ObjectSquare [2007 年 4 月号]

[オージス総研の本]




実践!SOAモデリング 仕事の流れで理解する
実践!SOAモデリング




オージス総研 加藤 正和 監修
大場克哉・左川聡・橋本誠・藤倉成太・明神知 著
株式会社翔泳社 2,499円(税抜き 2,380 円)
A5 判 272 ページ
ISBN978-4-7981-1404-0
 目次 目次
 「まえがき」より 「まえがき」より
 担当者からひとこと 担当者からひとこと
 参考 参考
 オージス総研がお手伝いできること オージス総研がお手伝いできること

目次

第1章 なぜSOAか

1.1 ビジネス、IT、そして内部統制をつなぐSOA
1.2 SOAの定義
1.3 ベンダー主導のSOAからユーザー主導のSOAへ
本章のまとめ

第2章 モデルベースSOA

2.1 モデリングとは何か
2.2 SOAにおけるモデリングの意義
2.3 モデルベースSOAとその特徴
本章のまとめ

第3章 SOAの技術要素

3.1 SOAを構成する技術要素
3.2 サービスとは
3.3 ビジネスプロセスとは
3.4 エンタープライズサービスバス(ESB)とは
3.5 サービスレジストリとは
3.6 SOAの利用パターン
3.7 SOAの非機能要件
本章のまとめ

第4章 SOA導入に向けて

4.1 SOA導入の前に
4.2 SOA推進体制の構築
4.3 SOA適用計画の策定
4.4 開発プロセスの整備
本章のまとめ

第5章 SOAのためのビジネスモデリング

5.1 ビジネスモデルの構成
5.2 EAとビジネスモデルの関係
5.3 ビジネスモデルとサービスの関係
5.4 ビジネスモデルからサービスを抽出する流れ
本章のまとめ

第6章 サービス分析

6.1 サービス分析作業の流れ
6.2 サービス候補の分析
6.3 サービスの分類
6.4 ビジネスプロセスの分析
6.5 サービスプロトコルの分析
6.6 サービスメッセージの分析
6.7 分析作業の繰り返し
本章のまとめ

第7章 サービスの設計

7.1 サービス設計作業の流れ
7.2 サービスインタフェース定義方法の決定
7.3 サービスインタフェースの設計
7.4 サービスメッセージの設計
7.5 ビジネスプロセスの設計
本章のまとめ

第8章 SOA基盤アーキテクチャ設計

8.1 非機能要件とは
8.2 Webサービスの非機能要件のための標準
8.3 SOA基盤アーキテクチャ
8.4 エンタープライズサービスバス(ESB)
本章のまとめ

第9章 SOA基盤アーキテクチャ構築

9.1 SOA基盤アーキテクチャ構築の全体像
9.2 目標アーキテクチャの作成
9.3 目標アーキテクチャ実現のためのロードマップ策定
9.4 次期アーキテクチャの構築
本章のまとめ

第10章 SOAの運用

10.1 SOAにおける運用の課題
10.2 SOA運用のための組織と運用タスク
10.3 SOA基盤アーキテクチャの運用管理
10.4 サービスの運用管理
10.5 ビジネスプロセスの運用管理
本章のまとめ

第11章 内部統制とSOA

11.1 内部統制とSOA
11.2 内部統制へのSOA対応
本章のまとめ

ページのトップへ戻る

「まえがき」より


企業の活動の大部分を情報システムの活用を通じて実現することが当たり前となった今日、ビジネスと情報システムを切り離して考えることはできません。日々複雑化し、変化するビジネス環境のもとで、企業間の激しい競争に打ち勝っていくためには、他者に先んじて環境の変化を察知し、自らのビジネスを新しい環境に適応して変化させていくことが不可欠です。そしてこのような変化に対応する上で、ビジネスと密接な関係にある情報システムもまた、変化に迅速に対応できるものであることが求められています。こうした状況を実現するためには、ビジネスを可視化することを通じて、ビジネスと整合性の取れた情報システムを構築することが非常に有効な手段となってきました。

一方、現在の情報システムのおかれている状況を見ると、現状は必ずしも企業のビジネスと整合性が取れているとは言いがたい状況にあります。企業内の複数の事業部門に分散、重複して存在するバックオフィスシステム、個別の業務ニーズを満たすために開発され孤立したシステムの数々。いわゆる部分最適を追求することによって構築されたこれらのシステムは、企業全体のビジネスモデルから見ればもはや整合性が取れているとは言えず、ビジネス環境の変化に対応してすばやくシステムに変更を加えることは困難な状況です。また、仮にこのような変更が必要になるたびにシステムを新規に作り直すとなると多大なコストと時間がかかります。

サービス指向アーキテクチャ(Service-Oriented Architecture: SOA)は、コストと時間の制約の下で、ビジネスとITのギャップを埋めるための情報システムのアーキテクチャです。企業の活動であるビジネスプロセスを構成する単位を「サービス」としてとらえ、既存の情報システムをひとつひとつの「サービス」を提供するソフトウェア部品として再構成します。SOAを実現することによって、ビジネスプロセスを構成するサービスの利用順序の変更や、あるサービスと別のサービスとの置き換え等が容易となり、ビジネスプロセスの変更にもすばやく対応可能となります。サービスは複数のビジネスプロセスから利用可能となり、既存のソフトウェア資産を最大限に活用しながら新しいビジネスプロセスを構築することもできるようになるのです。

