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アンチパターン-ソフトウェア危篤患者の救出

ISBN: 4797307587
出版社:ソフトバンク
著者: William J. Brown, Raphael C. Malveau,HaysW. McCormick III,
THomas J. Mowbray、岩谷宏 訳
出版日: 1999/03
ページ: 363


パターンの本ではあるが、本書は基本的にプロジェクト管理の本と考えることができるので、ここで取り上げてもよいでしょう。

アンチパターンとは聞きなれない言葉だという人も多いと思いますが、要は、こんなことすると絶対開発に失敗するよという事例パターン集、一種の反面教師となるケースをパターンのフォーマットで紹介するものです。

といったスタイルで、オブジェクト指向開発のさまざまな局面でありがちな誤った企画、計画、分析設計、実装、その他プロジェクト運営にまつわる諸々の問題点を"適切な"失敗事例とそれに付随した課題とともに面白おかしくやがて哀しく提示してくれているのが本書なわけです。非常に冗談の効いた内容で部分的に米国の文化を知らない日本の一般のソフトウェアエンジニアには一部理解できない語彙とレトリックを含んでいます。

このように本書は並みのソフトウェア技術書ではありませんから、ちょっと英語ができるくらいのエンジニアや大学の先生には翻訳は無理なわけです。わたしは本書の訳が適切な人にやってもらえるか非常に心配でしたが、「岩谷さん」という適任者を得て安心して人に訳書の方を紹介できます。

ただし、アンチパターン「パターンおたく」に陥らないように気をつけてくださいね。オブジェクト指向設計の世界でもときどき、異常にデザインパターンに詳しいんだけどゼロから設計させてみると全然できない人とかを見かけます。同じように、アンチパターンをすべてマスターしているんだけでどこの人にだけはプロマネはやってほしくないというようにはならないように気をつけてくださいね。そういうのは単なるプロ真似です。

(アンチ巨人阪神)


結局この本って,「オブジェクト指向の落とし穴」にきちんと既に書いてあることを『パターン』ブームにあやかって,新たに”アンチパターン”というキーワードでまとめ直したものですよね.
最初に,アンチパターン って言葉を聞いたときには,従来手法の側からのパターンに対する反撃かと思ってしまったのは私だけでしょうか...

(棚からぼた餅 - アンチだんご3兄弟)


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