[技術書籍紹介]
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ソフトウェアパターン入門 羽生田栄一 監修 |
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対象読者 |
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内容紹介 |
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目次 |
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パターンワーキンググループについて |
本書は以下のような幅広い方々を対象読者として考えています。
パターンという言葉を聞いて、多くのソフトウェアエンジニアが最初に思いうかべるのは、GoFのデザインパターンでしょう。Erich Gammaらによる「デザインパターン」が1995年に出版されてから、ソフトウェア開発者のコミュニティの中でパターンは大きなムーブメントとなりました。そして、世界中のソフトウェア開発者たちがアーキテクチャパターンやイディオム(スタイル)のようなテクニカルなパターンに夢中になりました。 しかしながら、ソフトウェアパターンは、テクニカルなパターンに限定されているわけではありません。分析のためのパターンや、組織作りやプロジェクト管理のパターン、テストパターン、セキュリティやリエンジニアリングのためのパターンなど、ソフトウェアにかかわるさまざまな領域の先人の知恵がパターンとしてまとめられ、使い続けられています。 本書は、このようなソフトウェアパターンの広がりを紹介し、私たちのソフトウェアパターン活動にかかわる経験や想いをまとめたものです。
「第二部 いろいろなパターン」を読むとよいでしょう。ここでは、POSAアーキテクチャパターンやGoFのデザインパターンのような有名なパターンから、PofEAAパターン、J2EEパターン、リファクタリング、スタイル(イディオム)のようなテクニカルパターンが紹介されています。また、組織作りやプロジェクト管理のための組織のパターンや、ビジネスモデリングに使うことのできるHayのデータモデルパターン、Fowlerのアナリシスパターン、Eriksson-Penkerのビジネスモデルパターンや、ストリームラインオブジェクトモデリングのパターンなどのようなちょっと毛色の変わったパターンも紹介されています。ここで紹介されているパターンに興味を持った方は、ぜひオリジナルのパターンカタログを読み、味わってみてください。
GoFのデザインパターンをうまく使いこなしたいと考えている方
「第六章 デザインパターン:設計の原則とフレームワークの視点から」を読んでみてください。ここでは、GoFのデザインパターンの背後にある設計の原則を紹介しています。デザインパターンは特定の問題に関する設計のノウハウであるため、その背後にある一般的な設計原則は自明なものとして扱われ、パターンカタログの中では、きちんと説明されていません。そのため、ソフトウェアの設計原則を知らない若いソフトウェア開発者にとっては、GoFのデザインパターンを正しく理解することは非常に困難です。デザインパターンとその背後にある設計原則の関係を知ることにより、デザインパターンを効果的に使うことができるようになるでしょう。
「第七章 デザインパターン適用支援ツール」を読むとよいでしょう。ここでは、ツールを使ったデザインパターンの適用の可能性について説明しています。デザインパターンの適用は、白か黒かといった単純な判断ではなく、文脈に大きく依存する非常に知的な作業です。第七章を読むことにより、ツールによってどれだけ作業が軽減できるか、そしてツールの限界などについて知ることができます。
「第四部 パターンの導入」が参考になります。ここでは、ソフトウェアパターンを導入した体験談、組織でパターンを活用するメリット、陥りがちな誤解についてふれています。また、ソフトウェア開発プロセスのフレーム、SLCP-JCF98とパターンの関係についての説明、パターン運用プロセスのフレーム、パターンエンジンの提案もおこなっています。パターンの重要な価値のひとつは知識の共有です。自分がパターンをある程度使いこなせるようになったら、組織でパターンを使うことを検討してみるとよいでしょう。
本書が、ソフトウェアパターンを使ってさまざまな問題を解決し、楽しく仕事をする手助けとなれば幸いです。
Enjoy Patterns!
