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[JavaOne 2001 Japan 特集]




BUS-3607
VoiceXMLを用いた参加型ボイスコンテンツ作成サイト「VoiziLab!」構築事例



■ 概 要

私は3日目の午後しか参加できませんでした。せっかくなので各時間帯でセッションはどれか1つを聴講しようと思い、最終の時間帯をみてみると2セッションしかなく、もう1つのセッションは、「Developing Games for Wireless Information Devices」でしたので個人的には惹かれましたが、本セッションを聴講することにしました。

本セッションはVoiceXMLに関するビジネスセッションで、株式会社サイクスによる日本テレコム「VoiziLab!」の事例が紹介されました。これは日本初の音声ポータルサービスらしいです。

私もあまり詳しく知らなかったのですが、VoiceXMLとはXMLの拡張言語で音声対応型Web記述言語です。Voiziでは、ユーザーの問いかけに対して音声応答システムがどう答えるかなどの「対話フロー(シナリオ)」を記述するための言語として用いられているそうです。

VoiceXMLは,標準化団体「VoiceXMLフォーラム」によってバージョン1.0の仕様が2000年3月に規定され、同仕様は2000年5月に,Web関連技術の標準化団体W3Cによって承認されています。またXMLコンソーシアムがVoiceXML部会を設置して積極的に活動しているようです。

サイト構築にあたって、JavaBeans、J2EE Application Server、JSP、EJBといった技術を使用したという話です。

アーキテクチャは、MVCを適用していました。適用に際して、Voice BrowserとWeb Browserとは異なる部分が多い、例えば、検索サイトの結果をだらだら聞くのは無意味なので、ViewとControlerの部分をBrowser毎に作成する手法を採っていました。ロジックは共有するがViewは別というスタンスです。

運用にあたり、処理量増加に対応するためにマシンを当初1台から2台にすると約1.2倍、2台から3台にすると約2倍に処理能力が増えたという話です。

ホームサーバを立てて、出先から電話でTV番組を録画したり炊飯器のスイッチを入れたりという構想を「ユビキタスコンピューティング」と表現していました。ユビキタス(Ubiquitous)という言葉は、空気のように「あまねく存在する(遍在する)」という意味のラテン語に由来しています。「コンピュータの力があまねく場所に存在する」ようになることだ、と思ってもいいでしょう。

以上の内容にご興味のある方は、以下の関連サイトをご覧下さい。

VoiziLab!: https://lab.voizi.net/
VoiceXML Forum: https://www.voicexml.org/
株式会社サイクス: https://www.cyx.co.jp/
VoiceXML開発者向けリソース: https://studio.tellme.com/
ユビキタスコンピューティングについて: https://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/0,1620,6283,00.html


■ 感 想

コンテンツを提供するのではなく環境を提供するビジネススタイルはかなり標準的なものになってきていると思いますが、実際に音声ホームページを作成してみると面白いかもしれないなという印象を受けました。

実際には、ネットワーク帯域などのインフラの不足、音声認識/再生の難しさなどもありますが、Oracle、IBMなどもVoiceXML対応しているという話ですし、これから面白くなるビジネス分野の1つだと思います。



■ JavaOneに参加して

私は3日目の午後だけ参加しました。開催最終日の午後だったせいかちょうど昼食の時間だったせいか、来場者はやや少なめという感じがしました。聴講したセッションの中には立ち見がでるほど盛況なものもあったものの、個人的にはJava関連のビジネスはまだまだ底上げが必要だなという印象を受けました。

(ひる)




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