクティビティ図

11.1状態図
11.2アクティビティ図
11.3ビジュアルモデリングツールを使用した状態図の作成

第12章
オブジェクト指向システムの設計

12.1分析から設計へ

第13章
オブジェクト指向アーキテクチャの決定

13.1アプリケーションを階層に分割する
13.2階層およびプラットフォームへのパッケージの割り当て
13.3UML実装図
13.4階層の統合
13.5まとめ
13.6SalesWebシステムのアーキテクチャ
13.7ビジュアルモデリングツールによる設計

第14章
設計の拡張

14.1オブジェクトモデルの拡張
14.2ユーザー画面やWebページの開発
14.3データアクセスに関する検討
14.4SalesWebの設計
14.5コーディングとテスト
14.6オブジェクト指向モデリングツールによる設計の拡張

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