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モデリング

モデリングカフェ 第6回:登山ルートをモデリングする(読者解答モデル)

モデリングカフェ「Square」~UMLでモデリングを愉しもう~
オージス総研 組み込みソリューション部
田中恒  赤坂英彦
2006年8月3日

読者の皆様から、たくさんの解答モデルを頂きました。ありがとうございました。こちらのページでは、残念ながら本文で紹介することができなかった解答モデルを記載します。オブジェクトの広場 メーリングリスト等で意見交換していただければ幸いです。

目次

読者解答1:884 様

  • コンセプト
    • 登山ルートとは、山にある地点をどのように通るかを定義したものである。登山者は、これに従って、登山をする
    • 物理的な地点は一箇所しか存在しないが、登山ルートという概念で見た場合は、通るタイミングが異なれば、別の地点であると考える。→同じ地点を何回通っても、直前地点、行き先の多重度は1より大きくならない
    • 実際の登山道では、1つの地点間に複数のルートがありうる(往路、復路も別のルートと考えられる)が、登山ルートという観点で見た場合は、複数の選択肢から1つが選択された結果と考える。
  • モデル
    • クラス図
    • 図 1.1 884 様の解答モデル - クラス図
      図 1.1 884 様の解答モデル - クラス図
    • オブジェクト図
      • 表ルート
      • 図 1.2 884 様の解答モデル - オブジェクト図(表ルート)
        図 1.2 884 様の解答モデル - オブジェクト図(表ルート)
      • 裏ルート
      • 図 1.3 884 様の解答モデル - オブジェクト図(裏ルート)
        図 1.3 884 様の解答モデル - オブジェクト図(裏ルート)
  • 感想
    • 難しかったところ
      • 同一の地点間に異なる移動方法があるが、これをいかに特定できるか
      • 最初は、物理的な地点間で考えていたが、ルートが特定できなくなった
      • 自分の表現したいものが、実際の山にある道なのか、ルートの定義なのか分からなくなった。コンセプトがあやふやだった
    • 自己評価
      • 結果は納得できるが、プロセスはいまいち。70点。

読者解答2:じゃま 様

  • コンセプト
    • 帰るときはいずれかの登山口から帰ること(遭難ヘリには乗らない)
    • 登山口以外の場所は、中継点というクラスに集約し、中継点の中に必ず、目的地があるものとする。
  • モデル
    図 2 じゃま 様の解答モデル
    図 2 じゃま 様の解答モデル
  • 感想
    • 難しかったところ
      • 初めてモデリングをしたので、全てが難しかった。
      • 以下の点は正解なのかわかりません。
        1. 当初は、各登山口や目的地となりうる場所をオブジェクトとして定義し、クラス図を作成しようとしました。しかし、そうすると、所要時間や『くさり場』、『崩れ』の情報をクラス図に表示できなくなることに気が付いたので、表示したい情報を関連クラスにまとめてみました。
        2. 登山口クラスに3つの登山口クラスを繁華で関連付けしました
    • 自己評価
    • 初めてモデリングをしたので、自己評価しようがありません。

読者解答3:松田政博 様

  • コンセプト
    • 地点と地点間の区間に注目する。
    • 構造
      • ルートは、複数の区間の集まりで構成される。
      • 区間は、単純区間と複数の単純区間を集めた複合区間からなる。
      • 単純区間は、出発地点に相当する地点と到着地点に相当する地点と関連する。
      • 区間は、その区間の特徴を示す区間情報と複数の関連を持つ場合がある。
      • 区間情報は、登山者に注意を促すための危険情報分類と関連を持つ場合がある。
  • モデル
    • クラス図
    • 図 3.1 松田政博 様の解答モデル - クラス図
      図 3.1 松田政博 様の解答モデル - クラス図
    • オブジェクト図
      • 表ルート
      • 図 3.2 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図(表ルート)
        図 3.2 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図(表ルート)
      • 裏ルート
      • 図 3.3 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図(裏ルート)
        図 3.3 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図(裏ルート)
  • 感想
    • 難しかったところ
    • 力地蔵のようにルートには直接表現されていない地点があるところ。

