ObjectSquare [2012 年 11 月号]

[技術講座]


IEEE Software July/August 2012 目次と要旨(日本語訳)

翻訳:オブジェクトの広場

IEEE Software July/August 2012 号の特集は「モバイルソフトウェア開発」です。特集記事では、モバイルアプリの今後の課題、コンテンツの管理、インドでの楽曲販売サービス、HTML5ベースのクラウドフォンを取り上げています。



IEEE Software

私たちの使命: 先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作るために, IEEE Software誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

May/June 2012 (Vol. 29, No. 4):Mobile Software Development

謹んでIEEE Software July/August 2012 (Vol. 29, No. 4) 号の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 有償の技術的な記事を入手するために, 英語の印刷版[www.computer.org/subscribe/sw-jp], またはデジタル版[www.qMags.com/ISW/jp]を購読することができます.お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (FROM THE EDITOR)

あなたの指先で世界を設計する:モバイルユーザーインタフェースを考える (Designing a World at Your Fingertips: A Look at Mobile User Interfaces)

Forrest Shull

スマートモバイルデバイスほど我々の世界に目に見える影響を与えたコンピューティングとソフトウェアの進歩は少ない. 消費者はあらゆる種類のタスクやサービスを働きづめに行えるようになることに無尽蔵の食欲を抱いているようであるし, 新たなアプリが登場する速度は印象的である. 最近よく旅をした人は誰しも空港の出発ラウンジを見まわし, 居合わせた旅行者がモバイルデバイスを使って電子メールに操作するだけではなく, 買い物, 請求書の支払, 映画の鑑賞, 住宅ローンの申し込みすら行っているのを目にするという場面を確実に思い出すだろう. (それらのデバイスで電話すらできるという噂がある.)
http://www.computer.org/csdl/mags/so/2012/04/mso2012040004.html

洞察:ソフトウェア開発 (Insights: Software Development)

科学的ソフトウェア開発プロジェクトから得た教訓 (Lessons Learned from a Scientific Software Development Project)

Chris Morris, Science and Technology Facilities Council, UK
Judith Segal, Open University, UK

90年代半ば, 私はアジャイルなソフトウェア開発に移行しようとする会社で働いていた. 思いもしなかったことだが,その変化において最も問題となったのは開発者が顧客に直接話しをすることだった. いくつかの小さな災難のあとで気がついたことは, ビジネスチームやマーケティングチームの専門知識や経験を何らかの方法で開発者に伝えねばならないということだった.この最新の Insights の記事を最初に読んだ時に, 私がすぐに気がついたことは, 学んだ教訓リストに多くのパターンがあること, そしてこれは「科学的」ソフトウェアに限った話ではないことであった これはあらゆる種類のソフトウェアについての話であり, 実のところあらゆる種類の開発努力についての話である.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.93

コンピューティングについて (On Computing)

人間の経験 (The Human Experience)

Grady Booch

コンピューティングは人間性を変化させてきたが, それを我々は新陳代謝し始めたところである. コンピューティングは, 人間であることへの我々の賛辞を増幅するが, 我々の嘆きを大きくする余地も持っている. コンピューティングの歴史を紐解くことには価値があり, 教養ある大衆はこれまでよりもさらにコンピューティングの過去と和解し, 現在を理由付け, 未来について意識的になることができる.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.103

証拠の声 (Voice of Evidence)

欠陥の原因分析のための証拠に基づくガイドライン (Evidence-Based Guidelines to Defect Causal Analysis)

Marcos Kalinowski, David N. Card, and Guilherme H. Travassos

欠陥の原因分析 (DCA) あるいは欠陥の予防には, Brazilian Software Process Improvement Reference Model や能力成熟度モデル統合のような, より高い成熟度レベルのソフトウェア開発プロセスが求められる. 著者らは, それをより低い成熟度の組織で実装することについて質問し, その質問に回答する.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.72

インパクト (Impact)

ソフトウェアの年平均成長率 (Compound Annual Growth Rate for Software )

Michiel van Genuchten and Les Hatton

これまで3年間に渡り, いくつかの正確に測定されたプロダクトをインパクト欄が6本の記事として掲載してきた.それで, 年平均成長率 を計算してみよう.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.79

現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)

(Architecture Quality Revisited)

