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アジャイル

DtoDに基づくアジャイル要求入門

オージス総研 技術部 アジャイル開発センター
藤井 拓

「Discover to Deliver (DtoD)」は、ファシリテーションと要求/分析の分野で長年に渡り活躍してきた米国EBG Consulting社のエレン・ゴッテスディーナーさんとメアリー・ゴーマンさんが考案したフレームワークであり、従来開発の要求定義や分析作業を以下のように変えてアジャイル開発とうまく組み合わせられるものに発展させるものです。

ワークショップの活用:専門家単独で行うのではなく、顧客、業務、技術という異なる視点の人々が参加するワークショップを開催して、迅速にニーズをより多面的に理解し、表現し、開発内容を検討し、合意を形成する。
多様なモデルの活用:ワークショップで、ニーズや開発内容を軽量でとっつきやすい様々なモデル(短文記述や図等)により多面的に表現し、理解する。これらは、「プロダクトの7側面」という形でまとめられる。
分析者の役割の変更:分析者がワークショップのファシリテーターやモデラーの役割を担うことで、プロダクトオーナーの役割を分担する。

ここでプロダクトと言っているのは、開発の結果として作成されるものであり、一般消費者が使うソフトウェアやハードウェア製品やクラウドサービスだけではなく、業務システムのように特定の企業の業務を支援するシステムも含みます。

本記事では、DtoDの概要を3回に渡って説明します。

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DtoD

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アジャイル要求の考案と検討、素早い合意を形成するための「DtoD(Discover to Deliver)」

「Discover to Deliver (DtoD)」は3つの時間軸とプロダクトの7側面の観点を用いてプロダクトに対するニーズとその実現スケジュールを利害関係者で話し合い、合意するためのフレームワークです。