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[OBJECT DAY 2000 特集]


OBJECT DAY 2000 突撃レポート



5/26(金)、恵比寿のウェスティンホテル東京にてOBJECT DAY 2000 が開催されました。
先日、開発業務に携わって一周年を迎えた私は、同イベントに「当日手伝い」と称して参加する機会に恵まれましたので、この場を借りて、OBJECTDAY の模様を報告します。

OBJECT DAY のプログラム概要は、下記の通り;

  1. 基調講演

開演前から次々と来場する人の波、更に、モニター中継でも聴講しようという意気込みを持った方々の来場を目の当りにして、今回の基調講演に対する「何かしら」の熱気を感じる。ちなみに、立場上、講演を聴講できなかった私は、来場者の背中を見送りながら、皆が「EC」と「オブジェクト指向」というキーワードから「何かしら」見出そうとしているものは何なんだろう…といったことに思いを馳せるのみなのでした。

  1. 各セッション講演

講演を聴講する機会を得たセッションは、「Beyond The Object」。

何れも「楽しくモノづくり」したいという熱意を感じる講演でした。

  1. 懇親会

なぜか懇親会にも紛れ込んだ私は、進行を務めるユースケース君とアクター君によるシュールな笑いに腹をかかえながら、豪華な景品を手にする方々を羨み、そして晩飯を貪りました。
一体、私は何と懇親していたのだろうか。

そして最後に、「OBJECT DAY 2000 に参加した全ての人が何かを感じ/掴むことができたのなら…」と、ほんのり「当日手伝い」気分に浸りながら恵比寿の夜は更けていった…

以上
OBJECT DAY 2000 の模様をお届けしました。

by POOH


O-1 最新OO開発手法 XPのもたらすもの

開発手法と言えば RUP の概要程度しか思い浮かばないような疎い私は「一体 XP とは何ぞや?」と興味津々で聴講に挑みました。
XP は「小人数(1 チーム当り 10人程度)で各人の能力を最大限に引き出して開発しましょう!」というコンセプト上に成り立っている開発手法とのこと。講演では勿論、XP の特色、および、その効果の説明が行われたのですが、結論は「恐れを克服せよ!」と、メンタル部分の強化を推奨していました。言われてみれば当たり前のことなのですが、ソフトウェア開発を行うのは人間なのだなぁ…と、しみじみ感じ入る。

質疑応答にて「 XP に適切な人数で、大規模な開発プロジェクトの一部を請け負った場合、例えチーム内で XP が適用できたとしても、各チーム間の連係プレーが問題になるのでは」といった質問が挙がったことが印象深い。やはり、実際のプロジェクトに適用することを考慮すれば、毎回 10 人程度で完結できるプロジェクトしか存在しない訳がなく、とっても気になるところ。回答は、XP の ML にて同様の議論が行われた経緯があるので参照してください、とのこと。ちなみに思考が単純な私は、各「チーム」を一人の「人間」と見なせば何とかなるかも…などと、よく判らないことに思いを巡らすのでした。

【後日談】
配布資料には記載されておらず、走馬灯のようにしか黙視できなかった「結論」が、ダウンロードできる PDF 形式の資料に盛り込まれていたのが嬉しい。恐いことは沢山あるけれども…!、と意気込む今日この頃。

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O-2 日本人ならRuby 〜これからはオブジェクトもスクリプティング〜

「 Ruby はオブジェクト指向のスクリプト言語らしい」といった認識しかなかったのですが、以前から興味があったので講演の機会を得たことは嬉しい限りでした。
自分のやりたいことを実現するためのプログラミングを楽しくやりたいから、という理由で Ruby を開発してしまうことに感動。講演においては、「こんなことできます」例としてコード例が紹介されており、ついつい実際に動くものを見てみたい(動かしてみたい)などという思いが刺激されてしまいました。

興味深かったのは、Ruby と UML、そして、Ruby と RUP のマッピングを行うという試み。例え、一人開発であったとしても、頭の中に「こうしたい」という思いを描きます。また、「こうしたい」という思いを整理したくもなるし、機能を拡張したくもなります。視覚的に判り易くするために UML を利用し、円滑に開発を進めるために RUP を適用…、手法とは各人の使い方次第なのだと恐れ入る。

ちなみに私のスクリプト言語の経験は、ちょろっと Perl で CGI を書いた程度。とりあえず意味も判らず様々な呪文を記述した覚えがあります。今回の講演を聴講して、「君、これやっといて。」とメッセージを投げられる Ruby と、もう少し「お近づき」になってみようかな、と思ったのでした。

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O-3 Speak Squeak! 〜オープンソース時代の新Smalltalk〜

圧巻だったのは「LIVE DEMO!」。視線をカメラ目線に固定したまま回転して飛びまくる兎、バックミュージックにはサイレントナイトの歌声、…。今そこで動いているオブジェクトを掴んで、動的に振る舞いを変えられることに驚くばかり。

そして、何が凄いって開発環境そのものが squeak で記述されていること(らしい)。自分の目で確かめなくては安心できない人にとって有り難いのは、全てのクラスライブラリ/バーチャルマシンはオープンソースなので、じっくり検証/カスタマイズできること(らしい)。
そう、全て伝聞形で語る私は Squeak 未経験者。そんな私が思うに、この講演を聴講した Squeak 未経験者は、まさに Beyond な熱気の渦に巻き込まれて、「ちょっと体験してみようかな」、と思ったのでは。

ちなみに「LIVE DEMO!」の中では「僕にだけ聞こえる録音機能紹介」が妙なツボに嵌まりました。
それは Zaurus に Squeak が移植した方(東工大の大島さん)による、Zaurus のマイクを使った Squeak の Recorder クラスのデモでの一コマ。まずは大島氏がマイクに向かって話し掛けて音声を録音。いざ皆で確認かと思われた場面にて(そのときの私はスピーカーに耳を傾けて待ち構えていたのですが)、大島氏は Zaurus のイヤホンを耳にあて「あ、ちゃんと録れてますねぇ。」と爽やかに言い放ってくれました。思わずツッコミを入れてしまった一コマです。
そして、やはり Squeak は「実際に使ってみてなんぼ」の世界なのだと感じ、ちょっと体験してみようかな、と思う私は…。

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