IFRSコミュニティ ワークショップ
第3回IFRSコミュニティワークショップ誌上公開(一部)
ビジネスイノベーションセンター

 お客様を招待して、セミナーおよびワークショップを行いました。ワークショップの内容の一部を公開致します。
 講師の石島隆先生(法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)と共に、収益認識について議論を行いました。

 ある参加者の会社では、ネット販売をしているというお話がありました。

石島先生:ネット販売や通信販売についても契約を解除することが出来る制度(クーリングオフ制度)を定めていることがあります。クーリングオフ期限まで待って計上する方法と、返品権として取り扱って返品確率を使って収益を見積る方法が考えられますが、お客様への資産の移転の時期をどう考えるか、いずれがその企業の営業の実態を表すことになるのかが問題になります。

検収基準に変更しなければならないかについて。

石島先生:従来、日本の企業では、出荷基準で収益を計上していた会社が多いようです。それに対して、全て検収基準にしなければいけないというような解説をしているコンサルタントの先生もおられたりするのですが、必ずしもそうではないと思います。取引の実態に合わせて選択すればよい訳です。
 着荷予定日に売上を計上している場合、通常は予定日どおりに届きますが、特定の地域や例外的なケースでは、実際にエビデンスを見ると予定日と実際の着荷日の間にズレがあり、監査法人から指摘されるケースもあるようです。
 だからといって全てを物品受領書から入力するとなると、非常に手数もかかるので、このような場合には、サンプリング調査を行うなどして、例外的なものはごく僅かで、基本的には予定日に届いていることを示さなければならないでしょう。
 また、先ほどの通信販売の例の場合、お客様が長期不在で受け取ってもらえないこともあると思いますが、このようなケースは重要性が乏しいと思いますので、実情を調べてみることが必要ですね。

月末日の出荷をやめてしまうということも。

石島先生:極端なケースでは、月末日の出荷をやめた会社もあるそうです。出荷基準を着荷基準に変えるには手数がかかりますし、卸会社のシステムとの関係もあり、月末日は出荷しないことにしてしまったということです。月末前日に出荷したものは、月末日までに必ず相手先に届いているはずと割り切った結果の処理です。

代理人としての取引について。
 連結会社間で製造会社と販売会社の間の取引があり、商品は製造会社から直接お客様のところに届けています。このような場合、どのような会計処理をすれよいかという疑問が出席者から出されました。

石島先生:どうせ連結会社間取引高の消去で消えるから、販売会社の会計処理は変えなくてもいいという考え方もあるでしょう。一方で、各子会社の単独決算もIFRSにしたがってやるべきだという考え方に立てば、IFRSで総額の売上が上げられないような取引は、純額で手数料部分を売上に上げるべきだということになると思います。
 連結決算で消えてしまう取引を、管理上どう考えるかだと思います。そのような手数料商売的なものも、子会社の業績と考えるのかどうかですね。

これ以外にも広く、深く、議論は行われました。

第3回セミナー&ワークショップ開催概要

開催日:

12月10日(金)
場所:
オージス総研田町オフィス 8F Alabama&Georgia
講師:
法政大学大学院
イノベーション・マネジメント研究科教授
石島 隆先生
内容:
? 15:00〜15:05
ご挨拶
? 15:05〜16:05
第一部 セミナー 「収益認識基準・公開草案の概要」
? 16:15〜17:30
第二部 ワークショップ 「セミナー内容を中心とした質問やディスカッション」
? 17:45〜
第三部 懇親会

第3回目概要 収益認識基準・公開草案の概要

 国際会計基準の導入(アドプション)において、収益認識の会計基準は、ほとんどの企業の会計処理と開示に少なからぬ影響を与えるものと考えられます。
 国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は、MOU(覚書)プロジェクトの一つとして、収益認識の会計基準の検討を行っておりましたが、去る6月24日に「顧客との契約から生じる収益」の公開草案を公表し、来年6月までの基準化を目指しています。
 今回は、この公開草案の考え方と重要論点を整理し、設例を中心にして具体的に解説するとともに、諸団体から出されたコメントにも言及します。


石島 隆先生 プロファイル

1979年公認会計士第2次試験合格。
1983年公認会計士登録。
1986年度システム監査技術者試験合格。
2001年ITコーディネータ登録。
1979年〜監査法人サンワ東京丸の内事務所(その後合併して現監査法人トーマツ)にて財務諸表監査,財務調査,システム導入コンサルティングに従事。
1986年〜株式会社オービックビジネスコンサルタントにて,システム監査技術者の受験教育に従事。
1988年〜センチュリー監査法人・監査法人太田昭和センチュリー・新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)にて大手上場企業等の財務諸表監査,システム監査,システム導入コンサルティングに従事,1998年代表社員就任(2003年退任)。
2003年〜大阪成蹊大学現代経営情報学部助教授。
2006年法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科客員教授、2007年同教授就任現在に至る。この間、日本公認会計士協会情報システム委員会(現IT委員会)委員・専門研究員、経済産業省企業のIT統制に関する調査検討委員会作業部会委員等を歴任。

石島 隆先生


今後の開催予定 タイトル(内容および時期は変更する場合があります。)
第4回2011年2月
グループ経営管理(連結会計)


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