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2019年5月17日(金)

その他

ベイジアンネットワークによる因果関係の構造的把握

ベイジアンネットワークとは

ベイジアンネットワーク*1とはグラフィカルモデルの一種です。事柄の間の確率的な関係を図を用いて表現することによって、現象に対する理解や予測を可能にします。

複雑な変数の中で起こる因果関係を解明することができ、医療診断、銀行審査、データマイニングや広告効果測定、迷惑メール対策やレコメンドエンジンへの活用など、幅広く原理が応用されています。

オージス総研では、ベイジアンネットワークを活用し、例えば生活者の購買心理など、複数の要因が絡む複雑な因果関係を、複雑なまま表現し、理解できるようにします。

ベイジアンネットワークの特徴・メリット

①ディープラーニング*2との比較
今日のビジネス現場ではビッグデータを活用するディープラーニング(深層学習)が注目されています。ディープラーニングは機械学習を活用したインプットにより、私たちに様々な予測情報を提供してくれます。しかし、「なぜ」そうなったのか等、判断の中身はブラックボックスとなっています。

一方ベイジアンネットワークでは、関係性が明確(ホワイトボックス)で、ヒトによる理解が可能です。そのため現場の知見と照らし合わせてトライ&エラーを繰り返し、モデルをブラッシュアップさせることができます。

②クロス集計との比較
定量データの項目間の関係性を表す一般的な集計方法に、クロス集計があります。クロス集計では、目的変数と説明変数の一対の関係(傾向)を把握することができます。

しかし心理モデルのような、複雑な変数の中で起こる因果関係を取り扱う際には、ベイジアンネットワークを活用することで、深い洞察を得ることが可能になります。

行動観察を用いたインサイトの導出~モデル構築

例えば生活者の心理モデルを構築するにあたって、既存の顧客データや行動データでは不十分な場合が多くあります。行動データでは、「誰が(WHO)」、「何を(WHAT) 買ったか」という情報はありますが、「なぜ(WHY)買うのか」というデータがありません。

私たちは行動観察・エスノグラフィなどの手法を用いて、まず現場の定性的な事実・実態を把握。事実を俯瞰し、「なぜ買うのか」についての「インサイト」をとらえます。そうやって導き出したインサイトを基に、ベイジアンネットワークの活用を前提としたアンケートを設計します。

そのようにして出来上がるベイジアンネットワークのモデルによって、インサイトを定量的かつ構造的にとらえることが可能になります。

<実施プロセスイメージ>

私たちの特徴

①NTTデータ数理システム社との連携
数理科学技術のスペシャリストであるNTTデータ数理システム社と連携し、同社のベイジアンネットワーク構築支援システム「BayoLinkS」を活用。精度の高い分析が可能となります。


②行動観察・エスノグラフィのノウハウ
私たちは、大阪ガス行動観察研究所の技術協力を受け、これまで10年以上にわたって1,400件以上の行動観察・エスノグラフィの実績を積み重ねてきました。生活現場の事実からインサイトをとらえ、生活者の深い理解を可能にします。

ベイジアンネットワークを活用したデータの分析、モデルの構築について、お気軽にお問い合わせください。


*1
ベイジアンネットワークは、元々は、統計学分野における、トーマス・ベイズ(1702-1761)のベイズの定理として端を発しています。コンピュータが発達してきた1980年代にベイズ統計として脚光を浴びると、ベイズ推定、ベイズモデリングと経て現在に至ります。

*2
ディープラーニング(深層学習)とは、機械学習手法の一種であり、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる、脳神経回路を模したアルゴリズムを基礎としています。画像認識や音声認識などといった分野で活用が進んでいます。

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