Frank Buschmann, David Ameller, Claudia P. Ayala, Jordi Cabot, and Xavier Franch

最近の研究が示すところでは, 非機能品質はユーザーや顧客とはあまり関係がなく, 主としてアーキテクトの関心事ということである. 技術的ではない制約が品質要求と同じぐらい重要なものとして設計を左右しているようである.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.77

ゲスト編集者の導入 (Guest Editors’ Introduction)

モバイルソフトウェアアプリの乗っ取り (The Mobile Software App Takeover)

UJeffrey Voas, IEEE Fellow
J. Bret Michael, Naval Postgraduate School
Michiel van Genuchten, Open Digital Dentistry

使いやすさと豊富な機能をもたらすソフトウェアアプリがなければ, スマートフォンはあまり「スマート」ではない. あらゆるソフトウェアの同様にアプリがユーザーに適切な機能やサービス品質を提供していることを確認するためにある程度のガイダンス, 規則, 測定が必要になる. この問題はソフトウェア工学とソフトウェア開発の誕生した時から存在するものであり, アプリも同じである. その空白が, アプリとアプリを配置し, ライセンスされるアップストアを検査するためのなんらかの方法に対する騒ぎをもたらしたのである. 本特集のゲスト編集者はモバイルアプリの市場が成長するにつれて巨大な問題が登場すると論じている. ここで特集している記事は来るべき課題への対応を試みている.
http://www.computer.org/csdl/mags/so/2012/04/mso2012040025.html

モバイルソフトウェア開発 (Mobile Software Development)

モバイルコンテンツのサービス化:ベンダー中立なモバイルデバイスのクラウドの構想(Mobile Content as a Service: A Blueprint for a Vendor-Neutral Cloud of Mobile Devices)

Mikko Raatikainen, Aalto University
Tommi Mikkonen, Tampere University of Technology
Varvana Myllarniemi, Aalto University
Niko Makitalo, Tampere University of Technology
Mikko Raatikainen, Aalto University
Tommi Mikkonen, Tampere University of Technology
Varvana Myllarniemi, Aalto University
Niko Makitalo, Tampere University of Technologybr> Tomi Mannisto, Aalto University
Juha Savolainen, Danfoss Power Electronics

モバイルデバイスのためのクラウドコンピューティングにおいて提案されたアプローチは, デバイスのコンテンツを最初に作成された場所で維持する.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.54

インドでモバイルサービスのためのソフトウェアを開発する (Developing Software for a Mobile Service in India)

Balachandran Seetharam, Vodafone Solutions

インドではインターネット以外の手段で携帯電話用の音楽を購入する場所が求められている. インターネットを通じて音楽を販売できない携帯電話のユーザーが700万人以上いる. 本記事ではそのようなユーザーに到達するためのアイデアを提示する.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.53

クラウドベリー:モバイルデバイスのためのHTML5クラウドフォンプラットホーム(Cloudberry: An HTML5 Cloud Phone Platform for Mobile Devices)

Antero Taivalsaari and Kari Systa, Nokia

クラウドフォンの大きな恩恵の1つは, 全世界の何百万台のデバイスの顧客向けフィーチャーのほぼすべてをほとんどすぐに変えられることである
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.51

ソフトウェアアーキテクチャ (Software Architectures)

サービス指向アーキテクチャ:作り話か現実か? (Service-Oriented Architectures: Myth or Reality?)

Haresh Luthria, Digital Business Strategies
Fethi A. Rabhi, University of South Wales

安全性標準情報をモデリングするための柔軟でツールで支援されたアプローチは, サプライヤーと認定者の間にコンプライアンスの実証に必要なエビデンスに対する公式の合意を作ることを助ける.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2011.156

社会学 (Sociology)

社会心理学とソフトウェアテストチーム:タスクに有効なグループの規範を確立する(Social Psychology and Software Teams: Establishing Task-Effective Group Norms)

Alvin Teh, Elisa Baniassad, Dirk van Rooy, and Clive Boughton, Australian National University

グループの成功にはグループの規範が頼りになる. 規範の取り扱い方により, グループがソフトウェア開発のタスクをよりよく行うことを助けることができる
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2011.157

ソフトウェア開発 (Software Development)

