[特別企画]
これまで、Web サービス(Web API)というと Google、Amazon、Yahoo!、はてななど、インターネット関連企業が提供するというイメージがありました。ところが、2006 年 6 月に入ってから、リクルートから 4 種類*1 の Web サービスがリリースされ、じゃらんnet やフロム・エーなど生活に身近なサービスが、Web サービスとして利用できるようになりました。生活に身近なサービスが Web サービス化され、Web 2.0 がより生活に近いところで展開されるようになったのです。
そこで、オブジェクトの広場では、実際に、リクルートでじゃらんnet の Web サービスの構築に携わっている飯田さんと、 Web サービスの企画に関わっている八木さんに Web サービスについてインタビューを行いました。
*1 カーセンサー・ラボ.net API、スマッチWeb サービス、じゃらんnet 宿表示API、フロムエー・ナビ API
-- 御社では、Web 2.0 への取り組みということで、6 月に入ってから 4 種類の Web サービスをリリースされたと伺いました。御社が提供されているような生活に身近なサービスが、Web 2.0 を意識し始めているということは、いよいよ Web 2.0 が生活に入り込み始めたと感じさせるものがあります。今日は、新しく公開された Web サービスと Web 2.0 についてお聞かせください。よろしくお願いします。
八木さん、飯田さん
-- まずは簡単に自己紹介をお願いします。
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飯田さん 私は弊社のシステム担当部署である FIT(Federation of IT)に所属し、ベンダーさんのご協力のもと、今回のじゃらんnet 宿表示API 他、じゃらんnet のプロジェクト運営やサイト構築に携わっています。 |
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八木さん 私もFITのメンバーなのですが、私はFIT内の「BIコラボレーション委員会*2」に所属しています。BIコラボレーション委員会では、弊社が運営する各事業に対して、ITをベースにした企画・ソリューションの提案を行っています。また、弊社提供の Web サービスを利用したマッシュアップ作品のコンテスト「Sun×RECRUIT Mash up Award」など新しい取り組みにもチャレンジしています。*2 BI の、B は Business、I は IT で、ビジネスとITの橋渡しという意味とのことです。 |
-- 基本的な質問になってしまいますが、じゃらんnet の Web サービスとはどのようなものでしょうか?
飯田さん
-- ちなみに、この Web サービスを応用するとどんなことができるのでしょうか?
飯田さん
Web サービスと一口に言っても、なかなか実感が持てません。そこで、今日紹介するじゃらんnet API を実際に使ってみて Web サービスの雰囲気を実感してみてください。まずは、以下の URI をブラウザから開いてみてください。品川・高輪・天王洲付近の宿データ(XML 形式)が表示されます。
今回使った URL のパラメータは以下のとおりです。
パラメータ名 | 説明 |
---|---|
key | API を利用するためのキー。 |
s_area | 小エリアコード。2006/8/3 現在、137105 は東京の品川・高輪・天王洲周辺。 |
URL「https://jws.jalan.net/APILite/HotelSearch/V1/」にパラメータを渡すことで、返される XML データが変化します。パラメータのマニュアルやエリアコード対応表を参照しながら、パラメータを変更すると、検索結果を操作することができます。いろいろと実験してみてください。
アプリケーションからアクセスしても同様の XML データを取得することができるので、このデータを加工すれば、じゃらんnet が貯えている宿データを使った独自のサービスを開発することができます。
また、RMC(リクルートメディアコミュニケーションズ)の「たたみラボ」では、じゃらんの Web サービスを利用したサンプルサイト「シンプル宿検索 by じゃらんnet」を提供しています。ソースコード(AJAX + Perl)も公開されているため、見比べながら学習すると、さらに理解が進むでしょう。
-- どのような意図でじゃらんnet API を設計したかお話いただけますか?
飯田さん
-- Web サービスの設計を行うにあたって、既存の Web サービスで、意識したものはありますか?
飯田さん
-- Web サービスは REST 形式(POX over HTTP)とのことでした。REST を選択した理由などをお話いただけますか?
飯田さん
-- Web サービスの中には特定の言語に対して便利なライブラリを提供しているところもあります。御社サービスでは、特に意識している開発言語や環境はありますか? 例えば、特定の環境にライブラリを提供するなど。
飯田さん
じゃらんnet API は REST 形式(POX over HTTP)の Web サービスです。厳密に言うと、REST ではなく、POX over HTTP や XML over HTTP と呼ばれる形式です。POX over HTTP(Plain Old XML over HTTP)とは、HTTP の GET メソッドに対して、シンプルな XML を返すような Web API を指します。
REST とは、Web が成功した要因を分析し、アーキテクチャスタイルとしてまとめたものです。アーキテクチャスタイル*3 ですからアーキテクチャに対するいくつかの制約と構造から成り立っています。POX over HTTP は一種のプロトコルですから、POX over HTTP と REST は観点が異なります。では、なぜ POX over HTTP 形式の Web サービスを REST 形式の Web サービスと呼ぶようになったのでしょうか。
これは、いくつかの有名な POX over HTTP 形式の Web サービスが、REST 形式を名乗ったため、両者が混同されるようになってしまったようです。今となっては、REST 形式の Web サービスという表現の方が有名になってしまった感があり、新しく公開される POX over HTTP 形式の Web サービスは REST 形式と呼ばれることが多くなっています。
*3 アーキテクチャスタイルとパターンは非常によく似た概念です。あえて違いを挙げるとすれば、パターンの方がより課題指向であることです。
-- Web サービスを提供しているシステムのハードウェア構成やプラットフォームなどはどのようになっているのでしょうか?
