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技術講座

IEEE Software January/February 2015 目次と要旨(日本語訳)

2015年6月11日
IEEE Software

私たちの使命:先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software 誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.


インターネットウェアとその先 (Internetware and Beyond)

謹んでIEEE SoftwareJanuary/February 2015 (Vol. 32, No. 1) 号の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語のデジタル版 [www.qMags.com/ISW/jp] を購読できます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (From the Editor)

枯れ木を減らし, 関与を増やす (Fewer Dead Trees, More Engagement)

Diomidis Spinellis , Athens University of Economics and Business

IEEE Softwareの新編集長であるDiomidis SpinellisがIEEE Computer Societyの刊行物の主たる提供オプションがデジタルに切り替わったことについて論じる. 彼は, さらにIEEE Softwareの今後についての自らのビジョンを概説するとともに, ボランティアの支援を募集している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010004.pdf(178KB)

コンピューティングについて (On Computing)

ボイラー, ビット, ボットについて (Of Boilers, Bit, and Bots)

Grady Booch , IBM

産業革命と現在のコンピューティング革命の間に, リスク, 透明性, 責任に関する複数の類似性が存在する. 本記事では, 社会に対する意味と個々の開発者の責任という点で, これらの類似性のいくつかを検討する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010011.pdf(1008KB)

信頼できるコード (Reliable Code)

コードを書くのは人間 (To Code Is Human)

Gerard J. Holzmann , NASA/JPL

プログラマーは, プログラミングの規約を回避する創造的な方法を見つけてきた. それでも, そのような小細工はコストを伴う.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010014.pdf(1443KB)

要求 (Requirements)

意味がある産学パートナーシップに向けて (Toward Meaningful Industrial–Academic Partnerships)

Jane Cleland-Huang , DePaul University

2014年のIEEE International Requirements Engineering Conference のReady-Set-Transfer パネルで, 研究者が産業界のモチベーションを説明し, 自分達のアイデアがどの程度受け入れられそうだと思っているかを説明して, 自分達のプロジェクトを産業界の審判に説明した. そのプロジェクトには, 協調的な白板スケッチツールであるFlexiSketch, 要求に対する交渉を活気のある共創造プロセスで置き換えるCollaborative Creativity Canvas, コード中のアーキテクチャー判断を検出し, 可視化するArchieが含まれた.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010018-abs.html

ソフトウェア技術 (Software Technology)

次は何? ソフトウェア駆動産業の進歩 (What Next? Advances in Software-Driven Industries)

Christof Ebert , Vector Consulting Services
Gerd Hoefner , Siemens Technology and Services
Mani V.S. , Siemens Technology and Services

ソフトウェア駆動産業は, 5つの次元で進歩する: 協調, 理解, つながり, クラウド, そして収束. しかしながら, 企業が焦点を絞りすぎてはまることが多い. これを避けるために, 企業はアーキテクチャーと機能を結び付け, ソフトウェア開発の全ライフサイクルを習得し, グローバルに分散したチームを強化し, 開発の効率を上げるべきである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010022.pdf(940KB)

インパクト (Impact)

タンザニアの農業へのモバイルマネーのインパクト(Mobile Money’s Impact on Tanzanian Agriculture)

Balachandran Seetharam , Vodafone Solutions
Drew Johnson , TechnoServe

ソフトウェアは, 農家がモバイルマネーを使用することを可能にし, タンザニアの農業に大きく貢献した.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010029-abs.html

特集: ゲスト編集者の導入 (Focus: Guest Editors’ Introduction)

インターネットコンピューティングに対するソフトウェア工学 – インターネットウェアとその先 (Software Engineering for Internet Computing : Internetware and Beyond)

Antonia Bertolino , Italian National Research Council
M. Brian Blake , University of Miami
Pankaj Mehra , SanDisk
Hong Mei , Peking University
Tao Xie , University of Illinois at Urbana-Champaign

インターネットコンピューティングのためのソフトウェア工学には, インターネットに基づくシステムのアーキテクチャー考案, 開発, 配置, 管理, 品質保証が含まれる. また, それはコミュニケーションの複雑さ, 分散された制御, ガバナンスポリシー, 文化の違いのようなグローバル開発の問題に対応する. 本号では, この話題に関してワクワクするような研究や代表的な研究を紹介する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010035.pdf(1214KB)

特集: インターネットウェアとその先(Focus: Internetware and Beyond)

モノのインターネットをデバッグする – ワイヤレスセンサーネットワークの事例 (Debugging the Internet of Things : The Case of Wireless Sensor Networks)

Patrick Eugster , SensorHound
Vinaitheerthan Sundaram , SensorHound
Xiangyu Zhang , Purdue University

提案されたワイヤレスネットワークのためのデバッグツールは, センサーノードの実行や相互作用に関する実行時の情報を集め, その情報を圧縮する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010038-abs.html

サービスコレオグラフィーの自動合成 (Automated Synthesis of Service Choreographies)

Marco Autili , University of L'Aquila
Paola Inverardi , University of L'Aquila
Massimo Tivoli , University of L'Aquila

サービスコレオグラフィーは, グローバルな観点で参加するサービス間のピアツーピアメッセージ交換を説明する. 提案されたツールはコレオグラフィーを自動的に合成するので, 実践の場面では効果的である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010050-abs.html

インターネットウェア成果物のスティグマージーに基づく作成 (Stigmergy-Based Construction of Internetware Artifacts)

