ObjectSquare [2012 年 2 月号]

[インタビュー]


Smile Grid コンテスト優勝者インタビュー



■ はじめに

オージス総研が主催する学生さん向けのソフトウェアアイデアコンテストであるSmile Grid コンテストの優勝チーム「イタメン幕府チーム」 のお二人にこのたびインタビューを行う機会をいただきました。今回はその模様をお伝えします。

池田さん 西原さん

インタビュイー:チーム「イタメン幕府チーム」メンバー
(写真左より)青山学院大学 池田 純平さん、宮城大学 西原 政比彦さん

インタビュアー:オージス総研 技術部アジャイル開発センター長 藤井 拓

■ コンテストに応募されたきっかけ

--- 今日はお忙しいところおいでいただきましてありがとうございました。 まずは時系列順にコンテストに取り組まれたお話を伺おうと思うんですが、まずどんなきっかけで Smile Grid コンテストをお知りになったのでしょうか?

インタビュー風景

西原: 僕の大学の掲示版にSmileGridコンテストの告知の紙が貼られていて、それを見て「ああ、面白そうだな」って思ったのがきっかけです。

--- その時点では一人?チームはまだ結成されていなかったのでしょうか?

西原: そうですね。

--- ではその後、エントリーするまでにお二人はチームのメンバーになっていたのでしょうか?

西原: はい、もちろんエントリー時はチームで組んでいました。元々違うコンテストみたいなところで一緒にチームを組んで企画をしたりしていたんです。 その流れで、もうちょっと別のものもやってみたいよね、という話をしていて、その時に Smile Grid コンテストの告知を見て応募した、という感じです。

--- メンバーはお二人の他にもう一人いらっしゃいますけれど、その時点でチームには 3 名とも揃っていらっしゃったんでしょうか?

西原: そうですね。

--- 前のコンテストの時もその 3 名で応募されたのでしょうか?

西原: 前のコンテストでは、お互いに全く面識の無い状態で Twitter で呼びかけて、「おう、組もうぜ」という話になって結成したんです。 それで、リアルでは全く情報がないという状態でチームを組むことになって、実際に 3 人で作ってみたら、なかなかうまくハマる感じだったので、これならいけるかなと。 最初のコンテストは惜しくも負けてしまったんですが、このメンツならもうちょっと面白いものが考えられるんじゃないかなと思いまして。

--- 池田さんは、コンテストに参加しようと提案があった時はどう思われましたか?

池田: 前回負けてしまったのですが、このメンツであれば優勝は狙えると思っていたので、やるしかないなと思って、二つ返事で引き受けました。

--- なるほど。もう一人の方もすぐにやりましょうという話になったのでしょうか?

西原: そうですね。

--- ある意味リベンジするような形で応募を決意されたわけですね。もう一度より良い結果を出したい!という。

西原: ええ、そうです。

■ アイデアを生み出す過程

--- 応募した段階では今回のアイデアというのは着想されていたのでしょうか?

池田: いえ、エントリーしてから「どういう時に笑顔になるかな?」と考え始めました。

--- その時のアイデア出しというか、話し合いというのはどういう風にされたのでしょうか?

池田: ずっとSkype上です。

西原: 3 人がそれぞれコンセプトに沿ったアイデアを出しまくりました。 今回の場合コンセプトは「笑顔にして考えさせる」というものだったので、それを満たす IT サービスはどういうものがあるだろう、というのをとにかく考えていきましたね。

--- Skypeは、何日間かに渡って? それとも定期的に打ち合わせを持ったのでしょうか? 一日中繋ぎっぱなしで議論したとか(笑)

西原: (笑) それは時間を決めて。 終わったらまた次の日程を決めて、という形でやっていきました。

--- 西原さんはその当時、東日本大震災の被災地の方にいらしたということで大変な状況でしたよね?

