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技術講座

IEEE Software September/October 2015 目次と要旨(日本語訳)

翻訳:オージス総研 オブジェクトの広場
2016年2月9日

本記事はIEEE Software編集部から頂いた原稿をオージス総研の有志で翻訳したものです.

SepOct2015表紙

私たちの使命: 先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

ソフトウェアアーキテクチャー (Software Architecture)

謹んでIEEE SoftwareSeptember/October 2015 (Vol. 32, No. 5) 号 の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語のデジタル版 www.qMags.com/ISW/jp を購読できます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (From the Editor)

開発者の観点からのアーキテクチャー (Architecture from a Developer’s Perspective)

Diomidis Spinellis , Athens University of Economics

編集長のDiomidis Spinellisが開発者に向けてアーキテクチャーを考慮することの重要性を論じている.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050004.pdf(187KB)

洞察 (Insights)

状況が王様である (Context Is King)

あなたのソフトウェアの動作範囲はなんでしょうか? (What’s Your Software’s Operating Range?)

Francisco Torres , GMV Aerospace and Defence

調査アンケートに対する想定外の反応から, ソフトウェアが使われる状況が極めて重要であることが分かった. 心に特に留めるべきことは, ソフトウェアの動作範囲である; つまり, ソフトウェアの最もよく動作する条件である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050009-abs.html

コンピューティングについて (On Computing)

私の自叙伝 (My Autobiography)

Grady Booch , IBM

コンピューティングの話は人類の話である. これは, 肉体と心の限界を受け入れないことに駆動される野心, 発明, 創造性, ビジョン, 貪欲, 偶然に発見する才覚の話である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050013-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

要求工学における痛みの名前を挙げる (Naming the Pain in Requirements Engineering)

ブラジルとドイツのプラクティスを比較する (Comparing Practices in Brazil and Germany)

Daniel Méndez Fernández , Technische Universität München
Stefan Wagner , University of Stuttgart
Marcos Kalinowski , Fluminense Federal University
André Schekelmann , Niederrhein University of Applied Sciences
Ahmet Tuzcu , zeb.rolfes.schierenbeck.associates
Tayana Conte , Federal University of Amazonas
Rodrigo Spinola , Federal University of Bahia
Rafael Prikladnicki , Pontifical Catholic University of Rio Grande of the South

要求エンジニアリングにおける痛みの名前を挙げる (NaPiRE) 取り組みの一部として, 研究者達がブラジルとドイツの会社が要求エンジニアリング(RE)の間に遭遇した問題を比較した. 分かった大事な点は, 国, プロジェクト種別, 企業規模によらず, REにおいて品質の高い要求を引き出し, 仕様化するために人間の相互作用が必要であるということである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050016-abs.html

現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)

アーキテクチャーの作業をアジャイルチームに揃える(Aligning Architecture Work with Agile Teams)

Eoin Woods , Endava

アジャイル開発チームとソフトウェアアーキテクトが一緒に作業をするとしばしば困難が生じる. “アジャイル宣言”と整合するプラクティスを採用することにより, ソフトウェアアーキテクトはアジャイルチームと建設的に作業を行い, プロジェクトの成功に多大な貢献をすることができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050024.pdf(174KB)

実践者の要約: カンファレンスレポート (Practitioner’s Digest: Conference Reports)

連携とコードレビュー (Collaborations and Code Reviews)

Jeffrey C. Carver , University of Alabama
Bora Caglayan , Ryerson University
Mayy Habayeb , Ryerson University
Birgit Penzenstadler , California State University, Long Beach
Aiko Yamashita , Yamashita Research

本記事は, 2015 International Conference on Software Engineeringに関係するイベントで発表された5件の論文について論じる. これらの論文は, 産学の連携や最近のコードレビューに関する話題を網羅している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050027.pdf(229KB)

特集: ソフトウェアアーキテクチャー ( Focus: Software Architecture)

5年間のソフトウェアアーキテクチャー検査 (Five Years of Software Architecture Checking)

Eclipseの事例 (A Case Study of Eclipse)

Joao Brunet , Federal University of Campina Grande
Gail C. Murphy , University of British Columbia
Dalton Serey , Federal University of Campina Grande
Jorge Figueiredo , Federal University of Campina Grande

研究者らが, 5年間のEclipseのアーキテクチャー検査レポートを分析した. 研究者らは, それらの検査が助けになると開発者が見出したルールがどのような種類のものであるということ, 意図したアーキテクチャーからどの程度コードが外れているということ, 時間経過とともに生じるアーキテクチャー違反に開発者がどのように対応しているかを調べた.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050030-abs.html

アジャイルアーキテクチャーに向けて (Toward Agile Architecture)

15年間のアーキテクチャートレードオフ分析手法データからの洞察 (Insights from 15 Years of ATAM Data)

Stephany Bellomo , Software Engineering Institute
Ian Gorton , Software Engineering Institute
Rick Kazman , Software Engineering Institute

アジャイルの実践者が最も関心を抱いている品質特性に対する洞察を得るために, 研究者らが31プロジェクトに渡る15年間のアーキテクチャートレードオフ分析手法データから利害関係者の関心事を分析した. 主要な関心事には, 変更のしやすさ, 性能, 可用性, 相互運用性, そして配置のしやすさが含まれる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050038-abs.html

