ObjectSquare [1999 年 8 月号]

[オージス総研の本]


かんたんUML

(株)オージス総研 著 千藤雅弘 監修
翔泳社 2,079円 (税抜き 1,980円)
ISBN4-88135-759-X

目次
『監修者のことば』より
『はじめに』より
担当者の一言

REFERENCE

書籍紹介 書籍紹介:『かんたんUML』

目次

第1部 小説 UML物語
  第1章 UML物語

第2部 ITマネージャのためのUML講座
  第1章 ソフトウェア開発概論
  第2章 ITマネージャのための豆知識

第3部 初級エンジニアのためのUML講座
  第1章 UMLサマリーリファレンス
  第2章 UMLチュートリアル
    分析編
    設計編

第4部 UML技術者認定試験対策
  第1章 認定試験のご案内
  第2章 認定試験の傾向と対策
  第3章 模擬認定試験

付録 UML最新仕様と今後の動向予測

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『監修者のことば』より

ソフトウェア産業において、特に複雑大規模なソフトウェアの開発では、バグのない高品質のソフトウェアを開発すること、顧客の仕様変更に柔軟に対応できること、ソフトウェアを納期どおり納めること、既存のソフトウェアを再利用すること、はメインフレーム時代からクライアント/サーバを経て、現在のWebベースの情報システムにいたるまで、ソフトウェア開発者が絶えず追求してきたテーマです。1970年代にはこの問題の解決策として、<構造化分析設計手法>が提案され、商用分野では主流の考え方として現在まで広く使われています。一方、1980年代にシリコンバレーにあるゼロックス社のパロアルト研究所で開発された<オブジェクト指向技術>は、従来の考え方を根本的に変える画期的なソフトウェアの概念として一部からは強い支持を得ましたが、メインフレーム全盛の時代には商用分野から無視されてきました。しかし、80年代後半からクライアントサーバ時代になり、ソフトウェアの複雑化が加速された結果、新しいソフトウェア開発パラダイムが要求され、それに応えたのが<オブジェクト指向技術>でした。これを開発言語からみると手続き型言語であるCOBOL、Cからオブジェクト指向言語であるSmalltalk、C++へ移行し、そして現在のJavaに至っています。このようなオブジェクト指向開発言語に対応して、90年代初めからさまざまなオブジェクト指向分析設計方法論が提案されました。一時は十指にあまる方法論が提案され、<方法論戦争;Methods War>とまでいわれました。

これにより方法論の比較議論が活発になりましたが、しかしこのことで結果的に一般のソフトウェア技術者が、オブジェクト指向分析設計の採用を躊躇する動きがみられることになりました。これに危機感を抱いたBooch法のブーチ氏を擁するラショナル・ソフトウェア社は、OMT法のランボー氏、OOSE法のヤコブソン氏をラショナル・ソフトウェア社に招聘し、統一した方法論の開発に着手しました。これが<UML(Undified Modeling Language)>です。その後ラショナル・ソフトウェア社はこのUMLの一切の権利を放棄して、中立の業界団体組織であるOMG(Object Management Group)に提案し、受け入れられました。これによりUMLはまったくの公開された表記法となり、今やグローバルスタンダードとして認知されています。またこのUMLはヤコブソン氏の<ユースケース手法>を取り入れることにより、ソフトウェア開発のみならず、BPR(Business Process Reengineering)の分野の分析手法としても有効であり、従来大きなギャップが指摘されていた、経営分析とIT(情報技術)の間をつなぐ表現方法として、最近ビジネスコンサル分野からも注目されてきています。

オージス総研は91年からラショナル・ソフトウェア社と技術提携をし、このような激しい動きを間近で見、また時にはブーチ、ランボー、ヤコブソンの各氏との直接の議論を通して、オブジェクト指向分析設計技術を蓄積してきました。本書は、ますます国際化、ボーダレス化の波にさらされる日本のソフトウェア産業界に、グローバルスタンダードであるUMLが1日も早く広まることを願って、弊社のオブジェクト技術者達が書き下ろしたものです。

本書により、UML技術に興味を持たれ、実開発でご利用いただければ幸甚です。

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『はじめに』より

この本はUML(今この言葉になじみのない方々もどうぞご安心ください)について概要を知りたい、またはUMLの潜在能力を知りたい、さらにはUMLの技術概要を学びたい、という読者の方々に贈るユニークな書籍です。以下にそのポイントを説明します。

本書のポイント

対象読者

2種類の読者層に焦点をしぼりました。

この本の目的

各読者層に対して次のような目標を設定しました。

前提条件

この本を活用していただく際、必須の知識や前提条件はありません。例えば、オブジェクト指向技術の概念や用語を知っている、何らかの(ソフトウェア)システムの開発経験があることは、この本の内容をより深く理解していただくために望ましいことではありますが、必須ではありません。この本は、極力、平易な用語を使って記述されていますし、難解で技術的な用語や概念には解説コラム欄や用語集を充実させています。安心して読み進めていただけるように随所に工夫を凝らしました。

この本の構成

4部構成になっています。

第1部は企業小説になっており、UMLが情報技術のみならず、経営業務の分析ツールとしても重要であることを、国際企業合併を舞台とした近未来小説として描いています。近未来とはいえ、ここに書かれてある技術背景はすでに現実になっているものであり、その意味では実例とも考えられます。

第2部はITマネージャのためのUML講座と題して、UMLを中心とした現代ソフトウェア工学をベースとしたシステム開発の概要と関連知識を述べています。UMLとはどのようなものか、UMLは何を解決するのか、UMLで何ができるのか、ということを理解することができます。

第3部は初級エンジニアのためのUML講座と題して、UMLのリファレンスおよびチュートリアルが、絵解き物語風につづられています。ここではUMLの基本概念を効率よく学習できます。

第4部はUML技術者認定試験の対策になっており、(株)オージス総研が日本でのUML普及のため、1998年9月からWeb上で無料で行っているUML技術者認定制度<ブロンズレベル>の受験対策編になっています。ここでは試験に出題されるUMLの基本概念を効果的に復習チェックできまた、Webで試験を受けて合格していただくことを目的にしています。合格者には(株)オージス総研より認定証が送られます。詳しくはWebサイト(http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/UMTP.html)をご覧ください。

この本の読み方

何かと多忙な経営者・マネージャ層の読者の方々は、第1部、第2部の順に目を通されることをおすすめします。おそらく、新幹線なら東京・大阪の片道移動時間内に読破できると思います。出張のおりにでも鞄にしのばせておいてみてください。

初級エンジニア層の読者の方々は、第1部と第3部(順番はどちらが先でも構いません)に目を通されることをおすすめします。またUMLを包括的に理解したい場合には、第2部がきっと役に立つでしょう。

また、本書はUML技術者認定試験の公式書でもあります。認定試験にご興味のある方は第4部をお読みください。

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担当者の一言

その1

出張のお供に。第1部と第2部を読むだけでUMLの概要がつかめます。

その2

UMLやオブジェクト指向をこれから始めたい方に最適な入門書です。特に第3部は今までにないグラフィカルなチュートリアルなので、ストーリーを楽しみながら読んでいるうちに、UML表記法やオブジェクト指向分析設計のポイントもきっちり押さえられます。かわいいキャラクターにも注目です。また、UML技術者認定試験も、第4部を読めばばっちりです。

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