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技術講座

IEEE Software March/April 2016 目次と要旨(日本語訳)

翻訳:オージス総研 オブジェクトの広場
2016年8月18日

本記事はIEEE Software編集部から頂いた原稿をオージス総研の有志で翻訳したものです.

MarApr2016表紙

私たちの使命: 先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

ビッグデータ (Big Data)

謹んでIEEE SoftwareMarch/April 2016 (Vol. 33, No. 2) 号 の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語のデジタル版 www.qMags.com/ISW/jp を購読できます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (From the Editor)

プロの役に立つ (Serving Professionals)

Diomidis Spinellis , Athens University of Economics and Business

Diomidis Spinellis編集長が, 実践者により焦点を合わせた内容を提供するためにIEEE Softwareが取り組んでいることを論ずる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020004.html

コンピューティングについて (On Computing)

計算的な人間 (The Computational Human)

Grady Booch , IBM

異なる年代の人間には, 異なる思考モードが必要である. これらのモードは,各年代における人生の個別の状況を単に反映したものではない; これらは, 次への我々を推進する力を映し出すものでもある.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020008.html

洞察 (Insights)

高可用性システムにおけるソフトウェアの改造: アップタイムが重要な場合 (Software Retrofit in High-Availability Systems: When Uptime Matters)

Thomas Ronzon , w3logistics AG

もはや保守できなくなったビジネス上,重大なシステムの問題に対処するためにソフトウェアの改造を使うことができる. この7ステップのアプローチで, 日々の運用を続けたままでソフトウェアを改訂できる. 目指すのは, 先進的な開発及び運用技術で拡張や保守ができるシステムを再建することである. https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020011.html

現実的なアーキテクト (Pragmatic Architect)

データセンターのエネルギー所要量: なんでここに至り, あそこに至らなかったのか (Data Center Energy Demand: What Got Us Here Won’t Get Us There)

Rabih Bashroush , University of East London
Eoin Woods , Endava
Adel Noureddine , University of East London

環境保護が高まるトレンド, 及びエネルギー価格とIT作業量の増加を前提にすると, アーキテクトはエネルギーや電力効率を考慮しないでシステムを設計できるか否かについて決断をしなければならない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020018-abs.html

信頼できるコード (Reliable Code)

コードの明快さ (Code Clarity)

Gerard J. Holzmann , NASA/JPL

命名規約は, コードの読みやすさやコードをレビューする際の把握のしやすさに影響する. 命名規約は, コンパイラーを助けることを意図したものではない. コンパイラーは, いくら長くても, 短くても, あいまいであろうと苦も無く名前を区別できる. それでも我々人間にとっては, それらは大きな問題に成り得る.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020022-abs.html

実践者のまとめ (Practitioners’ Digest)

回帰テスティング, 言語, クラッシュを誘発するコミット, UML,そして法的ポリシー(Regression Testing, Spoken Language, Crash-Inducing Commits, UML, and Legal Policy)

Jeffrey C. Carver , University of Alabama
Jordi Cabot , Interdisciplinary Internet Institute
Leandro L. Minku , University of Leicester
Marco Torchiano , Politecnico di Torino

今月のコラムでは, 2015年 ACM/IEEE International Symposium on Empirical Software Engineering and Measurement, 第11回 International Conference on Predictive Models and Data Analytics in Software Engineering, 2015 年ACM/IEEE International Conference on Model Driven Engineering Languages and Systemsの論文をレポートする. 論文のトピックスには, 回帰テスティング, 言語ポリシー, クラッシュを誘発するコミット, UML, モデルベース開発が含まれる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020026.html

要求 (Requirements)

うろつく利害関係者 (Stakeholders on the Prowl)

Jane Cleland-Huang , DePaul University

どのような要求エンジニアであれ、広範な利害関係者と仕事をするのが人生の現実である. それら各利害関係者に最善のものをもたらすための学びは、時間とともに得られるものである.本記事では, 3つの一般的な問題を解決するための効果的な利害関係者とのやり取りのテクニックを紹介する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020029.html

