[技術講座] CppUnit 入門
株式会社 オージス総研
オブジェクトテクノロジー・ソリューション部
伊藤 喜一
CppUnit は C++ の単体テストを自動化するフレームワークです。XP (eXtreme Programming) の提唱者として知られる Kent Beck と、デザインパターンで有名な Erich Gamma が開発した JUnit (Java) を、Michael Feather が C++ に移植したのが最初です。
私が JUnit や CppUnit (xUnit と総称) の存在を知ったのは Martin Fowler の「リファクタリング」からでしたが、読んですぐにぜひ使ってみたいという衝動に駆られました。私が携わっているのは C++ による組込み系のプロジェクトでしたので、早速 CppUnit をダウンロードしたのですが、どうも MSVC++ で開発したらしく、gcc でビルドするにはソースに多少手を入れる必要がありました(*)。また、例外や RTTI (実行時型識別) 等を使用しており、組込み系のプアな環境では使いにくいものでした。そこで、例外や RTTI 等 C++ の比較的新しい機能を使わない修正を加えて公開したところ、何人かの方から好評をいただきました。また、チュートリアルが欲しいという要望もいただいています。
そこで今回、簡単なゲームプログラムを題材に CppUnit の使用法を説明しようと思います。あわせて、私が最近開発環境として愛用している Autoconf/Automake も簡単に紹介できればと考えています。なお、今回使用する CppUnit は私が改良したバージョンを対象としていますが、オリジナルの CppUnit との違いについてもときどき触れたいと思います。
《参考文献・URL》
xUnit をあまりご存知ない方は、最初に2章と4章にざっと目を通されるとよいと思います。
© 2001 OGIS-RI Co., Ltd. |
|