インタビュー風景

西原: そうですね。 ただ、僕のいたところは宮城県の山の方なので、そこまでは被害を受けなかったんですけれど、それでも一週間電気と水道が止まって山形の実家に避難していた、というのはありましたが。 アイデアを考えていた時期( 7 月)は沿岸部以外ほとんど通常通りの日常に戻っていたので、そこまでその時は大変な状況という程では無かったですね。

--- アイデアを Skype 上で議論していたというお話でしたが、最終的なアイデアに至るまでの議論というのは期間としてはどのくらい続いたのでしょうか?

西原・池田: 2 週間くらいですね。

--- 何回くらい打ち合わせされたのでしょうか?

池田: 全体では 10 〜 11 回くらいやりました。 2 週間の間だとどれくらいやったっけ?

西原: アイデア出しまではたぶん 5 〜 6 回くらいかな?

池田: 4 日に 1 回くらい打ち合わせをしました。

--- じゃあ、アイデアが決まるまでに 1 か月くらいかかっているのでしょうか?

西原: そうですね。 期間的にはそのくらいかかりました。

--- アイデア応募までの間に、有望なアイデアをすぐに 1 つに絞れたんですか? それとも複数のものがあったのでしょうか?

西原: 何個かアイデアを挙げて、それを掘り下げていったんです。 最終的に 4 つくらいに絞って、それぞれを具体的なサービスの形に落としていったら面白くなるかどうかというのを皆で考えて、そうしたら 1 つに絞られていきました。

--- 普通のソフトウェア開発でも、どんなソフトを作るかというアイデアの企画は難しいと思います。 抽象的なレベルだと色んなアイデアが出てくるんだけど、それを具体的にどんな形になるかを考える段階で、つまんないものになったり実現が難しかったりするような事がよく起きると思います。その点はどのように克服されたのでしょうか?アイデアを出しながらアプリをどんなものにするかというところまで具体的に考えておられたのでしょうか?

西原: アイデア出しの段階では、抽象的なコンセプトベースであまり具体的な形は考えないですけれど、アイデア出しをしているとポーンと「あ、これイイんじゃないか!?」と思う事があって、それを 1 回掘ってみて利用シーンをイメージしてみる、という形でやりました。

--- お二人はソフトウェア開発のやり方を勉強されていたのでしょうか?

西原: 僕はプログラマーではないのですが、ディレクターとしてアプリとかをチームを組んで開発した経験はありました。

--- 大学で?それ以前?

西原: 大学で、ではないですけど、他大の学生と組んでやっていました。

--- その中で経験的にそういうものを習得されたのでしょうか?それとも本とかを読んででしょうか?

西原: 経験的に、ですね。

--- 面白いですねぇ。アイデアを議論する中で喧嘩というか(笑)議論が白熱するような事は無かったですか?

西原: このチームはそういう感じじゃないですね。

池田: そうですね。

■ 異なる個性がチームに結集

--- 池田さんはおとなしいですけど、議論中に反論したりとか無かったのでしょうか? 「自分はそうじゃないと思う!」という意見の相違とか。

池田: 反論ですか・・・このチームに限ってはほとんど無かったと思います。

西原: すごく、役割のすみ分けができてたなぁって感じます。 とりあえず僕がワァーって「これはこうしよう、こうしたらいいんじゃないの」って言って、彼がチェックしてくれて、違うところは「いや、ここは違うよ」って言ってくれるし、いいところは「じゃあそれでいこう」と同意してくれる。 そういう風にすみ分けができていたのであまりぶつかるとかはしなかったですね。

--- もう一人の方はどんな役割だったのでしょうか?

西原: もう一人は、発想がすごく面白いんですよ。 ちょっと変な人間なので(笑)

全員: (笑)

--- なんか欠席裁判みたいですね(笑)

西原: まぁ、変な人間なんですけど、その分発想が飛んでて、あまり思いつかないような違う方向から意見とかアイデアを出してくれるという。

--- それは重要ですね。 すごくいいチームですね。 そういうメンバーが揃っていたからこそ応募しようという気持ちになったんですね。 何かもっと作ってみたいという。

西原: はい。

■ アイデアを説明する文書の作成

--- 「アイデアを説明する文書」はどうやって作成されたのでしょうか? やはり同じように、誰かが書いて Skype でレビューして皆で意見を言い合うというような感じでしょうか?

