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[JavaOne 2001 Japan 特集]




Sun ONE 技術概要とWebサービス



11/29(木) Sun ONEとJavaプラットフォーム:技術概要
11/30(金) Sun ONE - エンタープライズWebサービス

Microsoftの.NETに関係する仕事をしていたので、SunのWebサービスへの取り組みという観点からSun ONEに関する上記の2つのセッションを聴講しました。
Sun ONE構想における、Webサービスへの取り組み、Sun ONEのアーキテクチャの2つに焦点を絞って、まとめてレポートします。


<Sun ONEの概要>

セッションでは、Sun ONEの構想において、何を、どう実現するかということについての話が中心で、Sun ONEとは何かという説明はそれほどなかったので、Sun のホームページで公開されているものを基に簡単に説明します。
Sunはこれまでの一貫した「サービス主体のネットワーク環境の構築」という考え方を提唱し、企業のビジネスメリットにあった、特定の技術に依存しないシステムの構築や導入を目標としてきました。Sun ONE(Sun Open Net Environment)は、これを実現するために必要なオープンなソフトウェア標準に基づいた、ビジョンやアーキテクチャ、プラットフォームおよびノウハウの総称であるとされています。


<Webサービスへの取り組み>
Sun はSun ONE構想において、Webサービスのサポートに取り組んでいくことを表明しました。Webサービスとは、単なるWeb上で提供されるサービスのことではなく、現在注目されているソフトウェアコンポーネントとしてのWebサービスであり、SunがWebサービスに取り組む上でのロードマップが説明されました。
Sunの見解では今後のWebサービスは以下のように普及するということでした。これにあわせて、製品やAPIも対応させていくそうです。

2002年
社内および関連会社や特定の取引先との間での静的なWebサービス(B2E、限定されたB2B)
2003年
関連会社などに限定しないあらゆる企業や個人間でのUDDIなどを用いた動的なWebサービス(B2B、B2C)


<Sun ONEのアーキテクチャ>
Sun ONEのアーキテクチャを一言で表すと「現行のJ2EE技術 + Webサービス」です。
HTTP 、IIOPベースで通信し、Servlet、JSP、EJBといったJ2EE技術によって実現されている現行のエンタープライズシステムのアーキテクチャに、Webサービスという通信手段を追加したと言えるでしょう。J2EE1.4ではWebサービスに対応するために、SOAP、UDDI、WSDLといった技術に対応するためのAPIが提供されるそうです。
また、SOAP、ebXMLといった標準に基づいたオープンなアーキテクチャであることから、混在したプラットホーム、システム、環境での相互運用性が高いこと、レガシーシステムなどの他のシステムとの統合可能性が高いことがアピールされていました。


<まとめ>
Webサービスは今後のeビジネスにおいて大きな役割を果たすものだと考えられます。
SunはSun ONE構想においてWebサービスへの取り組みを表明しましたが、現状では、Microsoftの.NETにやや遅れをとっています。しかし、Webサービスが実用化し普及するためには、SOAPのセキュリティやWebサービスを用いてB2Bを実現される際のアライアンスなどの問題を残しており、これらの問題が解決されるまでの間にSun ONEが.NETにキャッチアップできる可能性は十分にあると考えられます。

<参考URL>

https://www.sun.co.jp/products/sw/sunone/index.html
https://www.sun.co.jp/software/sunone/whitepapers/index.html




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