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「業務改善プロジェクトの進め方(その2)」
株式会社オージス総研

2016年12月号
  • 「業務改善プロジェクトの進め方(その2)」
株式会社オージス総研   宇野 泰三

前回、『業務改善プロジェクトの進め方』と題して、発注者とITベンダーが一体となって進めていくべき業務改善プロジェクトをRFPの目次構成を見ることで俯瞰し、どの局面でどのようなことを検討しなければならないのかのイメージを掴むことを試みた。
今回はもう少し踏み込んで、より具体的な進め方を見ていきたい。

・問題解決プロセス

さて、冒頭から身も蓋もないことを言うと、「こうやればうまくいく」という業務改善の絶対的な進め方は無い。目的や扱う問題の特性、状況などに応じて対処していく必要があるし、そもそもプロジェクトとはそういうものだ。
そのような中で、業務改善プロジェクトを進めるにあたって最低限理解しておかなくてはならないことは何かと尋ねられれば、問題解決プロセスである、と答えるようにしている。問題解決プロセスとは、「問題を解決するための手順」のことで、(1)問題認識、(2)課題設定、(3)解決策検討、(4)実施、(5)評価といったステップを踏む。他にも、4ステップや6ステップで表現されること(流派?)もあり、必ずしも5ステップに拘る必要はない。古典としてはG.ポリアの名著があるし、いろいろ調べてみると面白いだろう。
こういった問題解決プロセスは、仕事に限らず普段の日常生活で誰しもが(意識する、しないに関わらず)問題解決や意思決定などに用いているはずで、皆が納得できるものだと思う。実は、このことはとても重要で、プロジェクトが迷走しないようにするためにも、誰もが理解できるフレームをベースにプロジェクトを組み立て、現在位置を確認しながら進めていくことが肝要だ。

・業務改善プロジェクトの実際

次に、問題解決プロセスを骨格に据え業務改善プロジェクトとしてどのように肉付けすればよいのか見てみよう。肉付けを説明しようとなるとコンテキストに依存せざるを得ないが、できるだけ一般論として説明したい。

業務改善プロジェクトと一口にいっても内容は様々である。ある精密機器製造業では、自社製造するコア部品の歩留改善を目的として、製造装置の状態と不良品との相関を調べて不具合原因を特定しようという取り組みに関わった。別の事例では、IT化プロジェクトの大失敗を機に、IT導入ありきではない全社的に業務を改善していこうという取り組みでプロジェクトの立ち上げから携わった。このように、具体的なテーマが選定されテーマに即した問題解決プロセスを推進していく場合もあれば、そもそものテーマ選定から開始する場合もある。ここでは、個別の問題解決の方法ではなくプロジェクトの進め方を把握する意味で、「大は小を兼ねる」後者のプロジェクトを例として取り上げる。余談だが、先の2つのプロジェクトはどちらが難しい、易しいというものではない。それぞれに問題の所在が異なり、前者は真因把握に困難を極めるし、後者は多数から成る利害関係者の合意形成に骨が折れる。

業務改善プロジェクトの進め方を図示すると以下のようになる。全社的な業務改善プロジェクトの推進をイメージし、プロジェクトの切り出しを「業務改善企画室」、実行を「業務改善プロジェクト」がそれぞれ担うものとしている。問題解決プロセスは、全社レベルのものと、プロジェクト個別のものと2重構成になっていることを示している。

業務改善プロジェクトの進め方
図1. 業務改善プロジェクトの進め方

それぞれの説明と、ポイントは以下のとおり。
1-1.現状把握
現状がどのようになっているかを把握し、問題を認識する。詳細ではなく俯瞰での把握とする(仮説設定)。業務改善企画室が中心となり経営層や部門に対しヒアリングを実施する。
1-2 テーマ設定
抽出した問題から改善テーマとして取り組んでいくものを選定し、目指す姿を設定、関係者間で合意形成する。改善テーマは経営戦略と紐づけることによって、投資を合理的に説明することが求められる。
1-3 方向性設定
実行優先順の高いテーマに対して、目指す姿を実現するための解決の方向性を決定する。プロジェクトの企画立案に相当。
1-4 モニタリグ&コントロール
業務改善プロジェクトの状況をタイムリーに把握し、状況に即した対応を実行する。
2-1 業務改善プロジェクトの推進
実行主体を編成し、業務改善プロジェクトを推進する。

・まとめ

本稿では、問題解決プロセスを骨格として業務改善プロジェクトの進め方を示した。実際に業務改善プロジェクトを担うのであれば、今回の説明だけでは心もとないことと思う。別の機会に補足説明したい。

*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。

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