西原: まず、書く前にコンセンサスというか、そのサービスに関しての設計とかメリットとか、どういう人が使うとか、というのを議論して固めていったのが先ですね。

--- Facebook というプラットフォームは早い段階で決めていたのでしょうか?その時点で。

西原: そうですね。あのスキームが一番合うのが Facebook だろうというような当たりはもう付けていました。

--- 最初から Facebook ありきで作ろうと思ってアプリを考えたのでしょうか? もしくは、こんなソフトがあったらいいなと考えて、それを実現するための手段として Facebook を選んだのでしょうか?

西原: 後者ですね。まずサービスありきで。

--- なるほど。利用者イメージとかどんな機能を提供するかというイメージを固められてから説明資料、文書を作成された?

西原: そうですね。そこは完全に仕事を割り振って。

--- どんな分担なのでしょうか?

西原: 彼(池田さん)がデザインと機能の詳細な説明の部分を担当しました。 僕は強みとかメリットですね、他のサービスとなぜ違うのか、なぜこれがいいのかというところを担当しました。

--- もう一人の方は何をされたのでしょうか?

西原: もう一人は・・・

池田: その段階で結構忙しかったんです。

西原: 卒業して、就職しちゃったんですよ。

--- ああ、そうか。その時期に。なるほど。

西原: ですので、アイデアを固めた後にもう一人が企画書のチェックとかプレゼンチェックとか、そういう役割になりました。

--- それでも、分担して文書を作るというのは結構難しいですよね。

西原: はい。

--- お互いが考えている事をどちらかが受け止めてまとめなくちゃいけないという事ですよね。

西原: そうですね。 よくチームで資料作成とかするんですけど、たしかに分担して作ると、各人が作ってきたものを摺り合わせるという労力が結構かかるんですよね。 でも、このチームの場合それがほとんど無いんです。

池田: 僕も同じようにチームを作ってやってきたのでそう思います。 たまたま(同じ事を)やってきた同士がこのチームで出会ったという感じで進んだので、ほとんど直しなしで進めることができました。

--- ほう、そんな事があるんですね。不思議な感じがしますね。(笑)

西原・池田: はい。(笑)

■ チーム結成の経緯

--- ちょっと話が遡ってしまいますが、そもそも 3 人が出会ったきっかけというか、チームを組む動機は何だったのでしょうか? 特定のコンテストに応募しようとして Twitter 上で呼びかけて賛同してくれた人達が 3 人集まったという感じでしょうか?

インタビュー風景

池田: そうですね。 彼が呼びかけて僕が参加したという感じなんですけれども。 元々もう一人の石田と西原さんがいて、その 2 人の「面白いビジネスをやらないか」という呼びかけで、面白いなら僕も参加してみたいなということで参加したのがきっかけです。

--- それはいつぐらいの時期なのでしょうか?

池田: 去年(2011年)の 5 月か 6 月ぐらいです。

--- ほう、そうなんですか。じゃあ応募の直前なんですね。

池田: そうですね。

--- その時に何を決め手にチームのメンバーになろうと思われたのでしょうか?

池田: もう一人の石田という変な奴(笑)がいるんですけれど、その変さを売りにしてお金を稼ごうという呼びかけをしていたんです。 そんな話は今まで聞いた事が無かったので。(笑)

--- 独創的だと(笑)

池田: そうですね。絶対いい経験になる、参加するしかないなと思って。

西原: 別の企業主催のコンテストで、 Twitter でエントリーした人はチームを組んでいいよ、という形だったのですが、そこで石田がチームメイトを募集していた、と。 人の「変さ」というか「イタさ」を売りにしてビジネスをやりたいみたいな事を言っていて、すごい無理難題だけど、とりあえず面白そうだからやってみるか、ということで呼びかけに応じてみた、という感じです。

池田: ほとんど一緒です。

--- 石田さんが呼びかけて、まず西原さんが一緒にやろうという話になって、そこからさらに池田さんが加わったということですね。

池田・西原: はい、そうです。

--- ところで、コンテストに応募されてから本選出場に至るまでに実際に会った回数は?