ゲスト編集者のイントロ (Guest Editors’ Introduction)

ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学 (Software Engineering for Big Data Systems)

Ian Gorton , Northeastern University
Ayse Basar Bener , Ryerson University
Audris Mockus , University of Tennessee, Knoxville

ビッグデータシステム向けのソフトウェア開発は, 複雑であり, 広範な分散, 書き込みに偏った処理負荷, 変動するリクエストの負荷, 計算集約的な分析, 高い可用性を含む課題に直面する. 本テーマの記事は, このややこしいパズルのいくつかの側面を検討する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020032.html

ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学 (Big Data)

ビッグデータシステム開発のための戦略的プロトタイピング (Strategic Prototyping for Developing Big Data Systems)

Hong-Mei Chen , University of Hawaii at Manoa
Rick Kazman , University of Hawaii at Manoa
Serge Haziyev , SoftServe

小さなデータシステムの開発のための従来の縦方向の発展的なプロトタイピングは, ビッグデータシステムのリスクを識別し, 分析し, 軽減するためには不適切で高価すぎる. RASP (Risk-Based, Architecture-Centric Strategic Prototyping)は, アジャイルなビッグデータシステム開発におけるコスト効果的で系統的なリスク管理のモデルである. RASP は, アーキテクチャー分析が十分に対処できない領域だけに戦略的にプロトタイピングを用いる. 開発者は, やみくもにフルスケールのプロトタイプを作る代わりにより安価な縦方向の発展的なプロトタイプを用いる. 記事に埋め込まれた, グローバルな開発委託会社の9つのビッグデータプロジェクトによる複数の事例がRASPの妥当性を裏付けた. 教訓から得た判断フローチャートとガイドラインは, 戦略的なプロトタイピングを適用すべきかどうか, 及び適用の時期や方法をアーキテクトが判断するために役立ち得る. 本記事は, ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学特集の一部である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020036-abs.html

オンラインビデオ処理のためのディープインテリジェンスフレームワーク (A Deep-Intelligence Framework for Online Video Processing)

Weishan Zhang , China University of Petroleum
Liang Xu , China University of Petroleum
Zhongwei Li , China University of Petroleum
Qinghua Lu , China University of Petroleum
Yan Liu , Concordia University, Montreal

ビデオデータは, ビッグデータの最大の情報源になっている. ビッグデータの複雑さ, 速度, 量ゆえに, 公共の安全性や他の監視アプリケーションには効率的で知的なランタイムのビデオ処理が求められる. これらの課題に対処するため, 提案されたフレームワークは2つのクラウドコンピューティング技術を組み合わせている: つまり, Stormストリーム処理とHadoopバッチ処理である. このフレームワークは, ビデオデータ中に隠れた知識を明らかにする助けに成り得るディープインテリジェンスを実現するためにディープラーニングを用いている. このフレームワークの実装は, 5つのアーキテクチャースタイルに組み合わせたものである: つまり, サービス指向アーキテクチャー, パブリッシュ–サブスクライブ, 共有されたデータパターン, MapReduce, 階層化されたアーキテクチャーである. 性能, スケーラビリティー, 耐障害性の評価が, フレームワークの有効性を示した. 本記事は, ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学特集の一部である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020044-abs.html

ビッグデータシステム向けの運用ログ解析: 課題と解決策(Operational-Log Analysis for Big Data Systems: Challenges and Solutions)

Andriy Miranskyy , Ryerson University
Abdelwahab Hamou-Lhadj , Concordia University, Montreal
Enzo Cialini , IBM
Alf Larsson , Ericsson