Wei Zhang , Peking University
Haiyan Zhao , Peking University
Yi Jiang , Nanjing University of Aeronautics and Astronautics
Zhi Jin , Peking University

インクリメンタルなグラフの重ね合わせを採用することで, インターネットでつながった個人の集団が個人の作業結果をインクリメンタルに集約することで集団レベルのグラフを作り, 発展させる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010058-abs.html

モバイルインターネットウェアアプリのエネルギー効率と性能を診断する (Diagnosing Energy Efficiency and Performance for Mobile Internetware Applications)

Yepang Liu , The Hong Kong University of Science and Technology
Chang Xu , Nanjing University
Shing-Chi Cheung , The Hong Kong University of Science and Technology

スマホアプリの多くのバグはエネルギー効率や性能を低下させるが, それらの問題に対応する強力なツールが足りない. それらの特性を調べ, 診断を試みることで, 1歩大事な前進ができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010067-abs.html

テールトレラントなクラウドAPIラッパー (A Tail-Tolerant Cloud API Wrapper)

Qinghua Lu , China University of Petroleum, Qingdao, China
Xiwei Xu
Len Bass
Liming Zhu
Weishan Zhang , China University of Petroleum, Qingdao, China

クラウドAPIは, ロングテールのように分散している. 提案されたクラウドAPIラッパーは, この状況を防ぐ仕組みを実装する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010076-abs.html

Webに基づくソフトウェアアプリの複数層多様化 (Multitier Diversification in Web-Based Software Applications)

Simon Allier , INRIA
Olivier Barais , University of Rennes 1
Benoit Baudry , INRIA
Johann Bourcier , University of Rennes 1
Erwan Daubert , INRIA
Franck Fleurey , SINTEF Information and Communication Technology
Martin Monperrus , University of Lille
Hui Song , SINTEF Information and Communication Technology
Maxime Tricoire , INRIA

複数コンポーネントにおける, 異なるソフトウェア多様化選択を組み合わせることにより, Webアプリをより頼れるものに出来得る. 本記事では, 特にアプリケーションコードレベルで, 効果的なソフトウェア多様化を可能にする大事な点を識別する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010083-abs.html

座談会 – インターネットコンピューティングのためのソフトウェア工学の将来 (Roundtable The Future of Software Engineering for Internet Computing)

Jian Lu , Nanjing University
David S. Rosenblum , National University of Singapore
Tevfik Bultan , University of California, Santa Barbara
Valerie Issarny , Inria Paris-Rocquencourt
Schahram Dustdar , Vienna University of Technology
Margaret-Anne Storey , University of Victoria
Dongmei Zhang , Microsoft Research, China

インターネットコンピューティングのためのソフトウェア工学の7名の研究リーダーがこの分野の将来を形成するだろう大事な課題に対する自らの観点を説明する. これらのリーダーがソフトウェアの考え方を変えることの機会と難しさを論じる; 心地よいゾーンの外に踏み出し, ソフトウェアの正しさのような課題を再考する; インターネットソフトウェアのディペンダビリティーとプログラミング可能性を改善する; モノのインターネットに対するソフトウェア工学の課題に対応する; モノのインターネット, 人々, ソフトウェアサービスの間の関係を探究する; ソフトウェア開発の直接参加の文化をサポートする; そして, オンラインサービスにおけるログの取り方を再考する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010091-abs.html

主要記事: アーキテクチャー言語 (Feature: Architectural Languages)

アーキテクチャー言語の行方 (The Road Ahead for Architectural Languages)

Patricia Lago , VU University Amsterdam
Ivano Malavolta , Gran Sasso Science Institute
Henry Muccini , Università dellAquila
Patrizio Pelliccione , Chalmers University of Technology and University of Gothenburg
Antony Tang , Swinburne University of Technologyy

言語の定義, 言語の仕組み, ツールのサポートの点でアーキテクチャー言語の使いやすさに対する要求を探求することで, 次世代のモデル駆動エンジニアリングにつながるかもしれない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010098-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

研究結果を信じるべきかが如何に分かるか? (How Do I Know Whether to Trust a Research Result?)

Martin Shepperd , Brunel University London

メタ分析で示されるところでは, コンピューター科学のいくつの領域は研究者の先入観に影響されている. それでも, 科学的な研究すべてに疑いを持つよりは, 研究者は研究の妥当性を検討すべきである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010106-abs.html

現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)

成功するアーキテクチャー管理の 5 つの特徴 (The Five Properties of Successful Architectural Oversight)

Nick Rozanski

アーキテクチャーの管理は, ソフトウェア開発プロジェクトが成功するかどうかの重要な決定要因である. 管理が効果をあげるには, それはタイムリーで, 客観的で, 体系的で, 建設的で, 実用的でなければならない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010110.pdf(287KB)

ソフトウェア工学 (Software Engineering)

マイクロサービス (Microservices)

Johannes Thönes

Software Engineering Radioからのこの抜粋では, Johannes ThönesがThoughtWorksの主席コンサルタントであるJames Lewis氏とマイクロサービスについて語る. 彼らは, マイクロサービスの近年の普及, アーキテクチャースタイル, 配置, 規模, 技術的な判断, 消費者が推進する契約について論じる. 彼らは, さらにマイクロサービスをサービス指向アーキテクチャーと比較し, マイクロサービスのコミュニティーにおける大事な数字と, 先人の積み重ねの上に立っていることについて語ることでこの話を締めくくる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/01/mso2015010116.pdf(325KB)


本記事はIEEE Software編集部から頂いた原稿をオージス総研の有志で翻訳したものです。