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「AIなどを通じて経験したGlobal Business」
株式会社オージス総研

2017年12月号
  • 「AIなどを通じて経験したGlobal Business」
株式会社オージス総研   乾 昌弘

1.はじめに

(1)まず、「基本姿勢」を述べた後、人工知能及び統計解析などの技術開発を通じて米国の企業や研究機関と関係してきたので、その概要を述べます。
(2)次に米国の社会動向について要約します。
(3)最後に、個人的に経験したトピックスを列挙します。

2. Global Business に対する基本姿勢

2-1.基本的な考え

私は「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉が好きです。これは、私が子供の頃、竹村健一氏がテレビでよく言っていたが、もとはビスマルクの言葉のようです。
Fools say they learn from experience; I prefer to learn from the experience of others.

2-2.外国人との付き合い方で、何を歴史から学べるのでしょうか?

例えば、明治時代:
(1)鹿鳴館時代は、どのような結果をもたらしたでしょうか?
  西欧諸国の外交官もうわべでは連夜の舞踏会を楽しみながら、その書面や日記などではこうした日本人を「滑稽」funny?などと記して嘲笑していた。
(2)大津事件の判決は、どのような結果をもたらしたでしょうか?
  ロシアから賠償要求も武力報復も行われなかった。海外でも大きく報じられ、国際的に日本の司法権に対する信頼を高めた。このことは日本が近代法を運用する主権国家として、当時進行中であった不平等条約改正へのはずみとなった。(参考:Wikipedia)

2-3.結論

外国人と仲良くするのもよいが、ビジネスや交渉ごとに関しては、毅然とした態度をとることが重要。日本では「出る杭は打たれる」と言われますが、Global的には「出ない杭は存在価値なし」になります。

大津事件の経緯
図1.大津事件の経緯

3. 付き合いのあった米国の組織

3-1.第2次AIブームの時代

(1)Battelle Memorial Inst.(Ohio州Columbus)
コピー機を開発したことでも知られている有名な研究機関。
(2)Vanderbilt University(Tennessee州Nashville)
ニューヨークの大富豪Vanderbiltが寄付したが、一度も見に来なかったと言われている。1980年当時はTop20に入る大学。
[以上に関係するプロジェクトの内容は以下を参照]
「非破壊検査エキスパートシステム、電力系統操作訓練システム」

3-2.音声認識、画像認識

(1)教材販売会社(California州Foster City)
「音声認識を利用した英会話教育システム」の教材を検討するため、交渉をおこなった。
(2)Speech Systems Corporation(Colorado州Boulder)
1980年代の後半から1990年代にかけて先進的な音声認識装置でビジネスを展開。オージス総研が日本語化。その後、経営終了。
(3)Carnegie Mellon University(Pennsylvania州Pittsburgh)
もともと音声認識の研究開発で有名であったが、金出武雄教授が画像認識、知能ロボットで先駆者的な研究開発をして知名度を上げた。
[以上に関係するプロジェクトの内容は以下を参照]
「音声認識装置(英語、日本語)、音声認識を利用した英会話教育システム、音声認識、画像認識を応用したビデオ要約システム」
(4)K2T(Pennsylvania州Pittsburgh)
金出教授を含むCMUの3人の教授が出資して、そのイニシャルが会社名になった。オージス総研との共同でIPAからの委託で「ビデオ映像からの3次元モデリングシステム」を開発した(参考文献1)その後、会社名変更。

3-3.ビッグデータ、データ解析

(1)Revolution Analytics(Washington州Seattle)
統計解析プログラミング言語のOSSであるRのエンタープライズ版を販売。オージス総研は販売代理店になっている。その後、Microsoftが買収。

扱った技術の流れ
図2.扱った技術の流れ

4.米国の社会動向

最近、アメリカ人から聴いた米国の社会動向の概要などを述べます。日本も似た状況になっているのではないでしょうか?

4-1.概要

(1)Baby boomersが退職し始めて、老人の割合が増えている。従って、Healthcare works に対するニーズが増えている。
(2)以前ほどドライブしなくなって来ている。
(3)20世紀初めのように、一部のアメリカ人が米国の富を独占している。
(4)未だに人々が西部に移る傾向が続いている。(東京への人口集中と同じか、違うのか?)
(5)製品を生産している人が少ない。多くの人々がservice-based-economyに移っている。
(6)宗教を信じない人が徐々に増加(以下参照)