    • 自己評価
    • ルートに直接表現していない地点や区間の危険箇所などの情報を表現できたと思います。

  •   

読者解答4:喫茶「模型作り」 様

  • コンセプト
    • ルートは全区間と人気ルートの両方を表す
    • 区間は始点と終点からなる
    • 往復で所要時間が異なることがある
    • 「力坂」は区間の名前
    • 同じ始点と終点を持つ複数の区間がある(力地蔵~奥岳)
    • ルート上の各地点の通過順が分かる
    • 区間名、注意事項のない区間もある
    • 名前のないルートもある
    • Compositeパターンを適用してみた
    • 滝見堂登山口~屏風出合までは複合区間
    • 区間は一方向を基準とし、逆方向にも進める
    • ルー途中で、一つの区間を複数回通過することがある
    • 注意事項は単区間でも複合区間でもつけられる
    • 各地点、登山口はそれ自体に特別の属性がないため、単なる属性値(始点および終点の名称)とした。 標高などを考えるのであれば独立したクラスにする方が良いだろう
  • モデル
    • クラス図
    • 図 4.1 喫茶「模型作り」 様の解答モデル - クラス図
      図 4.1 喫茶「模型作り」 様の解答モデル - クラス図
    • オブジェクト図
    • 図 4.2 喫茶「模型作り」 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 4.2 喫茶「模型作り」 様の解答モデル - オブジェクト図
  • 感想
    • 難しかったところ
      1. Compositeパターンの適用方法
      2. 課題の理解
    • 自己評価
    • 60点

      1. 課題が正しく理解できているかに自身がない
      2. 概念モデリングでCompositeパターンを適用して良いものかどうか分からない
      3. Compositeパターンが正しく適用できているか分からない
      4. 複合区間の逆行が複雑になる。行程も逆順で、単区間も逆方向

読者解答5:Ken-M 様

  • コンセプト
    • 追加した条件
      • 全ての道が上りでも下りでも通行可能とは限らない。クサリ場は危険すぎて下れない・・・等
      • 同じ注意書きが複数の経路に設定されることがある
      • 1つの経路に2つ以上の注意書きが設定されることがある
      • 1つのルートで、ある2点間を同じ方向に2回以上通過することはない
    • コンセプト
      • 地点には高低差がある
      • 上にある地点と下にある地点を経路が結ぶ
      • 経路には通行方向が決まっている
      • どちらからも通行可能な「経路」は、方向の異なる2つの経路が存在すると捉える
      • 2つの地点を結ぶ経路は1つとは限らない
      • ルートは複数の経路の通過順序から構成される
      • 経路によっては「注意書き」が設定されている
      • ルートの中には人気度が高いルートもある
  • モデル
    • クラス図
    • 図 5.1 Ken-M 様の解答モデル - クラス図
      図 5.1 Ken-M 様の解答モデル - クラス図
    • オブジェクト図
    • 図 5.2 Ken-M 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 5.2 Ken-M 様の解答モデル - オブジェクト図
  • 感想
    • 難しかったところ
    • 「上り(の所要時間)」と「下り(の所要時間)」をどう表現するか

    • 自己評価
    • 最後の最後まで悩みましたが、最終的な仕上がりは悪くないように思います。

読者解答6:まるお 様

  • コンセプト
    • 登山者は必ずルートに沿って登山する。(表、裏ルート以外で通る場合もそれぞれ独自ルートを作成して登る)
    • チェックポイントが2つ以上無いとルートとして成立しない
    • ルートに入らないチェックポイントも存在する
    • 道は2つのチェックポイントに結ばれている
    • 危険情報には「注意」と「危険」などのレベルが存在する

    モデルについては勉強し始めたばかりなので、シンプルに分かりやすくまとめたつもりです。

  • モデル
    • クラス図
    • 図 6.1 まるお 様の解答モデル - クラス図
      図 6.1 まるお 様の解答モデル - クラス図
    • オブジェクト図
    • 図 6.2 まるお 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 6.2 まるお 様の解答モデル - オブジェクト図
  • 感想
    • 難しかったところ
    • 同じ道でも、登りと下りで違う情報を持つことがあるのでそれをどう扱うか悩みました。

    • 自己評価
    • シンプルすぎるような・・・。

読者解答7:GO5号 様

  • コンセプト
    • 地点と地点は区間経路でつながっている
    • 区間経路の方向には上りと下りがある
    • 区間経路によっては、雪崩の危険があるなどの区間情報を持っている
    • 大奥岳方面を上り、登山口方面を下りとする
    • 登山ルートは区間経路のつながりによって構成される
  • モデル
    図 7 GO5号 様の解答モデル
    図 7 GO5号 様の解答モデル
  • 感想
    • 難しかったところ
    • 登山道の表現までは良かったが、ルートをどう表現するか苦戦した。

    • 自己評価
    • それなりに登山ルートを表現できていると思う。65点。


改定履歴:見た目のレイアウトを更新しました。(2021.7)