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技術講座

IEEE Software May/June 2015 目次と要旨(日本語訳)

2015年10月1日

本記事はIEEE Software編集部から頂いた原稿をオージス総研の有志で翻訳したものです.

MayJun2015表紙

私たちの使命: 先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

システムとソフトウェアの可変性 (Systems and Software Variability)

謹んでIEEE SoftwareMay/June 2015 (Vol. 32, No. 3) 号 の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語のデジタル版 www.qMags.com/ISW/jp を購読できます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (From the Editor)

スターチームを募る (Recruiting a Star Team)

Diomidis Spinellis , Athens University of Economics and Business

IEEE Software が学会誌のためのボランティアを獲得してきた方法を編集長のDiomidis Spinellis が説明する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030003.pdf (262KB)

洞察 (Insights)

軽量で柔軟:SATURNカンファレンスで現れてきているソフトウェアアーキテクチャーのトレンド (Lightweight and Flexible: Emerging Trends in Software Architecture from the SATURN Conferences)

Michael Keeling , IBM

その10年あまりの歴史で, 毎年開催されるSoftware Engineering Institute (SEI) Architecture Technology User Network (SATURN)カンファレンスは絶え間なく発展するソフトウェアアーキテクチャーの動向(climate)のバロメーターになってきた. 本記事は, SATURN 2014で現れたソフトウェアアーキテクチャーのトレンドを要約し, 現在のSATURN 2015のテクニカルプログラムに基づいて将来を垣間見せる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030007.pdf (536KB)

信頼できるコード (Reliable Code)

アサーティブテスティング (Assertive Testing)

Gerard J. Holzmann , NASA/JPL

標準的なソフトウェアテスティングは重大な結果を捕捉できないかもしれず, 形式手法を使うのは難しい. しかしながら, それら2つの中間地点がある. この中間地点には, 標準的なテスティングへの5ステップの追加が含まれる; テストのランダム化の採用, モデルベースのテスティング, (自己テストとも呼ばれる)表明(アサーション)のより積極的な利用である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030012-abs.html

要求 (Requirements)

ドメイン知識を採掘する (Mining Domain Knowledge)

Jane Cleland-Huang , DePaul University

基本的なデータマイニングのスキルは, 要求エンジニアリングの初期のドメイン文書を処理する際に役立ち得る. その方法を電子健康記録のドメインの例で示す.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030016-abs.html

コンピューティングについて (On Computing)

無秩序と秩序 (Anarchy and Order)

Grady Booch , IBM

コンピューティングは政府の活動を増幅するものの, 国民によるオープンで隠しだてのないコミュニケーションとともに, プライベートなコミュニケーションの仕組みも可能にすることで政府の活動を弱めもし得る. 同様に, 政府はコンピューティングが生み出すものを市民の健康と幸せに注目するようにし得るが, それを弱めることもできる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030020-abs.html

インパクト (Impact)

Web上のリンクされたデータから導かれる結論:EYE 推論器 (Drawing Conclusions from Linked Data on the Web: The EYE Reasoner)

Ruben Verborgh , Multimedia Lab
Jos De Roo , Agfa Healthcare

リンクされたデータは, データの各要素を2つのものの間の1つのリンクとして表現する. それにより, ソフトウェア推論器は人間と似た方法で結論に至ることができる. 本コラムは, EYE推論器がリンクされたデータを利用する方法と産業界がEYE推論器を採用する方法について論じる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030023-abs.html

ソフトウェア技術 (Software Technology)

モデル駆動エンジニアリングにおける協調的なリポジトリー (Collaborative Repositories in Model-Driven Engineering)

Juri Di Rocco , University of L'Aquila
Davide Di Ruscio , University of L'Aquila
Ludovico Iovino , University of L'Aquila
Alfonso Pierantonio , University of L'Aquila

近年提案されたモデルリポジトリーは, 例えば協調的なモデリング, ソフトウェアライフサイクル管理において異なるモデリングを使えるようにしたり, ツールの相互運用性, モデルの再利用の増大, 異なる種類のモデルの統合のような固有のニーズのサポートを目指している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030028-abs.html

現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)

アーキテクチャー俳句:リーンなドキュメンテーションの事例(Architecture Haiku: A Case Study in Lean Documentation)

Michael Keeling , IBM

アーキテクチャー俳句は, アーキテクチャーのもっとも大事な詳細を1枚の紙で捉えることを目指す. アーキテクチャー俳句により開発チームはアーキテクチャーに関係する最も本質的な情報に注目し, 構築に向けた明確なガイダンスを提供し, 連携を促進することができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030035-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

ソフトウェアプロジェクト管理:自分達の失敗から学ぶ (Software Project Management:Learning from Our Mistakes)

Pedro Silva , Universidad Politécnica de Madrid
Ana M. Moreno , Universidad Politécnica de Madrid
Lawrence Peters , Universidad Politécnica de Madrid

ソフトウェアプロジェクト管理のアンチパターンは, 実践者が成功を妨げるだろうプラクティスを識別し, 避けることを助け得る. 本記事は, そのようなアンチパターンを集めた一覧を提供し, それらが暗示することを論じる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030040-abs.html

