EDI対談 #03 EDIの今後について

#03 EDIの今後について

今井「今、お話を伺ったもの以外に、最近、お客様から問い合わせを受けるEDIのテーマのうち、要注目のものとして、「グローバル」、「リアルタイム」、「XML/EDI(Web含む)」があります。それぞれについての、今後の予想や課題等を教えてください。」


藤野「まず、グローバルEDIについてですが、現時点では、本当の意味でのグローバルEDI、すなわち、海外企業とのデータ交換型EDIは、ほとんど実施されていないのではないかと思っています。多くは、海外現地法人と社内ネットワークを介してデータのやり取りを行ったり、商社経由で海外企業とのやりとりを行ったりという状況ではないでしょうか?
 現地企業とは、現地商習慣に則った取引となっており、基本的には、紙・FAXベースが多いと思います。一部ではWebEDIやEmail+ファイル添付もあるかもしれませんが、本格的なEDIはまだまだこれからだと思っています。
 大きな理由の一つには、EDI化するコストを吸収できないという点があります。人件費が安い地域では当然EDIは行われません。それに、国ごとに取引の習慣が違います。例えば、「締め」という考え方があるのは日本だけです。また、日本では、事前に取引情報を交換するため、発注情報の中に金額が入っていないのがほとんどです。インドネシアやタイのように伝票にサインが必要な国もあります。これらのことを吸収するためには、国ごとに異なるITの仕組みを用意していく必要があります。また、現地日本人にEDIのわかるIT技術者がいないというのも大きいでしょう。よって、EDI化自体が難しい場合があります。
 ビジネスをはじめたタイミングではEDIは不要で、ビジネスが発展してもしばらくは基幹システムの整備が重要となります。サプライチェーンの連携はその後検討が必要な分野。産業の発展とITの発展のタイムラグを見定めながら、EDIを進めていくのが良いと思っています。」

門上「藤野さんのお話をお聞きすると、今の段階ではグローバルEDIの本格化にはまだ少し時間がかかりそうですが、それまでの間にどうしても海外の企業や拠点と部分的にEDIを始めたい企業さまには、先程お話したオージス総研のSecureECをお勧めします。英語にも対応しています。
 また、図面データなど大容量ファイルを不定期に交換するのであれば、「オフィス宅ふぁいる便」が適しています。このサービスは英語、中国語にも対応しています。まずはこのような安価なサービスを利用していただいて、本格展開までの繋ぎとしていただくことは可能ですね。」

今井「リアルタイムEDIについてはいかがでしょうか?」

門上「今後、リアルタイムに情報を求められる場面が増えていきます。例えば、売上、在庫、生産計画、進捗、これらの管理は、年次から四半期、月次、週次、日次とスピードアップしています。これらの情報をリアルタイムで集約、分析していくには、それ相応のITの仕組みを構築することが必要であり、これを自社で構築するのは、なかなか大変です。
 また、片方のシステムがリアルタイムで動いていても、もう片方が日次のバッチであれば、ビジネスのスピードは日次に合わされてしまいます。今後は受発注だけでなく、物流のトレースなどもICタグなどの活用により、リアルタイムに近づいていくと思います。」

藤野「そうなんです。ACMSは大手のVAN/ASP事業者さんでご利用いただいていますので、かなり高速化には気を遣っていますが、次期製品ではよりリアルタイムに近づけるよう製品性能向上に努めます。

門上「そこは大いに期待をしています。また、実際にそれを動かすしっかりとしたITインフラや運用業務も整備が必要となってきます。このあたりは、既存のEDIサービスをうまく利用するのも、ひとつだと思います。オージス総研のEDIもよりリアルタイムにデータ交換できるようブラッシュアップする予定です。」

今井「藤野さんは、普段から、XML/WebEDIについても必要性を唱えておられますが、今後、XMLを使ったEDI、特にWebEDIはどうなっていくでしょうか?」

藤野「現在のWebEDIの仕組みは、サーバ側システムより、画面や操作とそれに付随するデータが一塊で端末に送られています。この画面操作とデータのセットが、WebEDI提供者、つまりハブ企業ごとに異なる画面操作を強いられることが課題になっています。
 この流れを変えるには、画面操作とデータを分離し、自分で画面を持つしかありません。XMLでは画面や操作をデータから分離することができます。よって画面をサーバとは別に独立して持つことができるのです。端末利用者は自分で画面操作機能を作る必要がありますが、データをXMLに統一できれば、いわゆる多画面現象が解消されると考えています。
 ただ、実際には言葉でいうほど簡単ではなく、少なくともメッセージの標準化が必要になります。また、画面の操作とデータを結合するための端末側機能やサービス提供等、パッケージベンダーやASP業者の努力にも期待したいと思っています。
 今、世界的に見て、EDIの新しいメッセージはほぼすべてがXMLで作られています。もちろん、現在使われている既存のデータベースが、すぐにはXMLにならないと思いますが、異なる組織間をまたがるデータ連携では、XMLに変換して送受信することが主流となると思います。EDIシステムもXMLをベースに「データ交換型」と「Web型」を統合していくことも可能になっていくと思います。」

今井「業界のEDI標準もXMLをベースにしたものがほとんどです。XMLはEDIには外せないキーワードとなりそうですね。」

※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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