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2019年1月23日(水)

構造的にとらえる

第32回 温かいデザイン(8)

 温かいデザインや対応(コト)の評価基準として、評価する製品、システムや人との心理的距離感が重要と考えるようになった。前回に述べた使用者と一体となるような温かい感覚・コミュニケーションが大事なので、心理的距離感が評価項目として浮上した(図1)。モノ・システムや人との温かい関係を調べるには、様々な評価項目が考えられるが、それらを総合・統一すると心理的距離感になると推測している。時間があれば、アンケートをとり、裏付けをしたいと考えている。心理的距離感に関する論考は、2019年3月、日本感性工学会春季大会で発表するので、その一部を以下に示す。

 心理的距離感に影響を与えるのが、自然素材、意味性・ストーリー、体験による時間的経緯である。体験による時間的経緯とは、使い古しによる愛着であり、体験による思いの蓄積でもある。心理的距離感によるサービスの評価を表1に示す。心理的距離感は5つの評価基準で、事前期待と事後評価を行う。
①距離感はない、②距離感は短い、③どちらでもない、④距離感はやや長い、⑤距離感は長い
 (1)モノレベルでの心理的距離感に影響を与える項目は以下のとおりである
  ①デザインイメージ:モダンなどのデザインのイメージ
  ②色彩:斬新な色、心温まる色等の色に関する情報
  ③フィット性:機器と人間との一体感
  ④形態:シンプルな形状などの形状に係る情報
  ⑤機能性・利便性:機能・利便性に関する情報
  ⑥質感:質感に関する情報、素材感
  ⑦価格:価格の妥当性により心理的距離感は変わる
 (2)コトレベルでの心理的距離感に影響を与える項目は以下のとおりである
  ①感覚(雰囲気)、意味性、ストーリー:オブジェクト・システムにより提示される情報
  ②体験による時間的経緯:使用感、愛着などが生起される情報

 

 表1によるサービス評価結果は、著者が昼食に出かけた居酒屋のケースである。一般のレストランと異なりカウンター形式で、それ以外はテーブル席であった。カウンター席に座ったが、店主ははす向かいに座っている若い女性客と雑談中で、当方が軽くあしらわれたような感じを持った。そこで心理的な距離感があったと感じた。この方法はこの店を接客が悪い、インテリアは暗い、値段はまあまあ、などと分解して評価するよりも一発で評価できる明快さがある。人間の評価は分析的に行わずに、総合的に評価をするので、このような1つの項目による評価も可能である。

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