飯田さん
-- Web サービスを提供する際、技術的に難しいことは何でしょうか?
飯田さん
-- なるほど。すると一番難しいことはなんでしょうか?
飯田さん
-- ははあ、やはり一番難しいところはビジネス的な面にありそうですね。ちなみに、セキュリティ対策というと、具体的にはどのようなものでしょうか?
飯田さん
-- Webサービスの開発にあたって、かかった人数・工数などはどれくらいかかったかわかりますか?
飯田さん
-- 規模的にはむしろ小さな開発なんですね。Webサービスを開発するにあたっては、技術的に何か新しいものはありましたか?
飯田さん
-- Web サービスを提供するシステムを実装することによって、従来の Web サイトのシステムが技術的にどこが変わったか教えていただけますか?
飯田さん
--影響がないということは、別システムにわけているということでしょうか?
飯田さん
-- 運用面の質問なのですが、こういった Web サービスを公開すると、大量のアクセスが発生するのではないかと思います。API に対するリクエスト数、トランザクション数など、システムに対する負荷がどれくらい増えたかなどはわかりますか?
飯田さん
-- Web サービスに注目したきっかけはなんだったのでしょうか?
八木さん
-- Web サービスを公開したねらいについてお聞かせください。
八木さん
-- しかし、Web サービスを公開すると、宿などの貴重な情報を無料で公開することになります。そういった面で議論になることはありませんでしたか?
八木さん
-- やはり。議論で挙がった話題を聞かせていただけますか?
八木さん
-- 今回 Web サービスを公開したサービスは 4 種類です。御社にはたくさんのサービスがありますが、この 4 つ選択したことには何か理由があるのでしょうか?
八木さん
-- 独立して意思決定を行ったということは、たまたま 4 つの Web サービスが同時期にリリースされたということでしょうか?
八木さん
-- 先ほどお話に出ました「Sun×RECRUIT Mash up Award」とは、どのようなコンテストなのでしょうか?
八木さん
-- 社会的には Web サービスを普及させる効果もありそうですね。コンテストの開催に到った経緯をお話いただけますか?
八木さん
-- 雑談からですか。それもマッシュアップみたいですね(笑)。
マッシュアップとはどのようなものでしょうか。元々、マッシュアップという言葉は、ヒップホップ系の DJ 用語で、複数の曲を混ぜ合わせて新しい曲を作ることを指していました。転じて、IT 業界ではさまざまな Web サービスから得た情報を混ぜ合わせて新しいサービスを構築することを、マッシュアップと呼ぶようになりました。
今回の例でいえば、地図を配信する Web サービス(例:Google マップ)と、じゃらんnet API を組み合わせることで、地図上に宿をマッピングするというサービスを作成するとします。これが、マッシュアップです。複数の Web サービスを混ぜ合わせて新しいサービスを提供するわけです。さらに、娯楽施設の Web サービスなどと組み合わせて、旅行ハンドブックの Web 版・・・というようなこともできるかもしれませんね。
-- 従来の Web 上のサービスと Web 2.0 的なサービスとの違いについて具体的にお話をいただけますでしょうか?
八木さん
従来のサービスは、サイト運営側がパブリッシャーとしてコンテンツを作り、ユーザーに対してマスメディア的に情報サービスを提供してきました。一方、Web 2.0 的サービスでは、ユーザーがサービスの主役となってコンテンツを作り出し、サイト運営側はユーザー主導で運営される情報サービスのためのインフラ(例:Wiki、SNS)を提供するケースが多いです。
また、ITの活用により、サービスが自動化(例:Google Adsense)・分散化(例:Web サービス)されることが多いという点も特徴的です。Web 2.0 とは様々な要素を含むワードですので、Web 2.0 的とよばれるサービスに全ての要素が含まれるわけではありませんが、これらの要素を一つでも色濃く持っているサービスが Web 2.0 的サービスと呼ばれています。
弊社では、ユーザー参加型サービスの導入や、Web サービスの提供、直感的に操作できるユーザーインターフェースの開発などに取り組んでいます。特に Web 2.0 的な要素が際立っているサービスとしては、Smatch が挙げられるかと思います。このサービスでは、ユーザー参加型サービスである「住まいの相談室」、直感的に操作ができるユーザーインターフェース、Web サービスなどを提供しています。
--「住まいの相談室」というと、住まいの疑問・問題などをユーザー同士で答え合う一種のコミュニティサイトのようなサービスですよね。直感的なユーザーインターフェースというと、どのようなものでしょうか?
八木さん
-- 最後に、Web 2.0 とは限らないのですが、次世代のインターネットサービスとして、次に挑戦するとしたらどのような企画が考えられるか、お聞かせいただけますか?
八木さん
-- 今日はありがとうございました。
-- 基本的な質問になりますが、Web 2.0 について聞かせてください。Web 2.0 とはどのようなものでしょうか?
八木さん
当社では「Web API公開基盤構築ソリューション」サービスを提供しています。
もしWebAPIの公開や活用についてお困りの方は当社までご相談下さい。
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