~オフィスビル改修における省エネ推進のための~ 省エネ・環境行動に関する行動観察プロジェクト

顧客名:大阪ガス株式会社様


プロジェクト目的


大阪ガスの北部事業所を改修するにあたって、ヒトの行動に着目した新たな視点の省エネ対策を行うため、潜在的な課題発掘と解決策の方向性を探る。

プロジェクト全体の流れ


行動観察プロセスの詳細


STEP1 行動観察・インタビューの実施

①北部ビル観察調査 1件1日間 -「行動観察」 交流的観察
オフィス内空調、照明の運用に関するオフィス利用者の行動や反応を終日観察した。定性的な観察に加えて、1時間おきに在席率、うちわ使用率、小型扇風機使用率をカウントした。

②ビル管理および利用者へのインタビュー調査 -現場インタビュー
ビル利用者2名(男女1名ずつ)、総務担当者1名、ビル設備管理者1名を対象に、省エネ行動の実態や意識、組織での運用などについてインタビューを行った。

③省エネ取り組みに関する先進企業インタビュー
省エネや環境に関する先進的な取り組みを実施している企業の担当者、およびビル利用者3名を対象に、取り組み内容や運用実態等についてインタビューを実施した。

STEP2 省エネ行動阻害要因の仮説抽出・特定

オフィス環境・組織文化・ワークスタイル・個人の意識などで阻害要因を抽出し、整理した。

STEP3 解決策の方向性提示

持続的に省エネ・環境行動に取り組めるソリューションの方向性として、下記3点にまとめ、ソリューションのアイデア出しを実施した。
 1.オフィス利用者の視点、ワークスタイルを踏まえた、設備や運用施策の実施
 2.双方向コミュニケーションにもとづく現場把握と、それらを反映した柔軟な設備対応
 3.オフィス利用者からフィードバックを受ける、参加してもらう機会の設定や意識の醸成

実施したソリューション例


①IP電話を利用した空調温度設定制御
IP電話の在室検知機能を利用し、在室人員数・在室位置・在室男女比率等の情報を用いてゾーンごとに最適な空調制御を実施

②管理システムをコミュニケーションツールに(BEICS)
入居者が主体的に省エネ行動しやすいように、これまで設計者や設備管理者が主に活用していた管理システムBEMSを、入居者との「コミュニケーションツール」(BEICS)にした。
 ・入居者の省エネ意識の向上 ⇒ きめ細かいエネルギーの見える化
 ・入居者の積極的なコミュニケーション ⇒ 掲示板、ビール指数

ソリューションの効果


事業所の1次エネルギー削減率:約28%(2010年度比)
そのうちの約1/3の約9.7%は、ヒトの行動に着目した省エネシステムによる効果であった。また、事後のアンケートにより、省エネ意識や省エネ行動についても向上および定着が見られた。

大阪ガス株式会社様は、先進的な省エネの取り組みとして、平成26年度の省エネ大賞 資源エネルギー庁長官賞(省エネ事例部門)を受賞しました。
http://www.eccj.or.jp/bigaward/winner14/(外部サイト)

※この記事に掲載されている内容、所属情報(会社名・部署名)は2014年当時のものです。また、予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。