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技術要求事項の概要

by Scott W. Ambler, Copyright 2003

技術要求事項とは、システムが満たさなければならない技術的側面に関する要求事項で、パフォーマンスや信頼性、可用性に関する問題が含まれます。この種の要求事項は、サービスレベルの要求事項や非機能要求事項(この名前は「機能しない要求事項」のように聞こえるので私は好きではありません)と呼ばれることもよくあります。技術要求事項の例を図1に挙げます。これを見ると分かるように、技術要求事項はビジネスルールと同じような形にまとめられ、名前と一意の識別番号が付いています(私は「TR#」という形式の番号を使っていますが、このTRはtechnical requirementのTRです)。技術要求事項の書き方はビジネスルールと同じで、概要、例、情報源、関連する技術要求事項の参照、改訂履歴などを記述します。

図1. 技術要求事項(要約形式)

  • TR34 システムは24時間のうち99.99%は利用可能でなければならない
  • TR78 ゼミ検索は、100回のうち95回は3秒以内に完了する。
  • TR79 ゼミ検索は、100回のうち99回は10秒もかからない。

純粋に技術的な要求事項の数は極力少なくするべきだというのが私の信念です。技術の変化は速く、技術にもとづく要求も同じようにすぐに変わってしまいます。純粋に技術的な要求事項とは、「アプリケーションをJavaで記述する」や「XYZコンピュータ上で稼動する」といった要求のことです。純粋に技術だけにもとづいた要求事項があるときには、本当のビジネス上のニーズがそこに隠されているのではないかと考えてください。そのためには、なぜアプリケーションが要求事項を満たさなければならないかを常に考えます。たとえば、なぜアプリケーションをJavaで書かなければならないのかを考えると、インターネット上で動かなければならないからだという答えが出ます。なぜインターネット上で動かなければならないかを考えると、組織がその製品やサービスの注文をインターネットで取ろうとしているからだという答えが出ます。真の要求は、顧客に都合よくものを売ることであり、そのニーズに対する技術的解決策の1つ(それも優れた解決策)が、インターネット経由でアクセス可能なJavaでコンポーネントを書くことなのです。アプリケーション全体をJavaで書かなければならないことと、製品やサービスをインターネット経由で消費者に販売できるようにしなければならないこととの間には、大きな違いがあります。

技術要求事項の多くは、事実上制約事項と考えることができ、制約事項は実際に技術的な問題にもビジネス的な問題にも適用することができます。

 

 

注: この成果物の説明は『The Object Primer 3rd Edition: Agile Modeling Driven Development with UML 2』より抜粋しました。本ではより詳しく説明しています。


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