ところで、1990年代後半にその概念が登場して以来、SOAはビジネスとITの整合性を確保し、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応する新しいアーキテクチャとして注目を集め続けてきました。一部では、過剰とも思われる期待論もあり、SOAを導入しさえすれば情報システムにかかわる問題の多くが解決してしまうというような楽観論まで見られました。さらに、SOAはなんらかのソフトウェア製品を導入すればそれですべてが解決するといったものではないにもかかわらず、市場にはこれさえあればSOAが実現できますといわんばかりの製品があふれています。しかしながら、実際にSOAのメリットを十分に生かしたシステム構築することは決して容易なことではありません。SOAの本来の目的である、ビジネスとITのギャップを埋め整合性を確保するためには、ビジネスの現状とあるべき姿を見定めて、将来のビジネスへいたるロードマップを描くとともに、さらにITの現状おかれている状況も把握して、将来のビジネスを支えるシステムアーキテクチャ構築のロードマップも描く必要があります。そしてこのロードマップは、どんなに高価なソフトウェア製品を導入したとしても、自動的に記述されるというわけにはいかないのです。SOAのロードマップの策定、導入を進めるにあたっては、ビジネスの視点とITの視点からの可視化、すなわちモデリングを行うこと、これがSOAのメリットを享受するために最も重要な要素であり、必要条件なのです。

オージス総研では、経営とITに関わる問題を解く鍵としてモデリングに注目し、ビジネスモデリングからシステム開発、運用のあらゆる場面でモデリング技術を活用する「モデルベース開発」に取り組んでいます。「モデルベース開発」によって、経営と情報システムに関連する多数の関係者のコミュニケーションを促進し、課題を発見、解決していくことが可能となるのです。このような中、ビジネスとITの整合性を確保することを目標とするSOAについてもモデリングの適用が有効と考え、SOAが注目を集め始めた2000年頃から当社の技術開発部門、シリコンバレーに本拠を持つ米国法人OGIS Internationalにおいて、「モデルベースSOA」の開発を進めてまいりました。その後、システム開発部門、運用部門を巻き込んで実用化を進め、2005年には社内の人事系システムの刷新に当たって、SOAを含む新規技術を積極的に取り入れて、実地での技術検証を行いました。また、先進的な取り組みを目指されるお客様にも恵まれ、SOAの適用のお手伝いをさせていただくこともできました。

本書で紹介する「モデルベースSOA」は、モデルベース開発をSOAに適用した上記の数年間にわたる開発と実装の経験を1冊にまとめたものです。前半では、SOAにまつわるさまざまな問題点からモデルベースSOAの必要性と特徴を概説しています。後半ではモデルベースSOAを実践していくための開発手順をその流れに沿って解説しています。SOAの概要について興味のある方は前半を、実際に開発に携わる方々には後半も合わせてお読みいただいたいと思います。

また2004年に出版した「かんたん!エンタープライズアーキテクチャ」をお読みいただいた方には、将来EAを実現するための情報システムのアーキテクチャとしてのSOAを実現する手順を記した続編としてお読みいただければ幸甚です。本書が皆様の企業のシステム基盤構築の一助になることを願ってやみません。

 

オージス総研 代表取締役社長 加藤 正和

ページのトップへ戻る

担当者からひとこと

SOAという言葉が聞かれるようになってから数年が経ちました。国内外のSOA導入事例も聞かれるようにはなってきていますが、この数年間でSOAの概念が分かりやすくなって多くの企業がそのメリットを享受できているかというと、残念ながらそうではないようです。これは、SOAというものが複数のシステムが関係する大きな範囲を対象としていることと、具体的で目に見える技術そのものではなくソフトウェアのアーキテクチャであるということが原因であるように思います。つまり、SOAを適用するためには、ビジネスとソフトウェアアーキテクチャの両方をバランスよく考慮しなければならないのです。また、多くの人が関係するだけに、SOAに対する意見もバラバラで、さらにSOAを理解しにくくしている原因であるとも考えられます。

本書ではそんなSOAを、モデリングを中心にしながらいくつかの視点で解説しています。この本がいろいろな立場にある多くの方に読んでいただけ、かつ統一的な理解の助けになることを願っています。

ページのトップへ戻る

参考

ページのトップへ戻る

オージス総研がお手伝いできること

当社では「オープンソースのESB、Mule ESBを活用した連携ソリューション」を提供しています。

もしクラウド連携や企業システム連携でお困りの方は当社までご相談下さい。

ページのトップへ戻る



記事の内容を 5 点満点で評価してください。
1 点 2 点 3 点 4 点 5 点
記事に関するコメントがあれば併せてご記入ください。
  



© 2007 OGIS-RI Co., Ltd.
HOME HOME TOP オブジェクトの広場 TOP