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「今度こそ、"データ利活用による継続的業務改善"を実践しよう!(4)」
株式会社オージス総研

2012年03月号
  • 「今度こそ、"データ利活用による継続的業務改善"を実践しよう!(4)」
株式会社オージス総研   藤本 正樹

 前回は、「データ利活用における現状(As-Is)と将来像(To-Be)の設定方法」についてご紹介しました。今回は、
 (1)将来像(To-Be)に至るまでの"実現可能なステップ(Can-Be)"を明確にする。
 (2)移行計画(ロードマップ)を策定する。
 (3)実行計画を作成する。
の手順、留意点についてご紹介します。
 なお、前回に引き続き、国内展開している製造業を例にしたモデル企業に沿ってご紹介していきます(モデル企業情報の概要を下記に掲載します)。

モデル企業の概要
図1 モデル企業の概要

(1)将来像(To-Be)に至るまでの"実現可能なステップ(Can-Be)"を明確にする。

 現状(As-Is)と将来像(To-Be)を決めることが出来たら「その将来像に向かって一直線に進む」となれば良いのですが、現実には様々な制約(要員、予算、リテラシ、等)が存在します。
 このように一足飛びに進めない場合には、実現可能なステップ(Can-Be)を段階的に立てることが必要となります。

将来像と実現可能なステップを用いたロードマップ策定のイメージ
図2 将来像と実現可能なステップを用いたロードマップ策定のイメージ

 さて、モデル企業についてはどうなるでしょうか。
 中期計画として3ヵ年の計画が発表されている(この内容をまとめたものが、前述の戦略マップである)という前提ですから、将来像への到達は3年後とします。
 また、現状(As-Is)のポジションから、データマイニングなどの高度なデータ利活用をする組織文化、人材は少ないということになりますので、方向性としては「まずは各部門内でデータ利活用の実績を作り、レベルを上げる。その後で部門をまたがった利用に発展させる」となるでしょう。それを3ヵ年での計画に落とし込むと、
 1年目:現状分析などのレベルでのデータ利活用を各部門内で実施できるようになる
 2年目:各部門において必要な将来予測などのデータマイニングが実施できるようになる
 3年目:部門をまたいで(全社的に)データ利活用が出来るようになる
というCan-Be設定になります。

 

モデル企業の実現可能なステップ(段階目標)
図3 モデル企業の実現可能なステップ(段階目標)

(2)移行計画(ロードマップ)を策定する。

 次に各ステップに到達するまでに実施すべきことを抽出します。例えば、

  • BI展開レベル「限定的」→「戦略的」:マスタデータ管理を導入する。。
  • BI利活用ステージ「現状分析」→「将来予測」:時系列予測期間に対して十分な期間のデータを準備(蓄積)する。

などが挙げられます。
 このように各ステップに到達するために実施する事項について、

  • 施策テーマ
  • 概要説明
  • 優先度
  • 実施項目
  • 担当部署(実施施策に関係する部署・役職の役割)
  • 予定実施期間

などの項目を押さえながら、整理していきます。

モデル企業のロードマップ
図4 モデル企業のロードマップ

(3)実行計画を作成する。

 ロードマップを作成したら、次にロードマップを年度内の優先度を考慮して、実行計画を策定します。より詳細なWBS(Work Breakdown Structure)に展開し、直近(例:1年間)の現実的なスケジュールを引いていきます。
 ここでは、実施企業毎のプロジェクトマネジメント方針に従って、スケジュールを作成していきます。

モデル企業の実行計画(本年度)
図5 モデル企業の実行計画(本年度)

 以上のように、データ利活用を実施する目的から実際の実行計画まで落とし込んでいくことにより、データ利活用環境を効果的に実現することが可能となります。
 この後は、目的に沿った計画に基づき施策を実施し、計画時に作成した目標(KPIなど)を達成しているかどうかをモニタリングし、また結果を計画に戻すというマネジメントサイクルをまわすことによって、継続的な業務改善を実施していきます。

 さて、4回にわたってデータ利活用の継続的改善のための計画立案についてご紹介して来ました。本稿でご紹介した内容は基本的なフレームワークであり、実際には各企業の状況に合わせてアレンジすることが必要です。皆様には、データ利活用に限らず、何事についても「目的を明確にして、その目的を達成するための身の丈にあった計画を立てて実行する」ということの重要性を改めてご理解いただき、今後の業務におけるご参考としていただければ幸いです。

本記事に掲載している図の一部のPDF版を、こちらからダウンロードすることができます。

*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。

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