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[OBJECT DAY 2000 特集]


OBJECT DAY 2000 突撃レポート



5月26日に開かれたOBJECT DAY 2000に行ってきました。その内容を簡単に--私的に--ご報告します。


OBJECT DAY 2000を目前に控えたある日、「何のスタッフにもあたっていないし、のんぴり面白そうなセッションだけ聞きに行くか」と思っていた私のもとに、広場編集長が近づいてきました。その手には「オブジェクトの広場 突撃レポーター」と書かれた受講票が。『突撃レポーター』なんて大げさな。マイク持って突撃するテレビ屋さんじゃあるまいし、後で参加報告書けばいいだけでしょ...。

というわけで、レポーターという大義名分の元に行ったわけですが、実はOBJECT DAYは初参加(去年はオフィスで留守番でした)。ウェスティンホテルは会社のイベントで何度か行ったことがあるのですが、これだけの大人数が集まると熱気が違いますね。オブジェクト指向をやっている・勉強している仲間がこんなにいるのかと思ったり、これだけ集客できるオージスってすごいのかもと誤解しそうになったり。セッション間の休憩時間にはお手洗いの前が長蛇の列になっていましたが、Beyond The Objectトラックの部屋があった地下1Fのお手洗いは比較的すいていたのをご存知でしたか?

さて、雑談はこれくらいにして、個々のセッションの感想を手短かに。

【基調講演】
まずは羽生田さんの挨拶から始まりました。おっと、UML認定制度の合格者数をバラしちゃってるじゃないですか、懇親会のウルトラクイズで使うはずなのに...。(実際に使ったのは「満点の合格者数」だったそうです。)
そして鈴木純一さんの登場。基調講演というと、偉そうないかついおじさんか、逆にひとクセありそうなシニカルな人がやってきてしゃべるような印象があったのですが(まったくの偏見)、鈴木さんは予想より若いやさしそうな方でした。(私はROOM-Cでモニター中継を見ていたのですが、ときどきアップで映されていたので、本会場でお聞きになっていた方より見えやすかったかも知れません。) 話し方もあたりのやわらかい声で、これは眠りを誘う声...と思ったのですが、話の内容が面白かったので最後まで楽しく聞かせていただきました。(あとで知り合いに遇ったのですが、その人は半分くらい寝ちゃったとか。前の日に飲みすぎ!)
基調講演のお題は「エレクトロニックコマースとオブジェクト指向」。去年の今ごろならECなんて仕事で聞くだけの言葉だけだったのが、最近では"あたらしもの好き"ではない私でさえインターネット通販などをするようになり、すごく身近な話として聞くことができました。(システム屋のセリフじゃないな...) そして後半はEAIについて。また新しい技術用語が...と思ったら「EAIは新しい概念なのか? → No」なんですね。オブジェクト指向にしてもEAIにしても、目標としているのは昔から問題になってきた点の解決。技術が進歩した分、管理がどんどん大変になってきているんだなぁと感じました。でも、ECにしてもEAIにしても、ちゃんと人間に焦点が当たっているのは嬉しい気がします。人間が楽しめる・分かりやすいシステム、人間がラクできるシステム構築・保守...。(結局ここに戻ってきてしまう私は文系出身者)

基調講演

基調講演

【オブジェクト指向分析/設計の勘どころ】
後ろの方に座っていてお顔がよく見えなかったのですが、いきなり「こんにちは、金澤です」とかわいらしい声が降ってきたのに度肝を抜かれました。パネルディスカッションで羽生田さんが「オブジェクト指向の世界にはすごい女性が多い」と言っていましたが、全然すごそうに見えないのに最前線で仕事をなさっている人って素敵だなぁと思わせる方でした。セッションの内容は「あれ、どこかで聞いたような話...」。そうか、かんたんUMLトラックなので、入門部分に重点が置かれていたのですね。けれども、OOだけではうまくいかない点にもしっかり触れられていたり、「何故こういうビジネスのやり方になっているか」などともすると忘れがちな点を指摘されたり。入門セッションであっても、経験の深い人の言葉は重みがあります。

【最新OO開発手法XPのもたらすもの】
XPというと、2月にMartin Fowlerさんに突撃インタビュー(「突撃レポーター」はこれをもじっているのか!?)を決行したときの印象が強かったので、長瀬さんももしかして楽しい爆弾発言をしてくれるのかと期待して行ったのですが、さすがに数十人入るセッションではまじめなお話でした。(普通、そんな期待はしないですね...) Fowlerさんの時にはXPは名前しか知らない状態で行ったのですが、今回はそのときのモヤモヤを解消してくださる内容でした。私はホスト系システム出身なので、大規模開発を前提としていない開発プロセスなんて使い物になるの?と思っていたのですが、これだけ変化のスピードが上がっている世の中だと、リリースサイクルの短いXPのようなプロセスのほうが現実的なのかもと思わされました。印象的だったのは「XPの約束」の中に「ソフトウェアを作り上げる喜び」が挙げられていたこと。前のセッションで金澤さんが「システム開発を楽しんで欲しい」とおっしゃっていたのを思い出しました。

【パネルディスカッション】
夕方帰社するつもりだったのでパネルは聞かずに帰ろうと思っていたのですが、配布資料を見ているうちにどうしても聞きたくなり、結局最後までいることになってしまいました。パネリストの皆さんはそれぞれトレーニングや教育について、興味深い話をしてくださいました。このあたりは、配布資料の短いスライドを見るだけでも面白いと思います。その後、会場からも活発な意見が飛び出しました。考えてみるとテーマが「教育」ですから、トレーニングには無縁の方でも、後輩を指導したり自分自身がいろいろな道を通って成長してきたりしているはずで、それぞれ自分なりの意見があるのでしょう。パネリストとして発言するほどではなくても、ちょっとしたツッコミくらい入れられるはずだなぁと納得したのでした。
それにしても不思議だったのは、あの和やかさ。バネリストの口調にほのぼのとした笑いが沸いたり、質疑応答の時には会場の参加者一人一人を知り尽くしているかのように羽生田さんが手際よく指名したり。500人も入れる大会場でもあんなに和気あいあいとしたムードになるものなんですね。

ざっとこんな感じでしょうか。ほとんど個人的な感想ばかりですが、ちゃんとした講演内容は資料のダウンロードページからご覧になってください。

それから、社員レポーターとしては舞台裏のもようも少しお伝えしなきゃならないですね。朝一番にはあんなにいた受付のメンバーが、セッションが始まるとかき消すようにどこかに消えてしまいました。それぞれの担当のセッションルームで司会をしたりマイク係りをしたり、部屋の前で案内をしたり、リハーサルをしたり...、何かと忙しそうです。けれど、去年に続いて2度目なので、大分動きもスムーズだったようです。
場所がホテルだけに、スタッフ控え室にもちゃんとお茶(お湯飲みに茶托)やお水(氷入り)が用意されています。それからホテルにお願いしたスタッフ弁当も。私は食べていないのですが、なかなかおいしそう(写真)。ちょっとお上品過ぎて量が少ないかな。男性陣にこれで1日働けと言うのは酷かもしれません。

スタッフ弁当

Object Day 2000 スタッフ弁当

最後になりましたが、ご来場者の皆さま、どうもありがとうございました。そしてスタッフのみなさん、お疲れさまでした。

by お客でもスタッフでもない、突撃もしないレポーター

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