ビジネスルールアプローチとそのソフトウェアテスティングに対する影響(The Business Rules Approach and Its Effect on Software Testing)

Thomas O. Meservy, Chen Zhang, Euntae T. Lee, and Jasbir Dhaliwal, University of Memphis

ソフトウェア開発に対するビジネスルールアプローチは、開発ライフサイクル初期にテスティングの要員および作業を従事させ、それによりテスティングの効率および有効性を向上させる可能性を秘めている
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2011.120

ソフトウェアプロジェクト管理 (Software Project Management)

ソフトウェアプロジェクトの労力と期間とのトレードオフを検討する (Exploring Software Project Effort versus Duration Tradeoffs)

Charles Symons, Common Software Measurement International Consortium

4つの良く知られた見積もり手法の仮定を比較するためにプロジェクトの労力と期間のトレードオフのモデルを用い, 600件の実プロジェクトの16件のサブセットを分析する過程でそのモデルを適用した.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2011.126

市販ソフトウェアの統合のための2層ラッピング:Matlabについての経験 (Two-Layer Wrapping for COTS Software Integration: An Experience with Matlab)

Emilio Garcia-Rosello, Jacinto G. Dacosta, Maria J. Lado, Arturo J. Mendez, and Baltasar G. Perez-Schofield, University of Vigo

MatLabを統合するための2層ラッピングアプローチを実際の技術的なソフトウェア開発プロジェクトに投入した結果, ドメイン固有の機能におけるより良い統合と全体的な労力の顕著な削減が見られた
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2011.129

要求 (Requirements)

要求宇宙のスポックとカーク (Spocks and Kirks in the Requirements Universe)

Neil Maiden

感情に基づいて判断を行い, その判断を論理で後付けで正当化する人が多い. 要求作業は感情的な関係に対する願望を利用することができる
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.99

商売道具 (Tools of the Trade)

ソフトウェアを手でインストールしてはならない (Don’t Install Software by Hand)

Diomidis Spinellis

主としてインターネットに対しているシステムの急増と複雑さにより, ITシステムの設定と構成が開発者に影響を及ぼしている. 幸運にもこの複雑さはITシステムの構成管理ツールを導入することで制御し, 克服することができる. システムの構成へのすべての変更はその構成管理システムを通じてのみ行えることを明記し, システムのルールを法律として扱うことにより, 組織は顧客に納品するITシステムがたまたま動作する不可思議な一枚岩ではなく, 設計により動作する文書化されモジュール化されたエンジンに確実にすることができる.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.85

ソフトウェア技術 (Software Technology)

社会とコミュニティインテリジェンス:技術とトレンド (Social and Community Intelligence: Technologies and Trends)

Daqing Zhang, Institut TELECOM SudParis
Zhu Wang, Bin Guo and Zhiwen Yu, Northwestern Polytechnical University

センサー, インターネットが使えるデバイス, 携帯電話, インターネットアプリケーションやサービス, 無線通信の普及により, 社会とコミュニティインテリジェンス(SCI)というまったく新しい分野が非常に急速に出現してきた. SCIはWebアプリケーション, 静的なインフラ, モバイルやウェアブルデバイスとやり取りをした間に 人々が残したデジタルな痕跡をマイニングすることにより個人やグループの振る舞い, 社会的な相互作用, コミュニティの力学を明らかにすることを目指している. 著者であるDaqing Zhang とその同僚らがこの分野を紹介し, その様々な技術を取り上げる. 読者と将来のコラム著者達の両方から本コラムとさらに知りたい技術やツールに関する意見が寄せられることを楽しみにしている.  Christof Ebert
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.96

ご意見箱(Sounding Board)

ソフトウェア工学の工学的側面を受け入れる (Embracing the Engineering Side of Software Engineering)

Lionel Briand

20年間の研究と産業の経験に基づいて, 著者はソフトウェア工学研究に対する彼の評価を提示している. それから, 著者はそのような分析に基づいて, 我々が研究界として影響力を増し, 信用を得て, 最終的には確実に成功と我々の歴史の浅い分野の認識ができるために, 我々がどのように変わる必要があるのかという勧告を提示している. 著者のメッセージの要旨は, 我々が真の工学分野にならなければならないということだ.
http://doi.ieeecomputersociety.org/10.1109/MS.2012.86



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