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「製品にサービスを付加する-サービスデザイン実践-その2」
株式会社オージス総研

2014年03月号
  • 「製品にサービスを付加する-サービスデザイン実践-その2」
株式会社オージス総研   宗平 順己

 前回はDICOVERまででしたので、今回は、その後のステップについてご紹介します。

サービスデザインのプロセス[1]
図1 サービスデザインのプロセス[1]

1.解決アイデアの提示

 As-Isのカスタマージャーニーマップに書き出しが終わると、次に下段の解決のヒントの検討に進みます。

図2 

 ここで、重要なのは、個々のペインポイントについて解決策を考えるのではなく、ペインポイントを見渡して解決のアイデア出しを行うということです。
 IT系の人の傾向として、各課題に対し、個別に対応しようとし、業務を複雑にしてしまうというところがあります。また、ペインポイントを取り出して、グルーピングしようとする人もいるかもしれませんが、それもNGです。どの場面でのペインポイントであったのかという非常に重要な情報が抜け落ち、共感から遠く離れたアイデア出しとなってしまうからです。
 As-Isのカスタマージャーニーマップを全員で全体を見渡してアイデアを感がえること、些細な様ですが、こういうところに、良いアイデアを見つけ出すコツがあります。
 さて、このようにして出されたアイデアですが、図を見て頂ければわかるように、サービス機能と本体機能に分類することができます。実際の場面では、本体機能への解決のヒントが次の製品開発の重要なインプットとなります。

2.DEFINE

 解決のアイデアが一通り出そろうと、それらをベースに解決策の立案を行います。今回は、現場感覚を大事にするために、電子化したAs-Isのカスタマージャーニーマップをプロジェクターでホワイトボードに映し出し、その上に解決策を重ねてみるという手法を採用しました。

図3 

 実際には、ここで出された解決策をポートフォリオに並べて、解決策の出方に偏りがないかなどのチェックを行うこともあります。

3.DEVELOP

 解決策の絞り込みが終わると、その解決策を適用した新しいカスタマージャーニーマップを作成しますが、As-Isとは書式が異なります。サービスのインタラクションを可視化することと、デザインしたアピールポイント(新しい顧客経験)が期待した評価を得られるか確認できるように書式が設計されています。

図4 

作業時の工夫として、欄外にAs-ISから導いた解決のアイデアを表示しています。

 重要なのは、この新しいジャーニーマップを検証することです。(業務フローの様ですが、あえて業務フローと呼ばないのは、顧客を中心に書いているからです。我々がこれまで作成してきた業務フローは業務担当者(サービス提供者)の視点で描かれてしまうので、敢えて呼び方を変えています。)
 検証では、プロトタイプを使って、ロールプレイをすることが有効です。机上で考えていたものが、実際に人とのやり取りが加わると、破たんすることはよくあることです。検証して失敗やミスを早い段階で経験すること、これもサービスデザインを成功させる秘訣となっています。

4.DELIVER

 何度か、DEFINEとDEVELOPを繰り返し、サービスのコンテキストとして自信ができると、ビジネスモデルキャンバスに展開して、WIN-WINの関係が築けるのか検証します。
 つまずくのは収益のところです。新サービスに対して利用料徴収と安易に考えがちですが、本当に顧客は利用料払うのか、それほど魅力のある価値提案なのかなど少し客観的にみてみると、ビジネスモデルとしての不備が目立ってくるものです。このビジネスモデルの検討でもやはり重要なのは「顧客視点」です。

図5 

 以上、ひと月空いてしまいましたので、今月号では、まとめて最後まで説明しました。
 サービスデザインは、取り組むのに費用はほとんど不要です。まずは、皆さんの職場でも試行されることをお勧めする次第です。

[1] Engine社HP,, 2013/08/14

*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。

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