4-2.宗教を信じない人が徐々に増加

(1)今から30年以上前になりますが、アメリカに住んでいた頃、日曜日の午前中、英語を勉強するために教会に通っていました。[教会は下記を参照]
Brook Hollow Baptist Church
(2)その頃、教会に通う人は減ったとはいえ、住民の半分が通っていました。日曜日の午前中、店はすべて休みでした。
(3)日本のように町内会がないため、教会が人事交流の中心になっており、さまざま行事が開催されていました。そういう目的で来ている人も多いので、必ずしも熱心な信者ばかりでなかったと思います。
(4)現在は、さらに教会に通う人が減少しているようです。

教会でのスピーチ
写真1.教会でのスピーチ

5.米国での興味深い経験

5-1.Driving Schoolにて

(1)最初(30年以上前)に米国へ行った時、米国の免許を取得した方がよいということになり、ペーパードライバーであった私は、自動車学校で練習することにしました。
(2)"Easy Method"という学校に入ると、家に迎えに来てくれて、そのままいきなり路上で教習を受けました。左右両方にハンドル(steering wheel)、ブレーキ、アクセルがあり、私は左に教官は右に座りました。
(3)Southern Accentでいろいろと指令を出すのですが、英語がよくわからない、知らない町を走る、左右反対、標識も英語ということで、気が狂いそうになりました。そして、ついに「どこがEasy Methodだ!」と心の中で叫びました。
ああ、しんどかった。

5-2.主張しないと損

(1)その後、自動車保険に加入(buy an automobile insurance policy)して2年目になっても、保険料が変わらなかったので、試しに「保険料は安くならないのか?」と問い合わせをしました。
(2)「無事故だから安くしてあげる。」と言って、大幅に安くなりました。米国は主張しないで待っていると、非常に損であるとその時気付きました。

5-3.鰻(eel)は食べないが

(1)米国人は特に南部地方でナマズ(catfish)を食べる習慣があります。私は食べなかったのですが、知り合いの(日本人)夫婦が「せっかく米国に住んでいるから食べに行こう」ということで食べに行ったそうです。
(2)壁に"All you can eat."と書いてあったので、おかしいと思いながらも丸ごと(骨まで)一匹食べたそうです。正しい訳は「食べ放題」。身を持って英語を覚えたようです。御用心

5-4.素数ゼミ

(1)米国の家の庭では日本と違って、リスが遊び男女が水着で日光浴しているのが普通の光景である。ところが数年に1回、セミ(cicada)が大量発生する。
(2)木の幹にびっしり停まっていて、リス(squirrel)も木に登ろうか、躊躇しているぐらいである。このセミを素数ゼミというらしい。素数を教えるゼミナールではない。13年、17年に一回、大量発生するからである。他の生き物と周期が異なるため、競合が起こりにくかったという説もある。
(3)リスが走り回ったり男女の水着姿は微笑ましい光景であるが、セミの大量発生には困ったものである。

話題にした生き物
図3.話題にした生き物

5-5.躾(discipline)が厳しい?

(1)音声認識装置を扱っていた時のこと。ある時、契約関係の交渉に行って合意したので、president, vice-presidentと3人で夕食をしました。その後、vice-presidentが家に誘ってくれました。
(2)米国でもかなり大きな家で、町を見渡せる丘にありました。高校生の2人の娘さんがいるのですが、ノックもせずに娘の部屋のドアを開けたので驚きました。姉の部屋は外出して居ませんでした、妹はベッドに座って本を読んでいました。
(3)日本人であればノックをしてから入ると思います。米国は厳しい!

5-6.日本に比べてずさん

(1)以前、米国出張でシリコンバレーにあるホテルに泊まった時のことです。多分、早く着いて午後3時か4時頃だったと思います。
(2)チェックインしてカードキーを受け取り、部屋のドアを開けたところ、、、、
女性の服がずらりとならんで掛かっていました。
(3)驚いて受付の人を連れてきたら、その人もエラク驚いていました。多分、女性は外出していたのでしょう。事なきを得ましたが、もし室内に居たらと思うとゾッとしました。もちろん、違うカードキーを受け取りました。

5-7.仕事の分担が明確

(1)以前米国に滞在している時に若い女性と話をする機会があった。「ある時、電話番の募集があったので、応募することにした。しかし一度も電話が掛かってこなかった」そうである。
(2)アメリカでは、暇でも絶対、読書とか違うことをしてはいけないルールになっている。非常にboringだったそうである。本当に気の毒

「参考文献」

1. 乾、平島「ビデオ映像からの3次元モデリングシステムの研究開発」IPA創造的ソフトウェア育成事業最終成果報告会1998
2. 乾昌弘「Global Businessについて」社内資料(2015年)

*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。

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