オブジェクトの広場は株式会社オージス総研グループのエンジニアによる技術発表サイトです

UX, ユーザーエクスペリエンス

dyson の DESIGN ICON

株式会社オージス総研
技術部 仙波真二
2014年10月9日

CitroenDS19

先日、ダイソン社の James Dyson 氏 がTV番組に出演していました。その中で UK本社 に配置している「DESIGN ICON」が個人的に印象に残りました。James Dyson 氏 が「吸引力が悪くなった掃除機に腹を立てているシーン」や「掃除機をスケルトンにするシーン」など、番組も面白かったのですが、番組終了後に調べた「DESIGN ICON」はそれ以上に面白く、奥が深いものでした。ちなみに「DESIGN ICON」の「DESIGN」とは、見た目ではなく「モノが動く仕組み」のことで、「ICON」とは PC や スマホ の画面で見るアイコンではなく「傑作」という意味合いです。

番組の中では「ハリアー戦闘機」や「AUSTIN Mini」が「DESIGN ICON」として紹介されていました。「ハリアー戦闘機」については「垂直離着陸が可能(滑走路不要)でデザインも完璧、エンジニアが毎日インスピレーションを得ている」と紹介されていました。また「狭い車内空間を有効利用している見本」として「AUSTIN Mini」のカットモデルが置かれていました。

ここしばらく「デザイン思考」関連の業務にどっぷりつかっていたので、インスピレーションを得るきっかけを身近なところに置いておく、ということについて「なるほど、理にかなっているなー」と感じていましたが、なんとなく自分の中で もやもやしたもの がありました。そこで、自分なりにいろいろ考えてみることにしました。

コンコルド

まず「DESIGN ICON」って何だろう?

調べると inside dyson と、 Contemporary DESIGN ICONS selected by James Dyson (PDF) を見つけました。個人的には、後者の方が自分が探しているものにドンピシャでした。これを見ると「DESIGN ICON」とは、ダイソン社 の「Design Principle」に該当するものであり「Design」とは「見た目ではなくモノが動く仕組み」であり、それを「従来のテクノロジーにとらわれない方法で、どのように実現するか?」ということが James Dyson 氏 の最大の関心事なのではないかと感じました。「DESIGN ICON」に登場する「コンコルド」「ホバークラフト」「シトロエンDS」などをみればその理由を垣間見ることができます。

次に、なぜ「DESIGN ICON」なんだろう?

調べると 新しいアイデア を見つけました。

以下、抜粋です。

「ジェームズ ダイソンは近くにあった製材所からヒントを得て、暗闇の中、木材置き場に設置されている巨大なサイクロン遠心分離機をスケッチに描きました。空気の流れからおがくずを分離し、集塵室に集められる様子を見て、この原理を応用させることで掃除機の紙パックの目詰まりを解決できないかと気づいたのです。」

James Dyson 氏 自身も、身近なプロダクト(動く仕組み)からヒントを得て、新しいアイデアを思いついたというエピソード。これが最初の「DESIGN ICON」ではないかと想像しています。「DESIGN ICON」には、インスピレーションの種、従来とは違うアイデア、こんなもんを作りたいという思いとリスペクトが凝縮されている気がします。例えば「コンコルドは尾翼を必要としない飛行機」「ホバークラフトは水面に接することなく、水面上をホバリングさせることにより高速に移動できる船」「シトロエンDSはそれまでの自動車業界の常識を覆すほど、非常に技術的に進んだ車」など、従来とは違う仕組みで動作するという共通点があります。見えない部分のデザインにフォーカスしていますが、どのプロダクトも、見た目のデザインが超クールなのは言うまでもありません。

最後に、ユーザーの価値にフォーカスしたいと思います。掃除機を例にすると、使い続けているうちに直面する課題(吸引力が弱くなる)や、自分が出したゴミを見たいという心理や要求などを意識して、それを解決するプロダクトを作っている点から、UXを意識していることが伺えます。会社もプロダクトも魅力的なダイソン社ですが、みなさんはどのような印象をお持ちでしょうか? 私は 次にどんなものをつくるんだろう という「ワクワク感」をもたらしてくれることや「とんがり具合」が好きだったりします。