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「『クラウドファンディング』に関する考察」
株式会社オージス総研

2012年12月号
  • 「『クラウドファンディング』に関する考察」
株式会社オージス総研   依藤 裕俊

1.クラウドファンディングとは?

 『クラウドファンディング』とは、「群衆 (Crowd)」+ファンディング「資金調達(funding)」の造語で、ある企画を持った人や団体に対する資金を、ネットを通じて多数の支援者から収集する手法をさしています(雲のCloudではなく、群衆のCrowdです)。大きくは下記の3タイプに分けられますが、数年前から1)や2)は日本でも随時活用されてきています。
1)「寄付型」 : リターンを一切求めないタイプ(提供者に見返りなし)
2)「購入型」 : 金銭以外のリターンがあるタイプ(作品やイベント招待など)
3)「投資型」 : 金銭的リターンを想定するタイプ(事業が成功すれば、お金としてリターンがある)

2.クラウドファンディングの現状について

 現状日本では、オールジャンルの「READYFOR?」、「CAMPFIRE」、社会貢献や個人の目標支援の多い「WESYM」、アート系の多い「motion gallery」などが、1)「寄付型」2)「購入型」の形態でメジャーになっています。
「READYFOR?」(https://readyfor.jp/
「CAMPFIRE」(http://camp-fire.jp/)
「WESYM」(http://wesym.com/)
「motion gallery」(http://motion-gallery.net/)

 ランキングもあります。(http://socialzukan.com/web/index.php?cmd=type&cat=crowdfunding

 たとえば、「READYFOR?」(https://readyfor.jp/)のHPをのぞいてみれば途上国支援の真面目そうなプロジェクトから、個人の一発芸っぽい色モノまで多種彩々の、色々なプロジェクトがひしめいています。見ていて楽しくて1000円~3000円位なら・・・と思わせるもの沢山あります。

  海外に目をむけると、1000万ドル超の資金を集めることに成功したプロジェクトを出した「Kickstarter」などパワフルなクラウドファンディングが目白押しです。
「Kickstarter」(http://www.kickstarter.com/projects/597507018/pebble-e-paper-watch-for-iphone-and-android?ref=live)

 特に欧米では3)投資型に関して、法の整備も進みつつあり(米では2013年度にも、株式を提供する「出資型」も解禁される見込み)、本格的な資金調達の一手法として、 ベンチャーキャピタル(VC)や金融機関などを補完する役割を担う方向へ向かっています。

 現状の課題としては、盗用や詐欺といった不正行為への対策が十分でないこと、クラウドファンディングとしての存在感や知名度を高めていくプロモーション力が弱い事などがあげられると思います。

3.クラウドファンディングの今後の可能性について

 人、モノ、カネの内、“人”についてはLinkedInやFacebook、モノについてはヤフオクやeBay、楽天等の出現で誰もが参入できるコミニュケーションのしくみが、ここ数年で超スピードで整備されてきています。“カネ”については、クラウドファンディングが、(お金の面での)コミニュケーションを飛躍的にスムースにし、お金にしばられている各種企画・PJの自由度をたかめ、沢山のコミュニケーションをはかる画期的なしくみ・概念だと思います。
 例えば、色々な種類のお金が混ざることによって(利益を追求する株式会社型の投資系のお金、夢や想いに投資する”息の長い”お金、・・・・等)、旬のお金と旬の人・モノのマッチングの可能性はとても高まると思います。

 また、FaceBookやヤフオクと結びついて、それぞれの評価や経歴をクラウドファンディングでの信用力に読み替えていくようなアルゴリズムが生まれたり、楽天やeBayでの売上と連動して、出資者への配当やオプションが決定されるしくみの生成とか、色々な組合せの妙の中から、ますますアジャイルで広がりあるプロジェクトが育ってくる気がします。

4.むすび

 クラウドファンディングが本格的な資金調達手法として育ち、色々な人(小口~大口、善意の寄付者~シビアな投資家)を色々取り混ぜて、調達する側の人がイニシャティブをとって、プロジェクトの進行とお金の調達のバランスをとりながらPMできるようになれば、お金の制約で挫折するPJはぐっと減ると思います。又お金の動きを見ながらPJ進行のスピード調節をすることで、色々打つ手も増える等、色々な企画やPJが実現する可能性はかなり高まると思います。今後の自律的な発展をウオッチしつつ、どこかでPLAYERとして楽しんでみたいなぁと考えています。

*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。

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