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ソフトウェアプロジェクトサバイバルガイド
ISBN: 4891000007
著者: S. McConnell、アルテア・ジャパン 訳
出版社: 日経BPソフトプレス(日経BP出版センター
発売)
出版日: 1998/03/02
ページ: 273
表紙の一番上に「マイクロソフト公式解説書」とあるので手に取るのを躊躇された人も多いでしょうが,実は結構中身の濃い役に立つ本ですよ.
プロジェクトをいかにサバイバルさせるかという観点に立って具体的な処方箋が提案されています.第1部の「サバイバルの心得」だけでも試しに読んでみてはいかがでしょう.
特に,第1章に『サバイバルテスト』が付いていますので,そこに挙がっている「要件」「計画」「プロジェクト管理」「リスク管理」「人的資源」に渡たる全33問にぜひ回答してみてください.
2.
すべてのメンバーが目標を達成可能であると信じているか
9.
スケジュールと予算の見積りは,最も最近完了したフェーズ毎に正式に更新されているか
16.
プロジェクトマネージャの仕事量は,そのプロジェクト管理に十分なだけ存在するか
25.プロジェクト計画案には,プロジェクトの現在抱えているリスク一覧が含まれているか.
そのリスク一覧は最近更新されたか
29.
チーム内にそのソフトウェアが実際に使用される稼働環境に関する専門家がいるか
どれも耳の痛い質問なのではないでしょうか?
もしそこで80点以上取れれば,あなたのプロジェクト管理能力はペーパーレベルではかなりのものだといえるでしょう.
というより,あなたは相当幸せな,ぜいたくな環境で仕事をしているというべきでしょう.
(とはいえ,プロジェクト管理の能力の8割はペーパーテストでは測れない実践的・対人間的能力ですから,まったく油断がならないのですがね...)
そうはいっては,机上であれこれ事前に思案しておくのはいい心がけですし,問題に直面してもあたふたせずに済む確率も高まるというものです.
特にオブジェクト指向に限定した本ではないのですが,アーキテクチャ開発の重視や段階別分納を推奨している点でRational社のUnified Processなどにも通じる基本的な発想で貫かれていて非常に参考になります.
あれだけ巨大なマイクロソフトですが,この本を信用するとしっかりと開発をやっているエンジニア達も多いということなのだろうか
(ただやっぱり『マイクロソフト帝国』草思社とか読むとね...)
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