1.1 「パターン」とは
1.2 パターン技術はなぜ必要か
1.3 デザインパターンを例にしたパターン解説
1.4 ソフトウェアパターンの歴史
1.5 ソフトウェアパターンの広がり
1.6 パターンランゲージとは
1.7 パターンに関する活動
1.8 パターンの今後
1.9 まとめ
2.1 ソフトウェア設計のためのパターンの種類
2.2 アーキテクチャパターン
2.3 デザインパターン
2.4 イディオム
2.5 ソリューションドメイン指向のパターン
2.6 まとめ
3.1 はじめに
3.2 スタイルパターンの例
3.3 スタイルパターンの活用法
3.4 まとめ
4.1 アジャイルなソフトウェア開発の組織パターン
4.2 新しいアイディアを組織に導入するためのパターン
4.3 まとめ
5.1 Hayのデータモデルパターン
5.2 Fowlerのアナリシスパターン
5.3 Eriksson-Penkerのビジネスモデリングパターン
5.4 ストリームラインオブジェクトモデリングのパターン
5.5 ビジネスモデリングのためのパターンをプロジェクトに導入する
5.6 まとめ
6.1 設計の原則とデザインパターン
6.2 デザインパターンとフレームワーク
6.3 この章のまとめ
7.1 デザインパターンの適用手順
7.2 デザインパターンの展開作業のUML表現
7.3 ツールによるデザインパターン展開
7.4 ツールによるデザインパターン検出
7.5 ツールの比較と有効性に関する議論
7.6 まとめ
8.1 パターンを探してみよう
8.2 パターンを味わってみよう
8.3 パターンをさらに味わってみよう
8.4 パターンを書いてみよう
8.5 パターンを組み合わせてみよう
8.6 まとめ
9.1 「きっかけ」としてのパターン
9.2 パターンの姿勢
9.3 パターンを導入する9つの理由
9.4 パターンに対する9つの誤解
9.5 パターンの7つの落とし穴
9.6 まとめ
10.1 ソフトウェア開発のフレームとパターン
10.2 パターンエンジン
10.3 パターン文化の醸成
10.4 まとめ
付録A GoFデザインパターン ―フレームワーク構成原理と拡張性
付録B SLCP-JCF98のプロセスとパターンの関連
拡張性とソフトウェア開発手法について
欲求−願望−要求モデルとパターン
パターンワーキンググループは、日本におけるソフトウェアパターンの普及、知識の蓄積、共有、研究のために、2003年に設立されました。本書は、パターンワーキンググループの有志が執筆しました。
ソフト・リサーチ・センター様のご好意により、『 ソフトウェアパターン入門〜基礎から応用へ〜 』 を抽選で 3名 の方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、以下の内容を明記の上、メールの Subject に「ソフトウェアパターン入門〜基礎から応用へ〜プレゼント係」と書いて OOSQUARE-EDITOR@ogis-ri.co.jp 宛にお送りください。
- お名前
- 郵便番号
- ご住所
- 電話番号
- 現在注目している技術や関心のあること
- 「オブジェクトの広場」で読んでみたい記事
締め切りは、2005 年 10 月 31 日まで。当選者の発表はご本人宛にメールにてお知らせいたします。
ご応募で頂いた個人情報につきましては、本件「ソフトウェアパターン入門〜基礎から応用へ〜」プレゼントのご連絡のみに使用いたします。
お客様の個人情報は、当社の個人情報保護方針に基づき、適切にお取り 扱いいたします。また、ご本人の承諾なしに、第三者機関へ提供することはありません。
プレゼントの応募は締め切らせていただきました。 たくさんのご応募ありがとうございました。 抽選の結果、当選された方には 11/18 までに案内メールをお送りいたします。 (2005/11/01) |
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ソフトウェアパターンをまったく知らない方
「第一部 概説」から読み始めるとよいでしょう。ここでは、パターンとはどのようなもので、パターンを使うことによってどのような効果が得られるのかについて説明しています。また、パターンの歴史や広がり、パターンコミュニティの活動についてもふれています。ここからはじめて、第二部、第三部と読みすすめれば、ソフトウェアパターンの広がりや有効性、導入方法などについて理解することができるでしょう。