池田: うーん、SmileGrid用に会ったことあったっけ?前日か?

西原: プレゼン前日・・・

--- えっ!そうなんですか!(笑)

全員: (爆笑)

--- それまでずっとネット上だったのでしょうか?

池田: そうですね。(笑)

西原: 僕が仙台在住なので、こういうコンテストに出ようとか一緒にやろうとすると、関東まで手を伸ばさないとなかなかメンバーが見つからないんです。 なのでミーティングは大抵 Skype で、今回のような感じならあまりそれを苦痛には感じないですね。

■ 本選の準備について

--- それでは本選についてお聞きしたいと思います。 応募されて、書類審査があって、結果をお知らせしたということで、そこで本選出場というのは計画通りだったと思うのですが(笑)、本選のプレゼンはどんな感じで作られたのでしょうか? 同じように 2 人で役割分担して作られたのでしょうか?

池田: 最初はどういう構成にしようか、というところから始めました。 その後はそれぞれイントロの部分や環境の部分を調べてきて、落とし込んで摺り合わせようという風に、ほとんど企画書と同じ作り方でやりました。

--- アプリの画面イメージはどの段階で作ったのでしょうか? 「アイデアを説明する文書」で作って、プレゼンはそれを流用していくような感じだったのでしょうか?

池田: そうですね。

--- 当日の説明は西原さんがされたのですよね。 どちらがプレゼンをするか、役割分担はすんなり決まったのでしょうか?

西原: ん〜、まあ、「俺がプレゼンしたい!」って言って、「ああ、いいよー」って。(笑)

全員: あはは(笑)

--- ピッチャーとキャッチャーみたいですね?バッテリーのような。(笑)

池田: ああ、そうですね。(笑) でも実際彼の方がプレゼンが上手いですから、彼がやった方がいいかなということで。

■ 本選当日について

--- 本選の時は他のチームのプレゼンも聞かれてましたが、どういう風に思われましたか? 「自分達が勝つだろう」と自信満々だったのでしょうか?それとも「結構いい勝負だな」とドキドキしていたとか?

西原: 五分五分くらいかなと思っていました。 そこまで大差が無いプランだったと思うので、じゃあもうそうなったら、あとは審査員の方がどこを一番評価するかというところで落ちるので、もうそこは五分五分くらいだったかなと。

--- 本選出場チームの中で最大のライバルというか、一番手強いと思ったチームはどこでしたか?

西原: それはもう、準優勝した FAMILY05 チームですね。 やっぱりモノとして動くものを作り上げてきたというのはアドバンテージがあるんじゃないかなと思って。 それがどの程度評価されるんだろうというのが結果発表されるまでずっと気になりました。

--- 今回のテーマは「SmileGrid」だったんですけれども、「SmileGrid」というテーマはどうでしたか? アイデアを考える時に難しかったとか。 どういう風に思われましたか?

西原: 結構難しかったといえば難しかったですかね。

池田: 笑顔にして考えさせる、というテーマでしたよね。 笑顔にするところまではいいんですけど、考える方までいかないよね、というのが多くて、そこで結構苦労しました。

西原: そうなんです。 だから、「じゃあ笑顔にして考えさせるというのはどういう感情なんだろうね?」みたいな話をすごくしたんです。 たぶんお笑いの爆笑じゃないよね、とか、もっと優しい感じで、とか、そういうフワフワした話を続けて、アイデア出しに落としたりしていました。

--- 笑いの後に考えさせるという部分をどうもっていくかというところは、各チームがそれぞれ工夫されていたところですね。

西原: はい。

--- 本選後の表彰式で優勝とお知らせしましたが、その時の気持ちはいかがでしたか?