システムとソフトウェアの可変性におけるトレンド(Trends in Systems and Software Variability)

ゲスト編集者によるイントロダクション (Guest Editors’ Introduction)

Jan Bosch , Chalmers University of Technology
Rafael Capilla , Rey Juan Carlos University
Rich Hilliard , consulting software systems architect

本記事は, システムとソフトウェアの可変性に関する最先端の技能とプラクティスを紹介する. 本記事では, 可変性の管理の重要性をますます高めるトレンドを説明し, 研究の課題を提案し, 本特集の記事の概観を提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030044.pdf (6112KB)

コンテキストを意識したスマートワークフローにおける実行時可変性 (Run-Time Variability for Context-Aware Smart Workflows)

Aitor Murguzur , IK4-Ikerlan
Salvador Trujillo , IK4-Ikerlan
Hong-Linh Truong , Vienna University of Technology
Schahram Dustdar , Vienna University of Technology
Óscar Ortiz , Technical University of Madrid
Goiuria Sagardui , Mondragon University

提案されたフレームワークにより, 開発者は基本モデル, (プロセスの)断片, 可変性モデルを作成し, 実行時にバインディングを先延ばしすることでプロセスの可変性をモデル化し, 管理することができるようになる. 基本モデルと断片は再利用可能であり, それにより変種を開発するモデリング労力を削減する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030052-abs.html

スマート製造ネットワークのための参照アーキテクチャーとナレッジに基づく構造 (A Reference Architecture and Knowledge-Based Structures for Smart Manufacturing Networks)

Michael P. Papazoglou , Tilburg University
Willem-Jan van den Heuvel , Tilburg University
Julien Etienne Mascolo , Fiat Research Center

研究者と実践者が, 製造時の制御を分散する, 高度に結合され, 知識を可能にする製造ネットワークのための参照アーキテクチャーを開発した. このネットワークは, プロダクトの協調的な製造を可能にし, プロダクトへの要望に対応し, 製造の柔軟性やプロダクトの可変性をさらに高めることを可能にする.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030061-abs.html

モバイルアプリ (Mobile Apps)

モバイルアプリのユーザーは何についての苦情を述べるか? (What Do Mobile App Users Complain About?)

Hammad Khalid , Shopify
Emad Shihab , Concordia University
Meiyappan Nagappan , Rochester Institute of Technology
Ahmed E. Hassan , Queen’s University

20本のiOS アプリに対するユーザーレビューの調査で, 12種類のユーザーの苦情があることが判明した. 最も頻度の高い苦情は, 機能的な不良, フィーチャーのリクエスト, アプリのクラッシュであった. それでも, プライバシーや倫理的な問題や隠れたアプリのコストについての苦情は, 評価にもっとも否定的な影響を与えた.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030070-abs.html

ビッグデータソフトウェアシステム (Big Data Software Systems)

分散, データ, 配置:ビッグデータシステムにおけるソフトウェアアーキテクチャーの収束 (Distribution, Data, Deployment: Software Architecture Convergence in Big Data Systems)

Ian Gorton , Software Engineering Institute
John Klein , Software Engineering Institute

ビッグデータシステムは, ソフトウェアアーキテクトに多くの課題を提示する. 特に, 分散されたアーキテクチャーがデータや配置アーキテクチャーに強く結合されることである. このことが懸念を強める; つまり, 品質要求を満足するためにこれら3つのアーキテクチャーを通じて設計の調和が取れていなければならないということである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030078-abs.html

ソフトウェアテスティング (Software Testing)

コミュニケーションが不可欠な大規模システムのためのテストフレームワーク (A Test Framework for Communications-Critical Large-Scale Systems)

Mohammad A. Nabulsi , Brunel University
Robert M. Hierons , Brunel University

提案されたテストフレームワークは, 往々にして産業界で効率が低く,高コストのテストをもたらす現在一般的なアプローチに対する代替を提供する. 1件の事例でその利点を説明するが, その利点は類似した他のシステムでも実現できる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030086-abs.html

テスティング要求のために欠陥分類を用いる (Using Defect Taxonomies for Testing Requirements)

Michael Felderer , University of Innsbruck
Armin Beer , Beer Test Consulting

提案された要求に基づくテスティングアプローチは, 標準的なテストプロセスに欠陥の分類をシームレスに統合し, システムテスティングの効果と効率を改善する. 研究者らは, 公共の健康保険の団体の実プロジェクトでこのアプローチを成功裏に適用した.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030094-abs.html

ソフトウェア工学 (Software Engineering)

Docker (Docker)

Charles Anderson

Software Engineering Radio のエピソード217では, ホスト役のCharles Andersonが, ソフトウェア開発者かつセキュリティー専門家であり, Dockerのサービス部門の副社長であるJames Turnbullと対話する. 軽量なDockerのコンテナーは, 急速にマイクロサービスに基づくアーキテクチャーを配置するツールになりつつある.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/03/mso2015030102.pdf (208KB)