ObjectSquare [1999 年 9 月号]

[オブジェクトことわざ(前編)]


あ)当たるも八卦当たらぬも八卦

経験と勘を尺度として、どんぶり勘定で行われることの多いシステム開発工数の見積もり精度が、ほとんど占いと変わらないことのたとえ。


い)犬も歩けばオブジェクトに当たる

最近はJavaにしろ、Active-XやOLEにしろ、Netscape Navigatorにしろ、なんでもオブジェクト技術を使っていることのたとえ。


う)馬の耳にデザインパターン

初心者が「クラス」や「継承」といったオブジェクト指向の基本概念を勉強せずに、いきなりデザインパターンを勉強しようとしたものの、さっぱり理解できないことをいう。
反対に分析・設計が得意で、C++もJavaもよくわかっているそんな人がデザインパターンを身につけると最強のオブジェクト指向エンジニアになれることを「鬼にデザインパターン」という。


え)縁の下の力持ち

現代の複雑になったソフトウェアは、アプリケーションを支えるたくさんの基本ソフトやミドルウェアがあってはじめて成り立っていること。


お)親の心子知らず

スーパークラス側できちんと考えてあるフレームワークを無視して、サブクラスで勝手にメソッドのオーバーライドを行い、わけがわからなくしてしまうこと。


か)カエルの子はカエル

スーパークラスとサブクラスのオブジェクトを同じように扱うことができるポリモルフィズムのこと。


き)木を見て森を見ず

分析をしているのにC++のポインタがどうだとか、javaのリフレクションがどうだ、などと実装のことばかり考えてしまうこと。


く)臭い物に蓋

ひどい構造のソフトウェアを手直しせずに、外部インタフェースだけを作って使用することを言う。ただしうまくやると「レガシーラッピング」などと呼んでもらえる。


け)芸は身を助ける

リストラ流行りのこのご時世でも、優れた技術を身につけたエンジニアなら生き残れるということ。


こ)弘法は筆を選ばず

優れたエンジニアは環境や道具立てにこだわらないということ。「どんな言語でもOOしてみせるぜ!」


さ)三人寄れば文殊の知恵

ブーチ、ランボー、ヤコブソンの3人が集まってUMLを作ったことを指す。


し)親しき仲にも礼儀あり

たとえ関係の深いクラス同士であっても、情報隠蔽を最大限にするようなデザインをしなさいということ。


す)Smalltalkを笑うものはSmalltalkに泣く

SmalltalkがJavaに押されてすたれてきたからといって、無視していると後でしっぺ返しを食らうぞ、というSmalltalkerのやけくそな気持ち。


せ)正義は勝つ

いくらJavaが流行っていて、やっぱりC++を使っている人が多くて、メインフレームじゃCOBOLが主流だとしても、最後に生き残れるのはSmalltalkだけだと固く信じているSmalltalkerのピュアな気持ち。


そ)創業は易く守成は難し

システムをゼロから新規に開発することは比較的簡単だが、それを長い年月に亘って保守し続けることは非常に難しいということ。


た)便りのないのは良い便り

CORBA の oneway オペレーションの根底に流れる考え方。
(「後は野となれ山となれ」も同じ意味。)


ち)塵も積もれば山となる

システム開発を成功させるには小さな努力の積み重ねが必要なこと。


つ)罪を憎んで人を憎まず

どんなにひどいソフトウェアだとしても、そのソフトウェア自体を憎んでも、作者個人までは決して憎んではいけないということ。


て)鉄は熱いうちに打て

オブジェクト指向技術を教えるなら、頭の柔らかい若い人に教えた方が飲み込みが速いことのたとえ。


と)遠くのCORBAオブジェクトより近くのJAVAオブジェクト

CORBAオブジェクトとメッセージのやり取りをしすぎるとパフォーマンスが悪くなり、実用的に使い物にならなくなることがあることから、システムをデザインする上では、構造の美しさを考えるだけではなく、実行効率とのトレードオフもよく考える必要があることのたとえ。


な)長いものには巻かれろ

デファクトスタンダードには従え、ということ。
Boochの雲形アイコンが今でも好きな人も、いい加減あきらめてUMLを使いましょう。


に)二兎を追うものは一兎を得ず

よせばいいのにDCOMとCORBAを両方勉強しようとするからわからなくなるんですよ。


ぬ)糠に釘

まるでやる気のない人や組織に向けてオブジェクト指向技術の教育をしなければならなくなったインストラクターのやるせない気持ち。


ね)念には念を入れよ

プロジェクトリーダーの心得。要求仕様確認や設計レビュー、進捗管理はきちんとやり過ぎて悪いことはないということ。


の)能書きの読めぬところに効き目あり

オブジェクト指向のわかりづらいところが、かえって有り難く、効果があるように思えること。


(次号に続く)
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