池田: そりゃもう嬉しかったですよ。

西原: そうですね。

池田: 僕はちょいちょいこういったコンテストに参加させてもらっているんですけど、優勝したのは初めてだったんです。 それで、やっと優勝できた!ということで喜びもひとしおでしたね。

西原: 僕は、嬉しかったんですけど、勝てたというよりはプレゼンを受け入れてもらえたのが嬉しかったです。 あのプレゼンて、自分にしてはパッションというか感情を押す感じで作られていて、本当に僕はずっと犬を飼っていて、今もパピヨンとフェレットとかを家で飼っていたりして、本当にペットが好きで、そこで思いのたけをぶち込んだプランだったんです。 それを評価していただけたというのが自分の思いや気持ちが伝わったという事が嬉しかったですね。

--- 自分が欲しいものをソフトにしてこんな形にしてみた、というものをプレゼンしていって、それが受け入れられたという点が嬉しかった、ということでしょうか。

西原: はい。

■ 優勝後の反響

--- 優勝された後、もう一人の方(石田さん)にはすぐに連絡されたんですか?

インタビュー風景

西原: はい。もう、すぐに。

--- どのようにおっしゃっていましたか?

西原: すごい顔文字の入ったメールがすぐに返ってきました。(笑)

--- 変なコメントはあったのでしょうか?

西原: いえいえ(笑)

池田: 顔文字のセンスはちょっと変でした。(笑)

--- 3 人で宴会とかは開いていないのでしょうか?優勝祝賀会みたいな。

西原: その石田が静岡在住で、僕が仙台で彼が東京で、という感じなので。 本選が終わった夜に 2 人で新宿で軽く祝勝会をしました。

池田: あれ、石田さんに会ったこと無いよね?

西原: そういえばないね!

--- え!そうなんですか!

池田: 僕は 2 人共会った事があるんですけど、彼と石田さんは会った事がないんです。 1 回ぐらいは会わないとね。

西原: たしかに!ちゃんと祝勝会を今年やりましょう!

池田: やりましょう。

--- 今回優勝されたということで、周囲の方の反響はありましたか?お祝いの言葉をもらったとか、優勝賞金で何か買ってくれと言われたとか(笑)

西原: 「優勝した」って Twitter とかに投稿したので、皆からおめでとう、という言葉をいただきました。 それから 1 か月ぐらいは飲み会の度に「今日は西原がおごるんだよね!?」と言われました。(笑)

--- そうですか!それは大変でしたね。(笑)

池田: 僕も似たような感じでしたね。 Twitter でもつぶやいたので、それを知っている人には「で、今日はいくらおごってくれるの?」と。(笑) で、「いくらもおごらないよー」と。(笑) それが 1 〜 2 か月続きましたね。

■ 大学での専攻について

--- 大事な事を聞き逃したのですが、元々お二方とも専攻は文系でしたよね?

池田: はい。

西原: そうですね。

--- 専攻は何をやってらっしゃるんですか?

西原: 僕は事業企画ですね。 IT 系の。

--- ビジネスプランみたいなものも、演習で作られたりするのでしょうか?

西原: はい。ビジネスプランも。

--- ほう、なるほど。

池田: 僕は経営です。 僕も学外でずっとビジネスプランの勉強とかをずっとしていたので、その流れで。 あと、元々高専だったんです。 高専出身で文転したので、ある程度 IT の方は勉強していました。

--- ああ、そういうことですか。元々理系の素養があって、そこから文系に転身されたと。なるほど。

■ 今後の目標

--- それでは、今後はどんなところを目指されているのかという方向性をそれぞれお話いただけたらと思うのですが。 今後は何を目指されていますか?

