ObjectSquare [2008 年 12 月号]

[特別企画]


モデリングカフェ「Square」

〜UMLでモデリングを愉しもう〜

 

−第 20 回(最終回)− クラス図をモデリングする

(株)オージス総研
組み込みソリューション部
田中恒

目次

  1. 前回の問題(印鑑)
  2. 読者解答モデル
  3. 解答例
  4. 今月号の問題 (出題)
  5. 解答
  6. さいごに
  7. 参考文献

1.前回の問題( 印鑑 )

前回の問題をもう一度確認しておきましょう。

【お題19】印鑑

久本くんは「久本」と刻まれた印鑑を持っています。

この状況をモデリングしてください。

不足する情報は適宜補っていただいて結構です。補った情報は、コンセプトに記述してください。 解答はクラス図で表現して下さい。クラスには必要な属性を、関連には多重度を明記するのがポイントです (解答時間の目安は15分〜30分です)。

ポイント解説

どこをモデリングするか、いろいろ考えられるお題です。

印鑑と、押印してできる印の関係に注目するのが最も単純でしょう。 また、押印するという行為(事象、コト)をモデリングすることも考えられます。 その場合、何時、何に押印したのかが重要になってくるでしょう。 ビジネスのワークフローなどをモデリングしていると、何時、誰の押印をもらったかが必要になる場合があるかと思います。 その簡易版のイメージです。

押された印の場合も押印するという行為の場合も、それが持つ意味に注目することも出来るでしょう。 例えば、宅配便の記録書に押印するというのは「荷物を受領した」ことを認めるという意味です。 また、「荷物を届けた」ことの証明という意味にもなるでしょう。 先のワークフローを例にすれば、押印というのは「承認した」という意味などになります。

意味については、いろいろな広がりが考えられます。 例えば、実印(登録印)と認印の違いなどに注目すると、印鑑が持つ社会的な意味などがモデリングの対象になるかもしれません。 ただ、このお題からそこまでをモデリング対象にするのは広げすぎでしょうね。

いずれも場合も、実体としての印鑑そのものと、押印してできる印または押印するという行為を区別することがポイントです。

2. 読者解答モデル

いつものように、当カフェのマスターとヒトクセある!?常連たちと一緒に解答モデルを見ていきましょう。 コーヒーなどを飲みながら、皆様も一緒にわいわいやる感じで考えてみてください。

読者解答1: 楢崎 様
読者解答2:きのっち 様
読者解答3:松田政博 様
読者解答4:猫娘 様

3. 解答例

解答例としまして、当カフェのマスターのモデルを紹介致します。 コンセプト次第でモデルは変わりうるものですから、 正解としてではなく、1つの考え方としてご覧ください。

  
解答例

4. 今月号の問題 (出題)

今月号の問題です。モデリングの進め方については、第 1 回のモデリングの進め方を参照してください。

【お題20】クラス図

クラス図をモデリングしてください。

クラス図には、クラスやクラスの関係を記述します。

不足する情報は適宜補っていただいて結構です。補った情報は、コンセプトに記述してください。 解答はクラス図で表現して下さい。クラスには必要な属性を、関連には多重度を明記するのがポイントです (解答時間の目安は15分〜30分です)。

5. 解答

きっと、すぐにピンときた方もいらっしゃるでしょう。 このお題の解答は UML(のクラス図)のメタモデルとなります。 ここで言うメタモデルは、UML とはどういうものかを表したモデルということです。

さて、肝心の解答ですが、ここでは示しません。 以下をご参照ください。

また、メタモデルについて興味のある方は、以下もご覧下さい。

クラス図とは何か、クラスとは何かを考えることで、より一層モデリングへの理解が深まれば幸いです。

6. さいごに

3 年にわたって連載してきましたモデリングカフェ「Square」ですが、今回をもって終了いたします。 読者の皆様のご投稿によって支えられ、連載をここまで続けることができました。 この場をお借りして御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

連載は終了いたしますが、モデリングを練習する題材は身近にたくさん見つけられるかと思います。 本質的な特徴、変わらぬ構造は何か? 立場を変え、見方を変えれば変化するところはどこか? と考えることで、モデリングの力を伸ばすことが出来るでしょう。 そして、UMTP の試験などにぜひチャレンジしてみてください。 (ちょうど、今月号には『UMTP L3 試験いよいよ始動』という記事がありますね。)

また、モデリングの力を実務に役立てていただければ本当にうれしく思います。 "違い"に目を向けるのではなく"同じ"に目を向ける力、さまざまな視点から物事を見る力などは、いろいろなところで役立つことでしょう。

さいごに、もう一度お礼を申し上げます。ありがとうございました。

7.参考文献

本連載では、文献[1]をベースに、より気軽にモデリングを愉しんでいただけるテイストにしております。 モデリングに関するしっかりした解説が欲しい場合には、以下の書籍をご覧になると良いと思います。

  1. 「思考系UMLモデリング即効エクササイズ モデ力を鍛える13の自主トレメニュー」、渡辺博之他、翔泳社
  2. 「UMLによるオブジェクト指向モデリングセルフレビューノート」、荒井玲子著、ディーアート
  3. 「UMLモデリングの本質」、児玉公信著、日経BP社

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