[新・XMLとオブジェクト指向]
今回は特別編として、去る1月12日に行われた弊社主催のXMLセミナーの参加報告記事となっています。本XMLセミナーは以下の講演内容で行われました。
なお、原稿はXMLで記述しています。ブラウザにIE5.0+MSXML3をお使いの方は、こちらでもご覧いただけます。
注) MSXML3は次の方法でインストールできます。 まず、こちらのMicrosoftサイトの、コンテンツリストから"XML Parser 3.0 Release"からmsxmlwr.exeを、"Xmlinst.exe Replace Mode Tool"からxmlinst.exeをダウンロードしてください。 次にmsxmlwr.exeを実行し、次いでxmlinst.exeを実行してください。
2. 「XMLデータ交換の実際とJ2EEフレームワーク」北條さんはまず、XMLデータの構造が入力系と出力系で大きく異なることを言われていました。そのため、ビジネスロジック層やバックエンドシステムで、構造の変化に柔軟に対応できる仕組みが重要であるので、システム構築にはオブジェクト指向技術は不可欠であるとのことでした。
これは、オブジェクト指向によるコンポーネント開発で、変更されやすい部分をホットスポットとして切り出すことが必要ということでしょう。やはり、XMLの柔軟性に対応するシステム構築にはOO開発は欠かせません。
また、XMLシステムでバックエンドのシステム(いわゆるレガシーシステム)とそのまま変更・修正を加えずに統合利用することは難しいとも言われていました。
確かに、全くそのままでうまく統合できるかは難がありそうなのは分かるのですが、具体的にどんなところに修正変更が必要になるのかまでは分かりませんでした。残念...
また技術要素の選定に関しても見極めの必要性を訴えていました。利用可能なXML標準仕様がまだ発展途上である以上、その中で利用できる安定部分の見極めと独自定義の利用をうまく使い分けることが重要ということでしょう。また、将来の標準仕様への対応を考慮しても、先に記述したとおり変更・修正に柔軟なシステム構築が必要なことが理解できます。
以上のように(かなり省略してますが)、タイトルほどはJ2EEに特化した話ではなく、もっと抽象的にXMLシステム構築の際の柔軟性を訴えた内容であったように思います。
3. 「ソフトウェア基盤技術としてのXMLとUML」こちらは、弊社のXMLへの取り組みとして、これまで様々なところでも発表してきていますので、ここでは割愛します。
4. 「XMLトレーニングの紹介」こちらも、弊社のXMLトレーニングの内容紹介ですので、詳しくはこちらをご覧いただくとして、ここでは割愛します。
5. 「米国におけるXML標準化動向および最新事情」講演者のBrian氏はW3CやOASISなどで実際にXML周辺技術の標準仕様の策定を行っている方です。XML標準化の流れの本流に身をおく氏の視点から、その動向について語ってくれました。
今回は氏がその策定に携わっている、ebXML、Web Services、UDDI(Universal Description, Discovery, Integration)について語っていました。
この中でも、ちょっと面白いそうなのが、Web Servicesです。その概念は、Inernet上の”どこかに”自分の目的にあったサービスがあって、それらサービスを自分の目的に合った形で利用できるというものです。たとえば、それが単純に一つのサービスを利用して目的の情報を引き出したり(これは今のWeb上では例えばCGIなどで実現されたてたりしますが...)、複数のサービスを組み合わせて一つのシステムを形成することもできます。つまり、あるシステムを構築するのに今まで必要なコンポーネントやライブラリをインストールしてローカル上もしくは分散サーバ上で実行していたものが、同じ目的で作成されたWeb Serviceを、あたかもローカルにあるコンポーネントと同じように部品という感覚で利用し、システムを構築することができるということです。しかも、Web Servicesを実行時に動的に組み込んでいくことができるようです。これらの発想はMicrosoftの.NETにも現れています。なかなか大きな構想ですね。
Web Services、UDDIについてはMicrosoft社やIBM社のデベロッパーサイトでも説明されていますので詳細はそちらを参考にされるといいでしょう。
ただし、Web Servicesは非常に規模の大きな仕組みですから、コア技術の一つであるUDDIもまだ仕様が確定しない現段階では、まだまだ時間がかかるのかなというのが筆者の受けた印象でした。
6. さいごに今回のXMLセミナーではXML技術を様々の視点から、その動向やTipsといった有益な話を聞くことができました。今後もXML技術がさらに進化し、拡張されていくことを再確認させられる内容でした。
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