顧客情報の記憶に関する優秀者および一般スタッフの比較観察

顧客名:株式会社ロイヤルホテル様

調査対象:顧客情報の記憶に関するハイパフォーマー5名と、比較対象スタッフ2名

実施時期:7日間


目的

高次元のサービスを提供する優秀なホテルスタッフの「顧客情報を記憶するノウハウ」を、視覚化・標準化し、従業員の育成モデルを作成。サービス品質を向上させる。

抱えていた問題点

顧客の属性はもちろん、嗜好の傾向、行動特性などを把握し、ひとりひとりに合わせたサービスを提供すること。それが、ホテル業における「高次元のサービス」といえる。しかし、顧客情報を記憶するノウハウは、エキスパートとでもいうべき特定の個人に内在しており、可視化、標準化できていない。そのため、次世代のエキスパートを育成することが困難であるという問題を抱えている。

それに対し、実施した調査・ソリューション

顧客情報の記憶件数が多いハイパフォーマーを5名選出。それぞれの1日の顧客接点業務を観察した後、2時間程度のヒアリングを実施し、顧客情報を覚えるために努力している具体的な事柄や、観察員が目にした行動に対する理由などの情報を収集した。
その後、行動観察時に得られた「気づき」と、ヒアリング情報を集約し、顧客の覚え方の要素やポイントを抽出。認知心理学の知見を用いて解釈を行った。さらに、上記の結果を初心者にも実践しやすい教材として整理。従業員トレーニング用のツールとして活用した結果、トレーニング参加者の54%の従業員で記憶テストの点数改善が確認された。

実施企業・団体様の声

※トレーニング参加者の受講後アンケートより
・ポイントポイントを教えていただいたので研修後、お客さまの顔を覚えやすくなりました。2日~3日空いても、すぐ「あ、この人は」と顔をはっきりと思い出すようになりました。
・お客様の覚え方は人それぞれだと思いますが、コツをつかむまでが難しいのでそのポイントを教えていただいて参考になりました。教えていただいたやり方で、これからお客様を覚えていきたいです。
・自分自身がお客さまの顔と名前を覚えるときの方法と全く異なっていて難しいやり方だと感じました。でも、この方法を仕事で何回か使ってみたら何人かのお客さまの顔と名前を覚えることができたのでこの方法も使っていきたいと思っています。

※本調査は、近畿経済産業局より受託した「行動観察手法を活用したサービス現場改善プロジェクト」です。

※この記事に掲載されている内容、所属情報(会社名・部署名)は2010年当時のものです。また、予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。