ビッグデータシステム(BDSs)は, 複雑で, 分散された計算ノード, データベース, ミドルウェアのような相互作用する複数のハードウェアとソフトウェアから成る. それらの構成要素のいずれもが故障し得る. 故障の根本原因を探すのは非常に骨が折れる. BDSが生成したログの分析はこのような作業を高速化し得る. ログは, テスティングのプロセスの改善, セキュリティー違反の検出, 運用プロファイルのカスタマイズ, ランタイムデータの分析が必要な他のあらゆる職務にも役立つ. それにも関わらず, 実践上の課題がログ解析ツールの導入を妨げる. BDSから生成したログはそれ自身がビッグデータと考えることができる. 大量のログを取り扱う際に, 実践者は主として7つの課題に直面する: つまり, ストレージの不足, スケールできないログ解析, 不正確なログの取り込みと再現, 不適切なログ処理ツール, 不正確なログの分類, 多様なログ形式, 取り扱いを注意すべきデータの不適切なプライバシーである. いくつかの実践的な解決策は存在するが, 深刻な課題は残る. 本記事は, ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学特集の一部である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020052-abs.html

ビッグデータ処理向けの不均一な実行環境向けにパイプラインを構築する (Building Pipelines for Heterogeneous Execution Environments for Big Data Processing)

Dongyao Wu , NICTA
Liming Zhu , NICTA
Xiwei Xu , NICTA
Sherif Sakr , NICTA
Daniel Sun , NICTA
Qinghua Lu , NICTA

多くの現実世界のデータ分析シナリオでは,複数の(ビッグ)データ処理, データ分析ジョブのパイプライン化や統合が必要になるが, それらは往々にしてMapReduce; Spark; R; Pyton; Bashスクリプトのような不均一な環境で実行される. そのようなパイプラインでは, 環境を横断してデータを得るための接着コードが大量に必要になる. それらのパイプラインを保守し, 発展させるのは困難である. そのような問題を解決しようとしているパイプラインフレームワークは, 通常単一の環境の上に構築されている. これらでは, 新しいAPIや考え方を考慮するように元のジョブを書き直さねばならない. Pipeline61フレームワークは, 不均一な実行環境を含むデータパイプラインの構築をサポートする. このフレームワークは, 異なる環境に配置されたジョブの既存コードを再利用するともに, ソフトウェア開発の一般的な問題に対応するためにバージョン管理と依存性管理を提供する. 実世界の事例は, このフレームワークの有効性を示している. 本記事は, ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学特集の一部である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020060-abs.html

観点 (Perspectives)

3名の専門家がビッグデータ工学を語る (Three Experts on Big Data Engineering)

Clemens Szyperski , Microsoft
Martin Petitclerc , IBM Canada
Roger Barga , Amazon Web Services

Clemens Szyperski 氏 (Microsoft), Martin Petitclerc 氏 (IBM), Roger Barga 氏 (Amazon Web Services) が次の3つの質問に回答する: スケール可能なビッグデータシステムを構築した際に直面した主な課題はなんだったか? それらの課題にどのように対応したか? 高度に信頼でき, スケーラブルなビッグデータシステムを構築するためのツールやアプローチを作るために研究コミュニティーはどこに注目すべきか? 本記事は, ビッグデータシステム向けのソフトウェア工学特集の一部である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020068.html

モバイルアプリ (Mobile Apps)

アンドロイドアプリにおけるAdライブラリの更新を分析する (Analyzing Ad Library Updates in Android Apps)

Israel J. Mojica Ruiz , McAfee
Meiyappan Nagappan , Rochester Institute of Technology
Bram Adams , Ecole Polytechnique de Montreal
Thorsten Berger , University of Waterloo
Steffen Dienst , University of Leipzig
Ahmed E. Hassan , Queen’s University

90%以上のモバイルアプリが無料なので, それらの広告はそれらの開発者の中心的な収入源になっている. 広告は, adライブラリと呼ばれる特別な埋め込みコードを通じてアプリに掲載される. 他の種類のライブラリとは異なり, アプリ開発者は収入を失うリスクがあるので新たなadライブラリや埋め込まれたadライブラリの新バージョンを無視できない. それにも関わらず, adライブラリの更新には費用が発生し, それは更新がより頻繁になると問題になり得る. 研究者らは, adライブラリ更新のコストと, アンドロイドアプリにおけるadライブラリの更新の頻度を調べた. 12か月以上に渡り, アンドロイドアプリの多くのバージョンを分析した結果, ほぼ半数がadライブラリの更新 (adライブラリが追加されたり, 削除されたり, 更新された)を経たことが分かった. さらに, 14%近いアプリが少なくとも1回のadライブラリ更新で更新し, アプリのAPIの変更は無かった. この結果は, adライブラリの保守が開発者に大きな余分な努力を課していることを示唆している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020074-abs.html

