ObjectSquare [2008 年 7 月号]

[特別企画]


モデリングカフェ「Square」

〜UMLでモデリングを愉しもう〜

 

−第 18 回− Web 日記をモデリングする

(株)オージス総研
組み込みソリューション部
田中恒

目次

  1. 前回の問題(国語辞典)
  2. 読者解答モデル − 本文で紹介できなかった解答モデル
  3. 解答例
  4. 今月号の問題 (出題)
  5. 解答モデルの送付について
  6. 参考文献

1.前回の問題( 国語辞典 )

前回の問題をもう一度確認しておきましょう。

【お題17】国語辞典

国語辞典をモデリングしてください。

じしょ(辞書)
[一] 多くの言葉や文字を一定の基準によって配列し、その表記法・発音・語源・意味・用法などを記した書物。(中略)。
辞典。辞彙(じい)。語彙。字書。字引。
[二] 仮名漢字変換方式のワード-プロセッサーにおいて、仮名に対応する漢字を登録しておくファイル。(後略)。
[三] 辞職の意を記した文書。辞表。

※三省堂「大辞林 第二版」より引用

不足する情報は適宜補っていただいて結構です。補った情報は、コンセプトに記述してください。 解答はクラス図で表現して下さい。クラスには必要な属性を、関連には多重度を明記するのがポイントです (解答時間の目安は15分〜30分です)。

ポイント解説

このお題では、例として示された「じしょ(辞書)」の部分をどのように見るかで大きく 2 つの見方があります。 1 つは「辞書(辞典)」とはどういうものかの解説として、もう 1 つは国語辞典に載っている項目の例としてです。 それぞれについて見ていきましょう。

最初に「辞書(辞典)」の解説として見ます。 切り口として[一]〜[三]がありますね。 今回のお題は国語辞典ですので、[一]の切り口が適当でしょう。 ということで、[一]から分かることを抜き出してみます。

  1. 多くの言葉や文字を含む。
  2. 言葉や文字は一定の基準によって配列される。
  3. 言葉や文字の表記法・発音・語源・意味・用法などを記している。

これらは、国語辞典の論理的な構造や、そこに含まれている情報を示していますね。 何が何を含んでいるのかに注意して整理すれば、国語辞典とはどういうものかを示すことができるでしょう。

少し注意が必要なのは同義語です(同じ意味の異なる「単語」のこととします)。 単語によって表記法・発音は異なります。 語源も異なるかもしれませんね。 ですが、意味・用法は同じかもしれません。 情報が持つ性質の同じ部分、異なる部分をしっかり見極めて整理しておきましょう。

次に国語辞典に載っている項目の例として見ます。 概ね、次に示すことが分かります。

  1. 単語には発音、漢字表記がある。
  2. 単語には複数の意味がある。
  3. 単語には、ある意味において同義語がある。

1 と 2 は見たままです。 ですが、2 と絡んで 3 が少しやっかいです。 単語と単語の間に関係(同義語)があることはすぐに分かりますが、どの意味かによって単語間の繋がり方が変わってきます。 例えば、[三]の意味での同義語「辞表」は、[一]の意味では同義語になりません。 つまり、同義語は単語と単語の直接的な関係ではなく、それらの意味を通じての関係ということですね。 ところで、同義語があればきっと類義語や反意語もあるでしょう。 どのような関係になるでしょうか?

ここまで、例の部分の 2 つの見方を示してきました。 総じて言えば、「単語」と「意味」の関係の整理がポイントになります。 面白い点は、同義語(や類義語、反意語)をどのように捉えるかでしょう。

少しいやらしいお題の出し方だったかもしれませんね。

2. 読者解答モデル

いつものように、当カフェのマスターとヒトクセある!?常連たちと一緒に解答モデルを見ていきましょう。 コーヒーなどを飲みながら、皆様も一緒にわいわいやる感じで考えてみてください。

読者解答1:山下潤 様
読者解答2:ありゅ〜 様
読者解答3:しのらっぱ 様

3. 解答例

解答例としまして、当カフェのマスターのモデルを紹介致します。 コンセプト次第でモデルは変わりうるものですから、 正解としてではなく、1つの考え方としてご覧ください。

  
解答例 1
  
解答例 2

4. 今月号の問題 (出題)

今月号の問題です。モデリングの進め方については、第 1 回のモデリングの進め方を参照してください。

【お題18】Web 日記

以下の状況を読んで、Web 日記をモデリングしてください。

『Square 日記サービス』では、会員になることで以下のサービスを受けられます。

不足する情報は適宜補っていただいて結構です。補った情報は、コンセプトに記述してください。 解答はクラス図で表現して下さい。クラスには必要な属性を、関連には多重度を明記するのがポイントです (解答時間の目安は15分〜30分です)。

5. 解答モデルの送付について

解答モデルの送付についてをご覧ください。
なお、今月号は第 18 回です。 締め切りは 2008 年 8 月 21 日 (木) です。

解答例掲載は 2008 年 9 月号 ( 2008 年 9 月上旬 ) を予定しています。

6.参考文献

本連載では、文献[1]をベースに、より気軽にモデリングを愉しんでいただけるテイストにしております。 モデリングに関するしっかりした解説が欲しい場合には、以下の書籍をご覧になると良いと思います。

  1. 「思考系UMLモデリング即効エクササイズ モデ力を鍛える13の自主トレメニュー」、渡辺博之他、翔泳社
  2. 「UMLによるオブジェクト指向モデリングセルフレビューノート」、荒井玲子著、ディーアート
  3. 「UMLモデリングの本質」、児玉公信著、日経BP社

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