ObjectSquare [2008 年 9 月号]

[技術書籍紹介]


表紙カバー

「新・ソフトウェア開発の神話 - 成功するプロジェクトチームの科学と文化」

ジョー・マラスコ 著
藤井 拓 訳
翔泳社 3,780円(税込み)
ISBN4-7981-1042-6

bullet 目次
bullet 著者紹介
bullet 本書のアピールポイント
bullet 内容紹介

目次

第 1 部 一般的な管理

第 1 章:序章への扉
第 2 章:計算の原点
第 3 章:登山する
第 4 章:管理する

第 2 部 ソフトウェアが違うところ

第 5 章:もっとも大切なこと
第 6 章:モデリング
第 7 章:コーディング
第 8 章:ドアの外に送り出す

第 3 部 プロジェクト管理の視点

第 9 章:トレードオフ
第 10 章:見積もりをする
第 11 章:スケジューリング
第 12 章:リズム

第 4 部 人的要素

第 13 章:政治
第 14 章:交渉する
第 15 章:約束する
第 16 章:処遇

第 5 部 水平に考える

第 17 章:歴史の教訓
第 18 章:悪いアナロジー
第 19 章:リフレッシュ問題
第 20 章:それほどランダムでない数

第 6 部 進んだトピック

第 21 章:危機
第 22 章:成長
第 23 章 :文化
第 24 章 :すべてをまとめる
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著者の紹介

本書の著者ジョー・マラスコさんは、90年代初頭に Rational Software 社の主力製品だった Apex という Ada の統合開発環境を独自ハードウェアからUNIXに移行させるという社運を賭けたプロジェクトの責任者だった人間である。マラスコさんは、このプロジェクトを反復的な開発アプローチの実践により成功へと導いたのである。その成功が無ければ、Rational Software社は大きな収入源を失い、後年に統一モデリング言語 (UML: Unified Modeling Language) を取りまとめたり、ラショナル統一プロセス (RUP: Rational Unified Process) などを製品化したりするなどの取り組みは不可能だったかもしれないのである。このエピソードで、マラスコさんの本分がプロジェクトを成功させることであり、方法論者や研究者ではないことを少し理解して頂けるのではないかと思う。

本書のアピールポイント

本書は、そのようなマラスコさんがプロジェクト管理者やソフトウェア開発組織の責任者として悩んだ以下のようなことを、解決するための手段や理論を書き記したものである。

 プロジェクト管理の世界でこのような悩みに対峙することが多いが、これらの悩みに真正面から向き合うことはあまりなく、ひたすら「精緻に管理する」ことや「根性でどうにかする」ことも多い。言い換えると、失敗しそうなプロジェクトだと感じていても、「精緻に管理する」ことや「根性でどうにかする」ことでプロジェクトを進めてしまうのである。それは、おそらく感覚的には「無茶」だとか「不合理」だとか思うプロジェクトでも、その「無茶さ」加減や「不合理さ」をうまく上司や開発依頼者に説明できないことも大きな原因になっているのではないかと思う。本書は、そのような「無茶」や「不合理さ」をプロジェクト管理者が把握し、その上司や開発依頼者に説明するのに役立つと期待できる。より積極的には、プロジェクトの成功と失敗を隔てる根本的に要因を理解し、技術者とともにやりがいのある、「3Kではない」開発組織を築くために本書は大きなヒントになるのではないかと思う。

内容紹介

第 1 部 一般的な管理

 ここでは、この本の成り立ち、マラスコさんが受けたエンジニア教育を説明し、次いでソフトウェアに特化しない一般的なマネージャーが直面する問題やそれを克服するために身につけるべきことを説明している。

第 2 部 ソフトウェアが違うところ

 一般的な管理では扱われないソフトウェアに特有の事柄にマネージャーとしてどのように対応し、ソフトウェア以外の分野の人(たとえば経営陣)にどのように説明すればよいかという点を説明する。

第 3 部 プロジェクト管理の視点

 ソフトウェア開発のプロジェクトを管理する際に直面するQCD(品質、コスト、納期)のトレードオフ、反復期間の設定などの基本的な事柄から出発し、日程の見積もりの人毎のばらつきや開発途上にプロジェクトに作用する力などについて論じている。

第 4 部 人的要素

 開発組織であっても人間の集団であるがゆえに、プロジェクトや開発組織を率いる上で政治、交渉、約束など人間の間の相互作用を理解するということが大事である。

第 5 部 水平に考える

 ソフトウェア開発のプロジェクト管理とは直接関わらない様々なテーマに関するマラスコ氏の意見や考察を紹介する。

第 6 部 進んだトピック

 1つのプロジェクトのプロジェクト管理から離れて、開発組織全体を強力にする(弱体化させない)ために注意すべきことをなんだろうかということについてのマラスコ氏の考えを説明する。

参考文献

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