[オブジェクト指向と情報処理試験 -2000年 秋-]
皆さん、こんにちわ。またまた、待ちに待った情報処理試験の季節がやってまいりました。そういう私は、春に引き続き、今回も寝倒してしまったのですが、皆さんの中で受験された方は、いかがでしたでしょうか?本記事では、10/15に行われた情報処理試験の問題の中から、オブジェクト指向関連の問題を集めてみました。受験をされた方もされなかった方も、ぜひ挑戦してみてください。
ただし、解答については正解とは限りませんのであしからず。
資格別出題数は、
という結果でした。
- 第2種 午前 - 1問
- ネットワークスペシャリスト 午前 - 3問
- アプリケーションエンジニア 午前 - 2問
- アプリケーションエンジニア 午後1 - 1問
- システムアナリスト 午前 - 6問
***その他の情報処理試験については問題を入手できませんでした***
今回は、システムアナリストの試験で、オブジェクト指向がらみの問題が5問も出題されました。語句を問う問題だけではなく、内容的にも少しつっこんだ問題だったように思われます。
また、アプリケーションエンジニア・午後1では、図書館システムの分析/設計の問題が出題されています。オブジェクト指向による分析/設計が、エンジニアにとっての必須知識になったということでしょうか?
それでは、オブジェクト指向関連の問題を見ていきましょう。
(第2種・午前・問53)
オブジェクト指向に関する記述として、適切なものはどれか。
ア. | オブジェクトは、クラスのテンプレートである。 |
イ. | カプセル化とは、クラスをライブラリ化することである。 |
ウ. | クラスは、必ず一つ以上のインスタンスをもつ。 |
エ. | クラスは、その親のクラスから属性とメソッドを継承できる。 |
(解答)
エ(コメント)
ア.クラスは、オブジェクトのテンプレートである。逆ですね。(ネットワーク・午前・問55)
(アプリケーション・午前・問28)
(システムアナリスト・午前・問25)
--共通問題--
汎化(is-a関係)を表す図はどれか。
(解答)
エ(コメント)
アは属性、イは集約、ウは操作ですね。
(ネットワーク・午前・問68)
ソフトウェア開発のプロセスモデルのうち、設計、プログラム開発、評価の工程を繰り返すことによって、システムの完成度を段階的に高めていくプロセスモデルがどれか。
ア. | ウォータフォールモデル |
イ. | オペレーショナルモデル |
ウ. | スパイラルモデル |
エ. | データフローモデル |
(解答)
ウ(コメント)
ア.それぞれの工程はかちっと区切られていて、上から下まで順にやっていく開発モデル。後戻りがないのが特徴ですね。(ネットワーク・午前・問70)
オブジェクト指向開発において、オブジェクトのもつ振る舞いを記述したものを何というか。
ア. | インスタンス |
イ. | クラス |
ウ. | メソッド |
エ. | メッセージ |
(解答)
ウ(コメント)
クラス自体は、データと振る舞いを記述したもの。ということですね。(アプリケーション・午前・問47)
オブジェクト指向において、図のようなクラス構造のオブジェクトを考えた場合、"仕事を開始せよ"というメッセージに対して営業社員や経理社員といったオブジェクトがそれぞれの動作をすることを何というか。
ア. | インヘリタンス |
イ. | カプセル化 |
ウ. | 情報隠ぺい |
エ. | ポリモルフィズム |
(解答)
エ(コメント)
「犬がわんわん、猫がにゃー」よりは、一歩進んだ(?)問題ですね(笑)(システムアナリスト・午前・問36)
CORBAに関する記述として、適切なものはどれか。
ア. | Windowsのアプリケーション間でデータ連携を実現する機能の一つである。別のアプリケーションプログラムの機能を、あたかも自分の機能の一部であるかのように利用できる。 |
イ. | X/Openが認証する共通デスクトップ環境である。主にUNIXマシンを対象とし、XウィンドウとOSF/Motifをベースとしている。 |
ウ. | グループでの作業を支援するために作られたソフトウェアである。電子メール、電子掲示板、ワークフロー機能などから成る。 |
エ. | 分散システム環境で、オブジェクト同士がメッセージを交換するための共通仕様である。オブジェクト間通信の基本インターフェース、相互運用規定などから成る。 |
(解答)
エ(コメント)
ア.OLE(Object Linking and Embedding)のこと。(システムアナリスト・午前・問37)
システムを幾つかの開発単位に分け、それぞれについて開発と改良を繰り返しながら徐々に作りあげていく方法をとった。この方法による開発の進め方に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア. | 開発と改良を繰り返すこの方法では、利用者からの要求を容易に取り込めるので、すべての要求を取り込んで開発した。 |
イ. | それぞれの開発単位ごとに実務で使用しながら改良していくことにし、実用前のテストでは幾つかの簡単な機能の動作確認だけを実施した。 |
ウ. | データベースの更新方法や、画面レイアウトの仕様などを個々の開発単位ごとに設定した。 |
エ. | 利用者の要求を引き出すため、画面の原型を繰り返し作成した。その際、実際のシステム構築ツールとは別の簡易なツールで画面の原型を作成した。 |
(解答)
ウ(コメント)
スパイラル型開発のこと。(システムアナリスト・午前・問38)
UMLに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア. | UMLでは、システムの振る舞いをユースケース図の集合で表現する。 |
イ. | UMLのクラス図は、システムを構成するクラスとその間の動的な関係を表現する。 |
ウ. | UMLは、特にクライアントサーバシステムを意識して標準化したプログラム言語である。 |
エ. | UMLは、モデルの表記法及びソフトウェア開発プロセスを標準化した。 |
(解答)
ア(コメント)
イ.静的な関係、ですね。
(システムアナリスト・午前・問42)
オブジェクト指向における、開かれた(ホワイトボックス型)再利用とは、基本クラスに対して、サブクラスを作ることによって、基本クラスのデータや機能を再利用することである。この方式のオブジェクト指向の再利用技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア. | 基本クラスで定義したデータが保護されるので、安全性の高いプログラムが開発できる。 |
イ. | 基本クラスで定義したデータや機能に対して差分を記述すればよく、開発効率が高い。 |
ウ. | 基本クラスの変更は、サブクラスに影響しない。 |
エ. | 基本クラスを複数のアプリケーション開発に利用することができるが、そのサブクラスを再利用することはできない。 |
(解答)
イ(コメント)
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