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2015年11月18日(水)

気づきコレクション

ブランディングとしての組織づくり

 顧客に自社のブランドに価値と信頼を感じていただき、数あるブランドの中から、自社のブランドが迷いなく選び続けられることを目指す「ブランディング」に、多くの経営者やリーダーの方々が、日々取り組まれていることでしょう。今日は、最近の私が体験したことを共有しながら、そのためには何が大切なのか、ひとつの切り口から考えてみたいと思います。

 約一週間前、土曜日〜月曜日まで、2泊3日で東京へ出張に行きました。日曜日の昼食時に、その日は夕方前に予定を終えることがわかったので、どのように過ごそうかと考えていたところ、一つのアイディアが浮かびました。それは、東京のあるサロンに行こうということでした。そこは私が日常使用している基礎化粧品ブランドのサロンで、日本では直営店は東京にだけあり、以前から一度行ってみたいと思っていたのです。さらにそのサロンの位置は、当日の私の訪問先からも15分ほどの距離だとわかり、一層行きたい気持ちが高まってきました。ですが日曜日ですし、きっと予約はいっぱいだろうと推測しながら、電話してみました。

 案の定、予約はすでにいっぱいでした。少し残念でしたが、仕方がないことだと、すぐに諦めました。通常ですと、スタッフの「またよろしくお願いします」という言葉で、電話を切るところでしょう。そうであったとしても、まったく不満に思うことのない、電話口での対応でした。ですがさらにそのスタッフは、「いつもご利用いただいているお客さまですか?」と、私に質問しました。私は、商品を使っていることや、一度トリートメントを受けたいと思っていたこと、東京に出張に来て、近くにいて、時間ができたので電話したことを伝えました。するとスタッフは「そうでいらっしゃいますか。では、もしよろしければ、キャンセルが出ましたら、こちらからお電話させていただいてよろしいでしょうか?時々ですが、当日キャンセルがあります。」と提案してくれました。私は、そのようにしてくださいとお願いしました。最後にそのスタッフは「もしキャンセルが出なければ、ご連絡は差し上げないということでよろしいでしょうか?」という確認までして、電話を切りました。

 結果としては、キャンセルが出なかったのでしょう、電話はありませんでした。私はトリートメントを受けることはできませんでしたが、そのスタッフの対応に大変満足しました。この後の私の感情や行動はどう変化すると、皆さま思われますか?

 まず一つ目は、そのブランドの商品を使用し続けることは、間違いありません。実際そのブランドの商品は通販でも購入可能なのですが、私は関西では唯一、販売カウンターにスタッフがいる、京都のとあるデパートに直接行って、スタッフと話をしながら購入しています。そして、次にその京都のデパートに行ってスタッフの方と会うのが、さらに楽しみになりました。今回の東京での体験を、京都のスタッフにも共有したいと思ったからです。もうひとつは、東京でそのサロンに行ってみたいという気持ちが強くなったということです。いつか是非事前に計画して予約を入れたいと思っています。

 このような質の高い、顧客の期待を超えるサービスを、どうであれば組織は実践できるのでしょうか?その組織の状態を「must.can.willの輪」を用いて考えてみましょう。
①must:ブランド価値としての、質の高いサービス提供が、自分たちの役割だと認識していること
②can:ブランド価値を具体化する知識・スキルが習得されていること
③will:ブランド価値としての質の高いサービスを提供しようという意識があること
つまり、これら3つは、まさに組織づくりの方向性であると考えます。

 では、この3つをどのように実現できるのでしょうか?
①においては、そのブランドと組織のアイデンティティが明確であることでしょう。自分たちは何を提供しようとしている組織なのか。スタッフのミッションは何なのか。明確であるということは、明文化されているだけではなく、スタッフがきちんと自分の言葉で語れるレベルに浸透されていて、無意識に行動の判断基準としていることではないかと考えます。
②においては、ブランド価値を顧客に届けるために、スタッフへの具体的な基礎と応用の学習機会を提供すること。継続的な学習機会と、現状把握としての測定や評価が必要でしょう。
③はいかがでしょうか?このwill (そうしよう、そうしたい)という各スタッフの動機を生み出し、維持することが最も難しいのではないかと、考えております。スタッフが受動的であれば、質の高いサービスの継続的な提供は、大変困難でしょう。スタッフが能動的かつ習慣的に、行動するためには、リーダーによる組織内でのブランド価値の体現が、ひとつの鍵であると考えます。メンバー同士の関係性・雰囲気・価値観に代表される組織内サービスは、スタッフから顧客へのサービスにダイレクトに影響するのは、自然なことでしょう。

 先日の東京で私に対応してくれたスタッフとは、約2分間の電話の声だけが接点でしたが、電話の向こうの組織には上記の①〜③がしっかりとコアにあり、連動しあっていることが、伝わってきました。

 皆さまは、ブランディングとしての組織づくりに、どのように取り組まれていますか?

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