ObjectSquare [2000 年 5 月号]

[シリコンバレー放浪記]


シリコンバレー放浪記 連載第5回

〜インターネットショッピング〜



こんにちは! さて、私事ではありますが最近になってようやく DVD プレイヤーを購入しました。ご存知のように、DVD はリージョンコードなるものがあるため、こちらのプレーヤーでは日本のソフトを再生することができません。そのため今まで購入をためらっていたのですが、米国のソフトには ClosedCaption と呼ばれる英語字幕がついているため、「米国のソフトしか再生できなくとも、それはそれで英語の勉強になる」と思いきって購入してみました(ほんとは MATRIX を見たかっただけですけどね)。

日本に比べると米国では DVD はそれなりに人気が高く、ソフトの数も多く、大体が$20から$30という価格で売られているので、割と気軽にソフトを買うことができます。もっとも人気があるといってもそれは日本に比べての話で、お店のDVDコーナー(大抵はCDコーナーの片隅にあります)はそんなに大きくはありません。というわけでDVDソフトを探すのは案外大変です。
で、やっぱりこんなとき頼りになるのはインターネットです。
ショッピングサイトに行って DVD コーナーで欲しいソフトをちょちょっと検索。次は購入者のソフトに対する評価をチェック。後は値段と配送期間を見て気に入ればショッピングカートへ。

つい最近までは「インターネットで買い物なんて」と保守的な考えだったのですが、最近では本やDVDを買うときは必ずといっていいほどインターネットショッピングを利用するように変わってきました。最初のころは本を買うときに Amazon.com での本に対する購入者の評価を参考にするためだけに使っており、実際の購入は近くの本屋さんでしていたのですが、購入しようと決めた本がなかなか本屋で見つけられないことがあり、それならばインターネットで購入しよう、となったわけです。で、一度使ってみると、目的の本を見つけるのが簡単というのはもちろん、発送も思ったより早く、値段も安いので、「これは便利だ!」と一気にインターネットショッピング利用派へと考えが変わってしまいました。
例えばインターネットで本を購入する場合、ほとんどの本は24時間以内に発送手続きがとられます(在庫がなければもう少しかかります)。商品の到着日は、翌日、2,3日中、一週間以内、という具合に指定でき、それに応じた課金がなされます。私はほとんどの場合一週間以内、というのを選ぶのですが、その場合の発送コストは$3で、それに加え1冊につき$1払うことになります。本にしろDVDにしろ多くの場合割引がありますし、さらにカルフォルニアではインターネットショッピングに対しては税金がかからないので(カルフォルニアの消費税は 8.75% です)、発送コストを考えても十分安く買うことができます。
というわけで、一週間待ってもいい本やDVDであればインターネットを利用するのが間違いなく楽で、安く済みます。

とまぁ、保守的な私が利用するくらいですから、もともとカタログ通信販売や、TVショッピングが盛んな米国ではインターネットショッピングの人気もほんと高いです。例えば1998年の BtoC の規模はおおよそ50億ドルから100億ドル程度と見積もられており、またその一方で1999年にECに対して行われた投資は 12億ドルといわれています。ECの取扱商品も、本、DVDはもちろん、航空券や食料品、衣料品にペット用品と生活に関係するものはほとんどそろいます。ショッピングサイトがあまりに多いため、ショッピングサイトのためのサイトもあり、たとえばbizrate.comではショッピングサイトのユーザ評価などを見ることができます。また、Yahoo! Shoppingや、前出のbizrate.comなどでは、欲しい商品を指定すると、各ショッピングサイトでの値段と、配送までの目安の期間を一覧表示してくれるというサービスもあります。利用者は値段と発送期間の条件を考えながら、評価のよいショッピングサイトで気軽に買い物をすることができます。

もっともインターネットショップからすると競争が激しい分、顧客を集めるための努力をする必要があり、価格で勝負するところ、発送期間を早くするところ、既存店舗と連携して返品などのクレームに柔軟に対応するところ、などさまざまな戦略が取られています。とはいえ、恐らく各ショップが最も注力しているのはブランド構築のための広告宣伝でしょう。例えば Amazon.com が1998年にかけたマーケティング費用は1億3千万ドルといわれています。同年の Amazon.com が約6億ドルですが、利益で言うと約7400万ドルの赤字ですので、ちょっと常識では考えられない力の入れようです。
顧客としてはショップ側が競い合い、よいサービスを安い価格で提供してもらえればそれが一番ですが、一方で競争が激しすぎるため実際に生き残れるショップはわずかに限られる、との予想もあります。この予想も Amazon.com のような大手ショップが赤字覚悟でブランド構築をしているところを見るとまんざらではないのかもしれません。

さて、先ほどカルフォルニアではインターネットショッピングに関しては税金がかからないと言いましたが、現在のところカルフォルニアだけでなくほとんどの州で税金が免除されています。税金に関する調査によると、アメリカ人の約50%の人がインターネット上の取引に課税すべきと答えており、約40%の人が課税すべきでない、と考えているとのことです。アメリカは州により税率が変わるため実店舗のないインターネットショッピングでは課税するとしても、何を基準に課税するのか非常に興味がありますが、少なくとも私が帰国するまでは課税しないで欲しいものです :-)

それでは、今回はこの辺で。


by iwade@亜米利加




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