インパクト (Impact)

彗星上のソフトウェア: フィラエ探索機の中心的なオンボードコンピューター (Software on a Comet: The Philae Lander’s Central Onboard Computer)

Attila Baksa , Wigner Research Centre for Physics
András Balázs , Wigner Research Centre for Physics
Zoltán Pálos , Wigner Research Centre for Physics
Péter Spányi , Wigner Research Centre for Physics
Sándor Szalai , SGF Ltd.
László Várhalmi , Wigner Research Centre for Physics

フィラエ探査機が10年の宇宙の旅の果てに彗星に着陸するために, そのソフトウェアは厳しい要求を満足しなければならなかった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020081-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

非常に小さな組織におけるソフトウェアプロセス改善(Software Process Improvement in Very Small Organizations)

Xabier Larrucea , Tecnalia
Rory V. O'Connor , Dublin City University
Ricardo Colomo-Palacios , Østfold University College
Claude Y. Laporte , École de technologie supérieur

ソフトウェアプロセス改善 (SPI)は, 25名以下の組織である非常に小さな組織(VSEs)に障害と機会をもたらす. このことの助けとなるように, 国際標準化機構と国際電気標準会議は共同でVSE向けのSPIガイドラインとしてISO/IEC 29110を開発した.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020085-abs.html

ご意見番 (Sounding Board)

IEEE Software とプロフェッショナル開発 (IEEE Software and Professional Development)

Ian Sommerville

研究者と実践者の両方にとってより適切なものになるため, IEEE Software は方向を変え, ソフトウェア開発者がソフトウェア工学と関連する領域でのプロフェッショナル開発に取り掛かる最初の場所となるべきである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020090.html

ソフトウェア技術 (Software Technology)

エンタープライズアプリ向けのコンポーネントスタック(Component Stacks for Enterprise Applications)

Panos Louridas , Athens University of Economics and Business

比較的最近になるまで, Webアプリを開発するために使われたツールはLAMPスタックと呼ばれる定評のあるアーキテクチャーに従っていた. 最近, MEANスタックが急激にWeb開発者の世界を占拠し, LAMPを置き換えている.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020093.html

依頼記事 (Invited Content)

将来のリーダーがソフトウェア工学の未来を語る: ラウンドテーブル (Leaders of Tomorrow on the Future of Software Engineering: A Roundtable)

Felienne Hermans , Delft University of Technology
Janet Siegmund , University of Passau
Thomas Fritz , University of Zurich
Gabriele Bavota , Free University of Bozen-Bolzano
Meiyappan Nagappan , Rochester Institute of Technology
Abram Hindle , University of Alberta
Yasutaka Kamei , Kyushu University
Ali Mesbah , University of British Columbia
Bram Adams , Polytechnique Montréal

ソフトウェア工学における9名の新進スターが, 姿を現しつつある機会と革新的な解決策にスポットライトをあてながら, ソフトウェア工学の研究がどのように発展するかを説明する. これらの人達は, エンドユーザーコンピューティングの台頭, ニューロイメージングやバイオメトリックスセンサーによる開発者のモニタリング, 構造化されていない文書からのデータ分析, モバイル市場のマイニング, ソフトウェアを作成し, リリースする方法の変化を予測する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020099.html

ソフトウェア工学 (Software Engineering)

Dave Thomas 氏がレガシーシステムの革新を語る (Dave Thomas on Innovating Legacy Systems)

Sven Johann , innoQ

ホスト役であるSven Johann が, ACM Distinguished Member, 起業家, 研究者である Dave Thomas 氏とレガシーシステムを扱う開発者が直面するトレードオフと制約について話をする.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2016/02/mso2016020105.html