モジュールの将来を射影する (Projecting a Modular Future)

Markus Voelter , independent consultant
Jos Warmer , independent consultant
Bernd Kolb , itemis

2つのイノベーションがプログラミング言語の能力を高める. モジュール性により, 別々に開発された言語の定義を変えることなく, それらを組み合わせることが可能になる. プロジェクショナルな編集により, 単なるテキストを越えた多様な記法を用いる言語を構築することが可能になる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050046-abs.html

主要記事: モバイルアプリ (Feature: Mobile Apps)

MobiGUITAR

モバイルアプリのモデルベーステスティングの自動化 (Automated Model-Based Testing of Mobile Apps)

Domenico Amalfitano , Univ. of Naples Federico II, Naples, Italy
Anna Rita Fasolino , Univ. of Naples Federico II, Naples, Italy
Porfirio Tramontana , Univ. of Naples Federico II, Naples, Italy
Bryan Dzung Ta , Univ. of Maryland, College Park, MD, USA
Atif M Memon

MobiGUITARは, GUI widgetの実行時の状態の抽象化を用いることでAndroidアプリのGUI駆動テスティングを自動化する. 抽象化は, スケール可能な状態マシンモデルであり, テストカバレージ基準を与えられることで, 自動的にテストケースを生成する1つの手段を提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050053-abs.html

主要記事: 開発手法 (Feature: Development Methodologies)

何のためにハッカソンするのか? (What Are Hackathons For?)

Marko Komssi , F-Secure
Danielle Pichlis , Aalto University
Mikko Raatikainen , Aalto University
Klas Kindstrom , F-Secure
Janne Jarvinen , F-Secure

ハッカソンにおいて, 小さなチームが短時間で動作するソフトウェアプロトタイプを作成する. ハッカソンは, 協同作業, 実験, 学習には有益であるが, それらの大事な結果を商業化するためにはさらなるメカニズムを備えていなければならない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050060-abs.html

主要記事: ソフトウェア保守 (Feature: Software Maintenance)

ソフトウェアの適応 (Software Adaptation)

分類と状態図XMLを用いた事例 (Classification and a Case Study with State Chart XML)

Franck Barbier , University of Pau
Eric Cariou , University of Pau
Olivier Le Goaer , University of Pau
Samson Pierre , University of Pau

従来のソフトウェア保守は,エネルギーを費やす長いサイクルを含んでおり, もはや満足できるものではない. 適応は, 軽量なソフトウェアの発展であり, ユーザーに対してより透明な保守を提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050068-abs.html

信頼できるコード (Reliable Code)

コード回避 (Code Evasion)

Gerard J. Holzmann , NASA/JPL

プログラムは, 時としてエラー処理の追加を通じて自らの構造や明確さを失いがちになる. 往々にして, 最終的にコードベースの半分以上が様々な種類のエラー検知や復旧に供されることになり, 基本構造を規定する正常な制御フローを覆い隠してしまう. 信頼できるコードを書くことの難しさは, さらに追加し続けるのではなく, 簡潔にし, 一般化することでアプリケーションからコードを取り除く方法を探すことにある.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050077.pdf(726KB)

インパクト (Impact)

オープンであることのインパクトについて (On the Impact of Being Open)

Robert Schuwer , Fontys University of Applied Sciences
Michiel van Genuchten , VitalHealth
Les Hatton , Kingston University

オープンになることについては, オープンソースソフトウェア, オープンイノベーション, オープンリサーチ, オープンエデュケーションのような話題において, 多くの議論がある. 世界全体がオープンになるのだろうか, オープンになるならば, 過去にクローズされていたものすべてはなんだったのだろうか? 著者らは, 自らもその一部だったオープンムーブメントの間の類似性と相違点を分析し, ソフトウェアの将来に対する予想を示す.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050081.pdf(452KB)

ソフトウェア技術 (Software Technology)

機能的な安全性を実装する (Implementing Functional Safety)

Christof Ebert , Vector Consulting Services

ソフトウェア関連の企業にとって安全なプロダクトを提供し, 不意に起こるプロダクトに対する責任のリスクに対応するには, 技術とプロセスを大きく改善しなければならない. 本コラムでは, 安全標準に準拠するようにプロダクト開発を適合させる産業界の経験を示す.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050084.pdf(1738KB)

要求 (Requirements)

持続可能性と要求: ある宣言 (Sustainability and Requirements: A Manifesto)

Birgit Penzenstadler , California State University, Long Beach

“持続可能な設計に対するカールスクルーナ宣言”は, 持続可能性への挑戦とそれのソフトウェア工学との関係についての議論と行動を要請するものである. 本宣言は, ソフトウェアと持続可能性について研究と実践のグローバルなコミュニティーに対する共通の立脚点を作り, 評価基準を開発することを目指している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050090.pdf(1570KB)

ソフトウェア工学 (Software Engineering)

開発者にとってのソフトウェアアーキテクチャー(Software Architecture for Developers)

Sven Johann , Trifork Amsterdam

Software Engineering Radioのエピソード228において, Sven JohannとSimon Brownがソフトウェアアーキテクチャーを作成し, 話し合うために手書きの図を使うことについて論じる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/05/mso2015050093.pdf(295KB)