インタビュー風景

西原: 僕はサービスとか事業の企画を実際にやる側の人間になれればいいなと思っています。 実際に大学院ではプログラミングの勉強も始めて、簡単なものを一人でリリースできるぐらいになりたいと思います。 まだあと 2 年勉強していくという形ですね。

池田: 僕はとにかく大きい事がしたいなと思うので、そのためには力をつけていかなきゃいけないなと思います。 今回チームで優勝することができたので、今度は個人で優勝を目指してコンテストに出ています。

--- じゃあ次回のコンテストも応募していただいて。(笑)

池田: その時はぜひ声をかけていただければ。(笑)

--- 去年の優勝チームも 3 人で組まれていて(「青いボタンで...」コンテスト優勝者インタビュー)、 3 者の個性がうまくお互いを補い合っていい作品ができたような気がするのですが、やっぱり個人とチームとでは難易度がかなり変わるのかなという気はします。

池田: 全然違いますね。 全部一人でやらなきゃいけないというのは結構忙しかったり大変だったりするので。 間違っているかも、というまま進んでしまうので、そこが精神的に辛かったりします。

--- 大きな事、というのは大きな事業という意味なんですか? 将来的に見据えて大きな事、というのは必ずしも事業という事ではないのですか?

池田: 影響力が大きくて、できるだけ人のためになること、という風に定義していますけど。 できるだけ一人でも多くの人達のために良くしていきたいなという気持ちがすごくあって、それをするにはもっと力が必要かなというところですね。

--- なるほど。西原さんは先程のお話では、将来的にはビジネスを立ち上げるとか、起業みたいな事を考えてらっしゃるのでしょうか?

西原: うーん、まあ、やれたらいいですよね。 でも別に自分がやって面白い事であれば企業に入ってでもいいし、それが企業ではできないのであれば起業してもいいし。という考えですね。

--- そこで難しいのは、今回のコンテストの作品においては自分自身がこんなものが欲しいというニーズを自分自身で感じながら作っていたと思うのですが、今後事業をやる時には、誰も未だに発想したことがないし、発想しにくいものを見つけていかなくちゃいけない難しさがあると思います。そのあたりはどう乗り越えていきますか?(笑)

全員: (笑)

--- 私達ソフトウェアの専門家の立場から言うと、ソフトウェアを作る部分はむしろ易しいところですが、構想するというところが結構難しい。 そこができる人が今の日本ではなかなか少ないというのが、日本がソフトウェア分野で欧米に比べて遅れているというか弱い部分なのかなという風に感じています。

西原: それは独創的な構想ができる人間があまりいないということですかね。

--- はい、そうですね。 他人と似たような時流に流されたような感じのものではなくて、本当に自分が欲しいものはこういうものだというのを見据えてそれを創り上げていくような。

西原: それに当てはめれば、今回のプランはどうだったんでしょう? あれはもう本当に他人がどうというよりは「俺が欲しいんや!」というマインドで企画したものではあります。

--- ちなみに審査員の一人は「あれだったらすぐに事業にできるんじゃないか」と言っていました。(笑)

西原: (笑) 今回の SmileGrid を通じて思ったことでもあるのですが、自分の好きなものとか良いものとかをぶちまけて作った方が、筋やコンセプトがしっかりできるしエッジも効いた企画になるなというのを実感したので、今後もそういう企画をする時はこだわりとか自分の感情みたいなものを詰め込んで作っていけたらいいなという風に思っています。

■ 最後に一言

--- じゃあ最後に一言お願いします。 来年のコンテスト参加者に対する呼びかけでもいいですし、自分自身の思いでもいいですし、結びの一言をお願いできればと思います。

インタビュー風景

池田: こういった機会を設けて参加させていただいたというのがすごく大きな経験になったので、来年参加したいと考えている方は是非全力を尽くして参加していただければと思います。

--- ありがとうございます。

西原: まずはコンテストの他の参加者やオージス総研の皆様にありがとうございました、と一言お礼を申し上げます。 あとこれは僕自身の意気込みなんですが、もし今年もあるのであれば、次は実際に動くものを持ってきたいなと。 で、 2 年連続優勝できたらカッコイイなと。(笑)

--- なるほど。それじゃあお二方は別のチームに分かれて?それとも同じチームで?

池田: いや、どうかな?(笑)

西原: それはその時になってみないとわからないですね(笑)

--- なるほど。今の段階では未確定、と。(笑) 今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。

池田・西原: ありがとうございました。




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